お姉ちゃん達のいる生活♪ 嬉しい、楽しい、頼もしい!
ちょっと…進んだ?
いや、相変わらず、ゆったり、のんびりなユナちゃん達です。
お~。
今日もいい天気~♪
お姉ちゃん達に会えた日から、7日目の今日はお日様が燦々と輝く晴天です♪
あの日の翌日は…。
朝起きても隣にいたラメル姉さんに嬉しさを感じて、逆側にいたはずのフォーレお姉ちゃんがいないことに、少しだけ落ち込んだ。
お姉ちゃんの代わりみたいに、枕の上にそっと置かれた女神像“フォルお姉ちゃんバージョン”を見付けて、何とか浮上したりと、気持ちの浮き沈みが、朝から激しかった。
午前中は皆で家事をして、畑や薬草園の様子を見て、午後は姉さんの提案で、結界の外を少しだけ見て回った。
姉さんが居てくれた1週間は、家の周辺の探索で充実してました。
湖にボートを浮かべて、湖に住む高位精霊さんに挨拶をしたり。
雨の日は、書庫から持ち出した冒険譚を、魔法の水人形の寸劇付きで朗読してくれたり。
河まで出掛けて、釣りも教えてもらった。
最後の日の朝に、リュニベール姉様が“転移体憑依”で戻ってきて、髪や瞳の色が違う事に驚いたり。
お仕事に戻らなきゃいけない姉さんを見送った日の夜には、ベル姉様に夜空の散歩に連れ出されたり。
姉様は姉様で、一生懸命寂しくさせまいと、ちょっとした遠出だと、ドラグーン山脈に居た風の古代竜さんに紹介されたり。
再び雨が降った昨日は、【無限収納】にあった金属を使って、繊細な飾り細工を教えてくれました。
なので、今日まで割りと濃密な時間を過ごして、クラウディアを満喫している私です!
「は・れ・た~!」
「ん。晴れたね…。ユナが元気だ…。」
青空に両手を突き出して、元気いっぱいに叫んだ私を、ベル姉様がクスクス笑いながら見守ってくれてます。
『叫ぶのは良いが、そのまま転けるなよ?』
『さぁ。ユナ、今日の家事は終わってますから、出掛けましょうか』
『今日は~、ボルヴァルディの森だっけ~?』
レグルスが意地悪な注意をくれて、シリウスが背中を鼻先で支えつつ出発を促します。
アルタイルが予定を思い出して、確認のために空からレグルスの頭に降り立ちました。
ぁ、レグルスが頭を振って、振り落とそうとしてる…。
頭に爪を立てられて痛くない…の…かな…?
アルタイルは楽しそうだし……。
……まぁ、いいか。
「うん。ねぇしゃまがつりぇてってくれるって。
あぶにゃいから、みんなで行こうって!」
「ん。…ドラグーン山脈と違って…ボルヴァルディの森は…結構危険…。
…けど…魔物のことも…ちゃんと知ってた方が…良い…。
…ぼくが居る時…の方が、危険度が…低い…」
『あ~、確かに~。リュニベール様は、安寧と運命を司ってるもんね~』
『魔物の繁殖率や出現率は、魔素濃度に関係していたな…』
『はい。魔素濃度の調整は、古代竜達の領域ですから、彼らの主たるリュニベール様がいらっしゃれば、危険は回避可能ですね』
ちょっと危険な外出も、姉様達と一緒なら、怖さよりも楽しさが勝ります。
クラウディアでは、命の危険がすぐ側にあって、“生きること”と“死ぬこと”が隣り合わせに存在する。
だからこそ、多少の危険は承知の上で、何が命取りになるのかを、生きることの先達である大人達が、率先して教えてるのです。
姉様は8歳くらいの子供の器に憑依してる訳だけど、正確には数億年単位の精神体(生命体?)だそうなので、大人役が出来るからと、魔法で安全を確保しての、実地勉強会ということになりました。
女神様は、クラウディアって世界が生まれた少し後に、創造神であるフェリシア様が創り出した存在だもんね。
一緒なら、危険度なんてゼロに近い。
「…何かあっても…ユナは、ぼくが守るよ…」
姉様の青みを帯びた銀色の(実体化の時は青黒色だった)髪が、風を孕んでさらりと揺れた。
優しい暖かさを湛えた藤色の(実体化の時は銀緑色だった)瞳が、愛しそうに私を見つめる。
女神様は、神域に於いての精神体と、顕現時の姿と、憑依に使う転移体とで、髪や瞳の色だけじゃなく、姿形さえ違えられるんだって。
本来の姿は、神域に居る時の精神体の色形。
顕現時は、色味が濃くなって、力の圧縮加減で姿形の年齢が変わる。
転移体は、創り手によって様々。
お母さんが用意した転移体は、お母さんが使っている転移体の娘として(結婚や出産を最速で行えば)可笑しくない年頃で、私との年の差(5歳差)で周りに大人ぶれるギリギリくらいの姿。
髪と瞳は、親子証明のために、お母さんと“お父さん”の色に合わせてあるんだって。
……ぁ、そういえば…お父さんもいる…んですよね。
まだ会ったことが無い上に、お母さんもお姉ちゃん達も何も言わないので、なんとなく聞き逃してました…。
まぁ、それはそれとして…。
うにゃ~。
姉様みたいな美少女に、面と向かって「自分が守る」なんて言われたら、照れてしまうのです~。
お顔が真っ赤になりそうだけど、嬉しい事には変わりません。
う~。口許が緩みます…。
我慢するより、感情に委せて笑ってしまいましょう!
へにゃっとしてるかもだけど、嬉しいって気持ちは伝わるはずです。
「…やっぱり…ユナは、可愛い…♪」
姉様に褒められて赤面しつつ、ボルヴァルディの森に向けて、出発です!
*~*~*~*~*
「…で、これが──」
魔法で姿と気配、匂いなんかを隠蔽して、ボルヴァルディの森に生息する、高位ランクに位置付けされる魔物を、1匹ずつ割りと近くで観察します。
………。
姉様? 魔物さんに手が届きそうなのですが…。
というか、姉様は既に魔物さんの上ですね…。
接触はせずに魔物さんの頭上に、魔法でふわふわ浮いてます。腹這い(俯せ?)で。
私にも手招きしてます…ね。
行かなきゃ駄目かな……駄目ですね。
こんなに近付いて大丈夫なのかな…。
いや、魔物さんは、全然気付いてないけどね?
取り敢えず、お勉強に集中しましょう。
章タイトルは、詐欺ですか?
ユナちゃんが酷い。
お父さ~ん、頑張って~。
次の投稿で、お父さんが出せると良いなぁ。
遠くを見つつ、影の薄いお父さんを思う作者です。
少々体調不良気味なので、投稿が遅れるかも知れません。
ストックが切れるのが先か…。
峠岬(作者)のダウンが先か…。
頑張って、投稿を続けます。
体調不良に負けてたまるか~!