表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第4章─初めまして! お父さん?
56/169

仲直り後の家族団欒♪ 夜のご飯は何にしよう?

「いや~、それにしても、痛かった…。

 これでも、【物理攻撃耐性】スキルは、持ってるんだけどなぁ…」


 リビングの一人掛けソファに座って、背凭れに身体を預けた状態で、お父さんがぼやいてます。


 天井に向けられたお顔の上、おでこと目元を覆う様に、冷やした手拭いが。

 お鼻には、絆創膏代わりの、湿潤保護布がペタン。


『不慮の事故の様なものでしたから、“攻撃”と捉えられなかったのでは?』


 お父さんの疑問混じりの呟きに、お気に入りの暖炉前から、レグルスが予測を告げます。


「あぁ、そっかぁ。確かに。

 勢い良く開けた扉が、“静止せずに戻ってきた”だけだしね。

 扉を開けた“相手に攻撃意思が無く”、私自身もそれを理解しているから、“攻撃されたと思わなかった”からか…。

 成る程、それじゃぁ、【物理攻撃耐性】の効果は見込めないよね」


『たぶんですが、【物理耐性】スキルであれば、衝撃による痛覚も、緩和か中和が成されたはずですよ?』


『あ~、だね♪ まぁ、【物理耐性】スキルの良し悪しも、錬度(レベル)によるけどね~♪』


 お父さんとシリウス達が、技能(スキル)効果について検討してます。

 クラウディアでは、割りと細かく分かれてるので、判断が難しいらしいです。

 私の場合は、お母さんのおかげで、ちょっとしたことでスキルが増える上に、取得した途端に上限到達するから、あまり理解が出来てません。


 ………。

 いいのかなぁ…この状態……。

 恵まれ過ぎてて、危機管理能力が低下しそうな気がします。


「…てか、あんなでけぇ打撃音がする程の衝撃を、殆んど受け流しておきながら、顔を押さえて踞るとか…」


「娘さん達に心配して欲しかったのですか?」


「へ!? イヤイヤイヤ。ナニヲイッテイルノカナ」


 お弟子さん2人に、冷静に指摘されて、お父さんが慌てます。

 エディさんとクリスさんは、ニコニコ……いや、ニヤニヤしてますね。

 そういえば、確かに赤くなっただけ(・・・・・・・)で、鼻血が出たとか、瘤になったとかでは、ありませんでしたね。

 音だけは、思わず固まってしまうほど、凄かったんですが…。


『図星ですか…』『図星なのか…』『図星なんだね♪』


「ちょっ…君達まで何言ってるの!?」


 レグルス達まで、指摘を通り越して、突っ込んでます。

 慌てるお父さんをチラリと見上げ、私と姉様は視線を合わせて、クスクスと笑い合います。


 只今、私と姉様は、お父さんのお膝に居ます。

 心配で、お父さんの傍をうろうろしてたら、抱き上げられて、私は左のお膝に、姉様は右のお膝に、ちょこんと乗せられました。


「おとぉしゃん、おでことおはな、赤いのなおった?」


「…父様。…もうそろそろ…手拭い外して良い…よ…」


 意識を向けてもらおうと、お父さんのシャツを、ついついと軽く下へと引きます。

 姉様は、お父さんの膝の上で、器用に体勢を変えて、膝立で手拭いへと手を伸ばしました。


 ん。もう、大丈夫そうですね♪

 姉様が退けた手拭いの下を確認すれば、赤みは綺麗に退いています。

 会話もちゃんと出来ていたので、後遺症なんかも心配なさそう。


 心配事が全部解決した──森での事も、お父さんとお互いに謝りあって、ちゃんと仲直りしました♪──ので、そろそろ晩ご飯の準備を始めましょう。


「ねぇしゃま? 夜ごはん、何がい~ぃ?」


「…洋食…?」


 先ずは、メニューを決めようと、姉様に食べたい物を聞いてみたら、だいぶ大雑把な答えが返ってきました…。


 洋食…。

 一応4分の1程には、絞れる……かな?

 ざっくり分ければ、基本は和食・洋食・中華・ジャンクフード(?)の4つですしね。

 細かいと和食だけでも、数種類ありますし、洋食だって国別に分けたら、どれだけあるのか…。

 ジャンクフードなんか、「何処の国の料理ですか?」とか、聞きたく成る程様々なのがあるんだよ?

 まぁ、取り敢えず、洋食は決定ですね。


『あ、僕ハンバーグ食べた~い♪』


『ふむ。主食には、米を希望する』


『私は、チーズが食べたいです…』


 おや、もうちょっと絞れそうですね。

 ん~、チーズハンバーグにライスのセット?

 クラウディアに来た初日に食べましたね…。


「おとぉしゃんは?」


「ん? 私かい?

 私は、お腹に貯まるものが良いかな」


 ん~。

 ガッツリお肉系とか?


「おにぃちゃたちは?」


「え!? 僕達!?」


「おっ♪ 俺達もいいのか?

 なら、俺は味の濃いものが食いたいな!

 修行中は、野宿とかも多くて、単純に塩振って焼いた肉や、野草を煮込んだスープばっかしだったからな」


「…そうだね。でも、あれはあれで美味しかったと思うよ?

 まぁ、確かに、手の込んだ手料理が食べられると、それだけで嬉しいのは、否定出来ないけどね」


 家族に聞き終えて、お客様であるエディさんとクリスさんにも聞けば、ちょっと驚かれて「味は濃いめで、手の込んだ物」がリクエストされました。


 手の込んだ物─と言えば、一昨日の夜に作って、寝かせておいたアレがありましたね…。

 何種類ものスパイスを使って、食欲を誘う香りと、複雑な味わいに仕上げたアレなら、“味の濃いもの”としてリクエストに応えられます!

 そう!

 子供に大人気、大人だって大好きな、カレーです♪


「ん~。よしっ! あれ、ちゅくりょう(作ろう)♪」


 結構皆バラバラな意見だったけど、なんとかなりそう。

 そして、私はカレーが食べたいです♪

 た・だ・し!

 アルタイルとシリウスのリクエスト、ハンバーグとチーズを忘れるつもりはありません。

 お父さんもお腹に貯まるものが良いって言ってましたしね♪

 と、いう訳で、今日の晩ご飯は、ちょっと贅沢“ハンバーグカレードリア”に決定~♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ