ステータスが、チートです…。とりあえず、持ち物確認します!
やっと始まりました。本編です!
ユナちゃんの性格が……。
ステータスが……。
※ 3歳児なので、お喋りの時の言葉が、ひらがな表記多めです。
読みにくいかも。
(……温かい……)
ぽかぽかした温かい何かが、太腿の上に在るみたい……。
ん~。起きなきゃ駄目かなぁ。気持ちいいから、もうちょっとだけ、うとうとしてたいなぁ。
そう言えば、私いつの間に寝ちゃったんだっけ?
え~と。確か………。
「───っ。そうだった!」
眠る前の事を思い出して、勢い良く目を開けた。反射で上半身が、身体を預けていた場所から浮く。
暖かな陽射しも、閉じていた目には優しくない。視界一杯に光が満ちて、世界が白色に染まる。
何度か瞬く事で、視界を取り戻し、辺りを見回して、現状を確認する。
「きれい………」
どうやら私は、大きな樹に上体を預け、脚を前方に投げ出した体勢で、眠って居たようだ。
お母さんが言っていた通り、目の前には花畑に囲まれた広大な湖。
湖の向こうにも、奥の見えない森が広がっているみたい。
あの森の何処かに、まだ会ったことの無い、沢山の種族が暮らしているんだろう。
晴れ渡った空の蒼と、それを写しながらも透明感のある湖の碧。
森はまだ若い鮮やかな緑で、青の景色に色を添え、1枚の絵画の様な風景が、目の前にあった。
「ぁ、ごめんね。きみも、おこしちゃった… 『おはよう~。ユナ~』 って、もしかして、アルタイル? 」
太腿の上で動く気配に、視線を落とせば、そこには小鳥が丸まって居た。
そっと背中を撫でたら、頭に声が聞こえた。
丸まって寝てたのは、契約獣の【天鷹】アルタイルだったみたいだ。
縮小化した、愛らしい小鳥みたいな姿は、初めて見たから、気が付かなかった。
首だけ上げて、私の様子を、不思議そうに伺うアルタイルに、苦笑しながら謝った。
太腿の上の温もりが、可愛過ぎるのがいけないと思う。
あちこちで重なる様に、小鳥の声が聴こえる。
音楽の様な自然の音に、目を閉じて耳を澄ませば、水面を渡る風が、花の香りを纏いながら、木々の葉を揺らしていく。
以前より、五感全てが、鋭敏になっている気がする。身体の全部を使って、世界の全てを感じ取ろうとしているみたいだ。
ふと、脚にかかる重さが増えた。
再び目を開けて、視線を落とせば、右側から子犬みたいな【天狼】シリウスが、前肢だけで、乗し掛かる様にして、私を見上げていた。
左側からは、仔猫みたいな【天虎】レグルスが、顎を私の脚に乗せつつ、眼だけで様子を伺って居た。
1番軽いアルタイルは、毛玉の如く丸まって、すでに寝直し体勢だ。
とうとう、クラウディアに来た!
お母さんが創った世界は、自然豊かな綺麗な所だ♪
もちろん、世界が神様の感情そのものである以上、汚なかったり、怖かったりするところも、きっとある。
それでも、心に残すのは、綺麗だったり、楽しいものがいい。
これから、生きていく中で、たくさんの綺麗なものを見つけよう♪
お母さんに報告するのが、楽しみになるように。
あ、それよりも、まずは生活拠点を作らなきゃ!
お日様の位置から推測すると、今はお昼時をちょっと過ぎたくらい。
場所は、森の半ば。街道からは少し外れた、湖の近く。
此処だけ、森をくり貫いた見たいに、湖の上には木々は無い。
それはつまり、上空からは丸見えだし、森から水を飲みに来る、動物たちにも警戒される。
襲われるとは、思わないけど、用心するのは当たり前!
3匹が一緒だし、時間もあるけど、日が暮れてからじゃ、危ないからね。
落ち着いて夜を過ごせる場所は、とっても大事だと思います!
お母さんが準備してくれた、魔道具ってどんなのだろう?
あ、その前に、ステータスも確認しとこう♪
(ステータスオープン…。)
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名前:ユナ
種族:人族(?)
年齢:3歳
職業:─
魔力適性:全属性
技能:主婦/職人/採集/解析/獣契約/状態異常耐性/精神異常耐性/浄化/製菓/遠視/暗視/投擲
固有技能:世界言語理解/環境適応/攻撃無効/無限収納/神託/精霊視
契約獣:天狼【シリウス】/天虎【レグルス】/天鷹【アルタイル】
加護:主神フェリシアの加護
称号:異世界転移者/女神の愛娘/世界の愛し子
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ん? あれ? 称号が、増えてる?
世界の愛し子って、何?
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【世界の愛し子】 称号
自然界にある、総ての命に好まれる。
生き物総てに、慕われ易くなる。
魔素によって、歪んでしまった命である魔獣は、これに含まれない。
世界に願う事で、魔獣に救いを与える事が出来る。
世界を創りし、主神フェリシアが願い、世界に受け入れられた存在。
備考:世界が救いの手を差し伸べるのは、命が尽きた後だけ。
その為、外れてしまった輪廻の輪に、戻す程度の事しか出来ない。
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ふぇっ!?
ぁ、スキル【解析】が働いたのか……。
ステータスウィンドウの上に、いきなり小さいウィンドウが出てきたから、びっくりした~。
ん~。え~と。つまり、お母さんが私が危ない目に会わないように、世界にお願いしてくれたから、称号が増えた? のかな?
む~。よく分かんない。後で、お母さんに確認しよう。
お家を準備出来れば、ユニークスキル【神託】で、お話出来る筈だもん。
さてと、まずは魔道具探しだね♪
どんなお家になるのでしょう♪
取り敢えず3匹には、脚の上から退いてもらって、まずは拠点を作ります!
*~*~*~*~*
「ん~。おかあさんが、魔道具よういしてくれたって言ってたけど…」
立ち上がって、辺りを見回すと、きちんとお座りしているシリウスの側に、小さなリュックがあった。
「シリウス、そのリュックが、おかあさんの言ってた魔道具?」
『はい。その内の1つ、魔導鞄です。時魔法と空間魔法が付与されていて、中に入れた物の現状が維持され、見た目以上の大容量が収納出来ます』
「よしっ! リュックの中、かくにんしよう!」
『それが良いですね。』
シリウスが、リュックを啣えて、差し出してくれた。
ちゃんと受け取って、よく見てみれば、桜色のリュックは、小さめで可愛らしい。
3歳児である、今の私に合わせたサイズで、私の頭より一回り程小さい。背負っても、背中が半分隠れる程度の大きさだ。
前の世界だと、ハンカチ・ティッシュ・お財布、お菓子なんかを入れれば、パンパンになっちゃう大きさだよね。
再び大木の根元に座って、リュックの中身を、1つずつ取り出して確認する。
容量は、10種類までで固定。
1種類事に5個まで入るみたい。
ただし、重さは限界が無い。
*~*~*~*~*
まずは、お財布。
私の頭より、一回り程大きい“巾着”が出てきた。
口を開けてみれば、中には色違いの紐がついた3つの袋。
1つ引っ張り出して確認したら、金貨がいっぱい…。
一瞬思考が停止したけど、見なかった事にして、巾着に戻し、口を絞め直した。
次は、水筒が5本。
これは、魔道具だった。
2つは藍色で、1回魔力を込めておけば、1日中清潔な飲料水が、随時補充される。
残りの3つは茜色で、中に入れた液体の温度を、保ったままに出来、こちらも1日1回魔力を込めるだけで、随時補充効果あり。
中身は、温めた牛乳と紅茶、珈琲の3種類あった。
それから、焼き菓子でいっぱいの籠が5つと、ドライフルーツが詰まった透明な瓶が5種類。
焼き菓子もドライフルーツも、種類が違っても、“焼き菓子の入った籠”と“ドライフルーツの入った瓶”で、それぞれ1種類に分類されてた。
これは、緊急時の保存食代わりと、“おやつ”らしい。
ちっちゃい子って、身体に比例して胃も小さいのに、運動量が多いから、直ぐお腹が空くよね。
焼き菓子を摘まみ、お茶をしつつ、確認の続き。
勿論、3匹にも、お菓子を進呈しています。
他には、可愛い洋服5着と、タオルが大小5枚ずつ。
うん。汚れた時の着替え用だね。
タオルは、大小別々で分類されてる…。何故? 分類基準が謎である。
ぁ、外套まで、5着入ってる。
ん? 小型ナイフもある…。折り畳み式だ…。
これは、1本だけだけど…。
え? 何に使うの?
最後は、かなり細かく作り込まれた、掌サイズのお家のミニチュア。これも、5種類。
ツリーハウスや、ログハウス、カントリーハウスに、お洒落で可愛い戸建てのお家。3階建てプラスアルファの御屋敷まであった。
これは…なんだろう?
*~*~*~*~*
「おかあさん、いっぱいよういしてくれたんだねぇ」
“お子様お出掛けセット”ともいえそうな品揃えに、お母さんの優しさを感じて、じんわり喜びに浸る。
『浸ってる場合か? 日が暮れる前に、住む場所を作ってしまえ』
出して並べた荷物を見て、ニコニコしてたら、レグルスに諫められた。
「っと、そだそだ。おうちを作らなきゃ!」
『呑気な事だな』
苦笑する様な素振りで、レグルスがちょっとした意地悪を言う。
やっぱり、レグルスって、ツンデレ系?
『このちっこい家が、フェリシア様が言ってた、家を作る魔道具の筈だよ♪』
じっ~と、レグルスを見てたら、アルタイルがお家のミニチュアを、嘴の先に啣えて、渡してくれた。
「ん。どうすればいいのかな?」
ログハウスのミニチュアを、手に持ってみると、水筒の時と同じ様に、スキル【解析】が働いた。
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【大草原の小さなお家】 魔道具 耐久値:500
魔道具【私のお城シリーズ】の1つ。
実際の大きさで造られた家を、家具家電(魔道具?)付きで、縮小してある。
インテリアは、任意で変更可能。
環境適応機能、空間拡張機能があり、常に快適な空間を維持し、外観からは推測不可能な広さがある。
自動修復機能、状態維持機能もある為、年月を経ても、朽ちる事がない。
敷地を指定する事で、防御結界の展開も可能。ただし、敷地指定の為の柵(魔道具)は、別売り。
防犯機能あり。
使用方法:開けた場所に置き、魔法解除を行うだけ。再び縮小する場合は、玄関前にある魔石に、所有者の魔力を流してください。
所有者:ユナ
備考:高額商品の為、あまり出回らない。女神フェリシアの加護により、害意あるもの、害意を抱きかねないものは、訪れる事が出来ない。防犯効果上昇[×10]
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………………。
えぇ─────っ。
「おかあさん…。こんなすごい魔道具って、3さいじにあげちゃダメな気がするよぅ~」
『構わんだろう? フェリシア様のご好意なのだから、遠慮せず受け取っておけ』
「だってぇ~。ただでさえ、こうがくな【私のお城シリーズ】が、5こもあるよ~」
『今はまだ“無用の長物”かも知れませんが、これからユナ様が大きくなられて、旅をするような事があれば、大いに活用出来ます。フェリシア様の親心だと思って、貰っておいては如何ですか?』
「いいのかなぁ~」
『大丈夫、大丈夫。親から譲り受けた事にすれば、問題無いって♪』
「ん~。よしっ! せっかく、おかあさんが、じゅんびしてくれたんだもんね! うん。だいじにつかえば、いいんだよね!」
気持ちを無理矢理切り替えて、お母さんの好意に甘えておこう!