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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第4章─初めまして! お父さん?
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シリアス展開どこ行った? 初めて聞いたお父さん情報にビックリです。

この章で、家族紹介的な日常は終わります。

終わるはずです…。

が、それにしても、シアお母さんの推奨通り、引き籠りがちなユナちゃんなので、どうなる事でしょう…。


取り敢えず、このまま、ユナちゃん達の日常を覗いてきます。

「「師匠っ!」」


 男の子達の声が、再び誰かを呼びます。

 ししょう?

 …ぁ、師匠か。

 何かの先生が来たのかな?


 レグルスの向こう側とこちら側とで、状況的に大分温度差がありますね。

 ん~、あっち側はどうなったのかな?


「…ユナ、おかわり…は?」


「もらいましゅ。ねぇしゃまの“はなちゃ(花茶)”、おいしぃねぇ~♪」


 姉様が淹れてくれた花茶(味や香り、見た目が華やかなハーブティー)を味わいながら、今の状況を省みます。

 本来なら、こんなに落ち着いてて良い状況じゃ無いはずなのに…。

 リビングデッドが襲って来る様子も無いし。

 辺りに充ちていた臭気は、既に姉様が魔法で散らし済み。

 私達がいる場所は、レグルス達が警戒する前の寛ぎ空間へと、戻っています。


 ───ガンッ。ゴンッ。

 ほのぼのと和んでいた私の耳に、鈍く重い衝撃音が…。


「痛っ!?」「痛ぇっ!?」


 ………。

 なんか凄い音がしましたよ!?

 しかも「痛い」って…。

 え!? もしかして、今の打撃音ですか!?

 お兄さん達、殴られた!?


「な~に~を~やっているのかなぁ?」


 柔らかな口調なのに、言外に怒りを含んだ、意識的に低められた、男性の声が聞こえました。

 随分耳に心地良い、透き通るような音楽的な響きの低音(テノール)ですね。

 お母さんやベル姉様の優しい声(メゾソプラノ)の次に好きかも知れません。


「自分達で対応しきれない魔物に遭遇したら、私の方へ誘導しなさいと教えていたはずですが?」


 丁寧な物言いの割りに、内容はかなり鬼ち…いえ、厳しい(スパルタ式な)御言葉です。


「すみません」「…ゴメン…なさい」


 先生からの叱責? に、男の子達が謝ります。

 1人は間髪入れずに。1人は渋々と。


 ふぇ~、随分厳しい教え方なんですね。

 叱られた生徒さんが、己の非として謝罪するって事は、“普段なら出来ている”事が“出来なかった”と認めた訳ですから。

 というか、師匠さんとやらは、戦い方の先生な訳ですね。


 ふむ。

 ということは、リビングデッドさんは、師匠さんが倒したのかな?

 叱ったり叱られたりなんて、魔物さんの前でするわけ無いですしね。

 いえ、場合によりけりだとは思いますが、戦闘中なら流石にこんなに落ち着いたやり取りは、出来ないと思います。

 繁みから出てくる前の様な、剣戟や荒事特有の音は一切しませんしね。


 それにしても…。

 師匠さんは叱り方が、レグルスに似てますね♪

 訥々と淡々と、相手の悪いところや直すべきところを上げて、正論で真正面から叱る。

 言い訳の前に軽く罰を与えて、あとは反省を促し、必要なら言い訳も聞き入れる。

 うん。

 相手の良心に、チクチクと訴える感じが…。



 *~*~*~*~*



「──て…あれ? この気配…ベル?」


 遠くを見つつ、レグルスに叱られた過去に戦いていたら、師匠さんが姉様の名前を呟きました。

 どうやらお説きょ…いえ、御叱りが終わったみたいですね。


 ん? 知り合いですか?


 横に座った姉様を見上げれば、8歳児とは思えない優雅な所作で、静かにお茶を堪能しています。


「─あ、やっぱり…。ベル♪ 久し振りだねぇ♪」


 サクサクと近付いて来る足音のあと、伏せたレグルスの上から、師匠さんの声が降ってきました。


「…ん。…久し振り…父様(ととさま)…」


 目線を上げて、こちらを覗き込んでいる師匠さんを見て、姉様が応えます。

 …やっぱり、知り合いなんですね。

 トト様? お名前はトトさんというのでしょうか?


 姉様の視線を追って、師匠さんを見上げれば、そこには女性と見紛いそうな程に、整った中性的な美貌の青年。

 年齢的には、お母さんより幾つか歳上かなといった感じだ。

 だけど、何より私を驚かせたのは、人目を惹くその配色だった。


 肩に届く辺りで切り揃えられた、リュニベール姉様と同じ青みを帯びた銀色の髪。

 その髪の左側(対面で見れば右)に、フォーレお姉ちゃんみたいに水色の(色の違う)一房。

 瞳はラメル姉さんと同じ左右色違いで、姉さんの色を反転させた様に、夏の昼時の晴れ渡る空みたいな蒼色と、秋の朝方の陽の光に輝く稲穂の海を思わせる金茶色。


「…ユナ、父様…だよ…」


『ユナ、この方はフェリシア様の御夫君で、【管理者】の御一人でもあります。

 この世界(クラウディア)が出来た要因でもあるそうです』


『ぶっちゃけると~、ラズヴェルト様と想いが通じた時の喜びから~、この世界が出来たんだって~。

 ラブラブだよね~♪』


『フェリシア様を母と慕うなら、ラズヴェルト様が父君と呼ぶに当たる。

 まぁ、嫌なら名前で呼べば良い。

 フェリシア様は、「父と呼べ」と強制したい訳ではないと仰っていらしたし、クラウディアで異性の家族となるのは、ラズヴェルト様御一人だ。

 困惑や羞恥心などもあるだろう? 無理はするな』


 姉様の発言を始めに、師匠さんの情報を、3匹が立て続けに暴露してくれます。


 え…と…。

 トト様じゃ無いのかな?

 ラズヴェルト様?

 じゃあ、「トト様」って?

 ………。

 ……。

 …。

 !? 父様!?

 えっ! えぇっ!?

 師匠さんが、私のお父さん!?


 唐突に与えられた情報に、一瞬混乱しかけたけど、なんとか持ち直す。


 ほえぇ~。

 美形。美形一家だ!?


 お母さんは、妖艶系美女(中身は清楚で可愛らしい感じ)。

 フォーレお姉ちゃんは、天然系美少女(猪突猛進型?)。

 ラメル姉さんは、溌剌系美少女(姉御肌だね)。

 リュニベール姉様は、神秘系美少女(ボクっ子さん)。

 お父さんは、性別不明系の美青年(レグルスに似てるなら、世話好き?)。

 私も、外見だけなら、小動物系美少女(外見だけですが…)ですし。


 あれ?

 外見はお話しするのも緊張しそうな整い方なのに…。

 中身はみんな友好的(フレンドリー)

 うん。

 私の家族は、やっぱり素敵です♪

 勿論、シリウス、レグルス、アルタイルも。

 可愛くて、格好良くて、頼りになる最高の家族です♪

やっと…やっと出た!

勿体付けるな! と、ラズさん(お父さん)を叱りたい。

いや、お姉ちゃん達か?


取り敢えず、この章はもうちょい続きます。

が、その前に。


ごめんなさい! ストックが切れました。

相変わらず7話で切れるストックって…。(泣)

泣いてもいいかなぁ…。(´;ω;`)

チクショウッ! 。・゜゜(ノД`)


また、2週間程ストック作りの為に、お休みします。

「暇潰しになら付き合っても良いかな」という読者様。

「いやいや、割りと好きですよ」と感じてくださる読者様。

「和むなぁ~、私は大好きです」と仰ってくださる貴重な読者様。

少々御待たせしてしまいますが、失礼します。

待っててくださる読者様の為に、峠岬(作者)は脳内探索へと行ってきます!


次回の投稿は、4月30日。

今月最後の日曜日の予定です。

また、お会いしましょう♪

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