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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第4章─初めまして! お父さん?
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「いただきます」と私達の設定? 難しいお話よりも、クラウディアの初カレーです♪

「できたよ~、はこんで~」


 こんがり焼き上がったハンバーグカレードリアを、ワゴンに乗せて、お願いします。

 1人分ずつ用意したので、いっぱい焼きましたよ♪

 焼き上がった分から、冷めないように、冷蔵庫(魔道具)に突っ込みました♪


 最初は、シリウスに教えられても、“冷蔵庫に突っ込んだら、冷めちゃうよね!?”なんて思いましたが、そこはやっぱり魔道具さん。

 冷やすだけでなく、入れる場所によって、保冷保温や時間停止、熟成や腐敗防止なんか──これって冷蔵庫?──の効果が付与されているのです!

 超高性能!? とか思ったら、お母さんの加護の効果で、強化されてました……。


 そういえば、お母さんの加護って、魔道具性能の強化効果がありましたね。

 お家の利便性の高さも、お母さんの加護のおかげですしね。


 ………。

 お母さんて、やっぱり過保護?


 まぁ、取り敢えず、出来上がったお料理は、冷蔵庫──形は冷蔵庫だから、冷蔵庫と呼びます!──にポイです。

 おかわり分も考えて、大量に作りましたよ♪

 ふふ~ん、偉い? 偉い?


「──ん。完成♪ スープも出来たよ~」


「──…ん。出来た…」


 お父さんとベル姉様が、スープに隠し味を足して、最後の味見のあとで、嬉しそうにお互いの笑顔を認め、頷きあってます。


 スープストックを使用した、あっさりオニオンスープをお願いしたので、これも食べるのが楽しみです♪

 バゲットもあるので、パングラタンスープにしても美味しいですよね。

 多少カロリーは気になりますが、チーズを削っておきましょう♪


 カロリーは消費すれば大丈夫!

 エネルギーを発散させれば、カロリーも消費されるはず。

 子供の新陳代謝の高さ──燃費の悪さ?──は伊達じゃ無いのです!

 沢山食べても、ちょっと運動するだけで、大分燃焼されると思うのですよ♪


 と、またお話しが跳びましたね。

 まぁ、兎も角、お料理は全て完成です。


 お父さんは、自分からお手伝いを言い出したくらいなので、割りと器用にお料理を進めてましたが、作り方が思いの外豪快でした。

 前の世界で云う所の“ザ・漢の料理”って感じですね。


 旅の間は、お父さんがご飯作りを担当してたんだって。

 ベル姉様がデザートを作り終えたあと、私ではなくお父さんのお手伝いに回ったのは、大雑把過ぎて多少不安を感じたのかな?

 まぁ、無事に出来上がって良かったです♪


「じゃあ、みんなで“いただきます”だね♪」


「「? いただきます?」」


 席に着いて、皆を見回し、宣言したら、エディさんとクリスさんが、聞いたことの無い言葉に、不思議そうに首を傾げました。


「ははは。いただきますと云うのはね──」


 お父さんが、私がレグルス達にしたのと同じ説明を、楽しそうにしています。

 旅の間は、クラウディアでは当たり前の“食前の祈り”をしていたそうですが、お父さんは「いただきます」を“隠れ郷のしきたり”だと、お兄さん達に教えました。


 ? 隠れ郷?

 何処の事でしょう?


 不思議に思いましたが、疑問の答えはシリウスとレグルスが(念話で)くれました。


 クラウディアでは、転移の魔道具があるとはいえ、“界渡りの転移魔法”は、創造神であるお母さんだけが使える“特殊な魔法”のため、私の転移事情はクラウディアの民には、報せない方が良いそうです。

 そのため、私がいた前の世界の事を、隠れ郷と呼ぶことにしたらしいです。


 もともと、神域のことを隠れ郷と呼んでいて、お父さん自身がその郷の出身と云うことになってるんだって。

 勿論、お母さんもその隠れ郷の出身で、お父さんとは幼馴染み。


 お母さんは“神降(かみお)ろしの姫巫女(みこ)”と呼ばれる、特別な存在なため、本来なら郷から出られない所を、転移の魔道具を使用し、1年を通して5回だけ、たった4時間だけ、郷からの外出が許されてるっていう“設定”らしいです。

 ぁ、郷の中なら、自由に過ごせるんだって。


 姫巫女と呼ばれる存在は、軟禁生活を余儀無くされますが、婚姻や出産は許されていて、お父さんとお母さんは、幼馴染み同士で結婚した、ラブラブ夫婦なんだって♪


 お姉ちゃん達も、能力の高さから、次代の姫巫女候補とされていて、半月に1度1週間だけしか外出が許されない、特殊な環境に措かれている事にしてあるみたい。

 私とお父さんは、特に制限がないため、家族にいろんな場所や物を見せられる様に、郷の外に出て生活をしていくつもりなんだって。

 これが、いずれ旅をする理由になるみたいです。


 転移の魔道具が、魔道具に魔力を込めた相手の元──半径1キトラ()以内──へと、空間を繋げる物なため、こんな“設定”が用意されたらしいです。

 つまり、私やお父さんの魔力を込めた転移の魔道具を使って、お母さんやお姉ちゃん達が、郷の外に出歩ける形をとっているって事なんですね。


 む~。

 難しいお話ですね~。

 まぁ、何と無く理解しておけば大丈夫でしょう!

 それよりも、お腹空きました!

 ご飯が冷めちゃうよ~。


「──って、訳だから、家にいる間は、食前の祈りじゃなくて、私達の挨拶に付き合って」


 あ、丁度良くお父さんの説明も終わりましたね♪


「じゃあ、冷める前にいただこう」


「「「「「いただきます」」」」」


『『『いただきます♪』』』



 *~*~*~*~*



 やっぱりカレーは美味しいです♪


 ───ハフハフッ。はむはむ。ゴックン。はふ~ぅ。

 ──ゴクゴクゴク。ぷはぁ~♪


 食欲に委せて、勢い良く食べます!

 食欲を誘う香りと、スパイスの効いた複雑な味わい。

 カレー味のメニューって、どうしてこうも止まらなくなるのでしょう?

 美味し~ぃ♪


 辛い物を食べると、喉が渇くね♪

 お水が美味しい。

 普通のお水でも良かったんだけど、今日のお水はハーブ水。

 レモングラスとアップルミントのおかげで、さっぱり爽やか気分爽快です♪


 エディさんは掻き込む様に、クリスさんはゆったり味わう様にと、食べ方に違いはあれど、食べる速度はどっちも早い。

 お父さんとベル姉様も、美味しそうに食べて、私と目が合うと、にっこり満面の笑顔をくれます。

 どうやら気に入ってくれたみたいですね♪

 良かった、良かった♪


 ぁ、レグルスとシリウスの口回りの毛が……。

 お風呂で念入りに洗いましょう♪

 いえ、その前に魔法で落とすべき?

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