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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第4章─初めまして! お父さん?
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状況判断は正確に! ただし、状況とは刻々と移り変わるものなのです…。

すみません。短いです。

その上、少々気分の悪くなりそうな表現があります。

お食事中の方や、寝る前の穏やかな一時を過ごしている方は、タイミングをずらすか、覚悟を決めて(そこまででは無いと思いますが…)読んでいただければと思います。


「読まなくても大丈夫」と言えない、ダメ作者で申し訳無いです。

 ───ガキッ。

 ──キンッ、ザシュッ。


「うわっ、ちょっ!」「──くそっ! この野郎っ」


 ──ガサガサガサッ。

 ─ズザザザザッ。


 私と姉様も、臨戦態勢のレグルス達に促され、荷物を片付けてその場を離れようとした時。

 レグルス達が気にしていた繁みの向こうから、15歳前後の男の子が2人、転がる様に飛び出して来ました。


「って…ぅえぇっ!? 何でこんな所に子供が!?」


「ぅおっ!? 何してんだ! 逃げろ!」


 男の子達は、私達に気付くと、一瞬だけ驚いて、直ぐに行動を呼び掛けます。

 2人とも手に抜き身の剣を握ってますが、意識の大半は彼ら自身の背後へと向けられていますね。


「…必要無い…よ…」


「はぁっ!?」「何言ってるんですかっ!?」


 ベル姉様の返答を、男の子達は頓狂な声で、即座に否定しました。

 驚きの余り、確りと意識を此方に向けた途端、側に居たレグルス達に気付いて、咄嗟に剣を構えようとします。


「…止めて…彼等は味方…。…母の契約獣…心配も…警戒も…いらない…」


 そうです。

 レグルス達は、人を襲ったりなんかしません!

 優しくて、強くて、とっても頼りになる家族です!

 姉様にくっついたまま、剣を向ける男の子達を、表情を消してじっと見つめます。


「わ、悪ぃ…」「すみません…」


 私や姉様の視線に、たじろいだのか男の子達が、剣を下げて謝った。


『どうでも良いが、来たぞ』


『悠長に会話をしている場合では、ありませんよ』


『うわっ、臭っ!? 嫌な臭い~』


 レグルスとシリウスに注意され、アルタイルに指摘されて、男の子達の後ろに意識が向く。

 吐き気を催す程に、濃い臭気が漂い始め、空気が汚染されていく様な気がします。

 固有(ユニーク)技能(スキル)【精霊視】を通して見えていた、色鮮やかな世界が、一瞬にして色褪せ、異様な雰囲気に気持ちが呑み込まれそう。


 家の結界の外には、様々な精霊さんが存在していて、力の弱い下位精霊さんなんかは、自由気ままにあちこちを移動してる。

 高位精霊さんになると、自分の属性に合った、気に入った場所等を守護していたりと、あまり大きく移動はしないみたいだけどね。


 精霊さん達は、自分達の属性の色を仄かに纏っていて、8種類の淡い光が、そこかしこに踊っている様子は、本当に幻想的です。

 ただ、ユニークスキルは、常に発動している状態なので、【精霊視】の効果で見られる精霊さん達の多さは、成長途中の子供の精神には、酷く重い負荷をかけることになる。

 なので、それを緩和するために、家の結界の中には、精霊さんも入れない状態になってるんだって。


 ぁ、あと、お母さんや姉様達と一緒の時は、精霊さん達が神威を感じとって、遠慮してくれてたみたいです。

 勿論、お母さん達に魔法発動のお願いをされれば、嬉々として力を貸してくれてたんだけどね。


 現実逃避で気持ちを立て直し、一斉に散ってしまった精霊さん達を、魔法を発動するために、私や姉様の近くへと呼び寄せます。

 皆に危険が迫る様なら、私だって守ってみせますからね!

 覚悟を決めて、姉様から僅かに離れたとき、姉様の呟きが聞こえました。


「…リビングデッド…所謂…ゾンビか…」


 男の子達を追って、繁みから出てきたのは、確かにアンデッドだった。


 濃い死臭と腐れ落ちる肉片。

 剥き出しの骨や神経、滴り地面を染める赤黒い体液。


 ───っ!

 気絶しそうな程に、血の気が失せるのが分かった。

 咄嗟に姉様にしがみつくだけで、恐慌状態に陥らずに済んだのは、常時発動にしておいた【精神異常耐性】のお陰です。


 人型(ひとがた)の魔物さんを初めて見ました…。

 かなりの衝撃です。






『うわぁ~、腐ってる、腐ってる~』


『…アルタイル』


『ユナ、見なくて良い。まだ幼いお前が見る必要の無いものだ』


 アルタイルが嫌悪感を(あらわ)に、リビングデッドさん? の状態を揶揄し、シリウスがそんなアルタイルの態度に呆れ、レグルスは早々に視線を外して私達の前に陣取り、私や姉様の視界からリビングデッドさんを隠してしまう。


 ………。

 あれ? 討伐するんじゃ…?

 え…と…。お~い。


「…お茶…飲みたいな…」


 姉様までが、私を抱えて元の位置に座り、一度片付けたティーセットを引っ張り出してます…。


「…ユナも…飲む…?」


「ぁい」


 小首を傾げる姉様は愛らしく、唐突な状況の変化に戸惑いつつも、ついつい頷いてしまいましたよ。

 美味しいお茶をいただき、ホッと一息。

 ………。

 何だろうね、この状況。


「「師匠っ!」」


 にゃっ!?


 既に警戒を解いて寛いでいる3匹や、何も無かったかの様な姉様の様子に、疑問を投げ掛ける前に、男の子達が叫びました。

 突然の大声に驚いて、身体に変な力が入った。


 …ょ、良かった。変な声は出なかったよ。

 お兄さん達~、驚かせないでくださいね~。


 とはいえ、男の子達はレグルスの向こう側。

 声以外は、様子が分かりません。


 ───ズンッ。ドサッ。


 何やら重たい物が落ちたような振動と、荷物が崩れた時の様な音が、男の子達の叫びに続きましたよ?

 リビングデッドさんも襲って来ませんし。

 レグルスの向こう側では、何が起こっているのかなぁ。


 はふぅ~。

 お茶が美味しいです。

ってか、いい加減に出て来いや!

お父さ~ん、早く出て来ないと、読者様方にすら忘れられちゃうぞ~。

(ユナちゃんは、忘れてましたしね…)


次こそは、次こそは! と思いつつ、中々お父さんが出せません。

もう少しお待ちください。

そして、忘れないであげてください。(笑)

お願いします。

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