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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第4章─初めまして! お父さん?
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お姉ちゃん達のいる生活♪ 嬉しい、楽しい、頼もしい!

ちょっと…進んだ?

いや、相変わらず、ゆったり、のんびりなユナちゃん達です。


 お~。

 今日もいい天気~♪


 お姉ちゃん達に会えた日から、7日目の今日はお日様が燦々と輝く晴天です♪


 あの日の翌日は…。

 朝起きても隣にいたラメル姉さんに嬉しさを感じて、逆側にいたはずのフォーレお姉ちゃんがいないことに、少しだけ落ち込んだ。

 お姉ちゃんの代わりみたいに、枕の上にそっと置かれた女神像“フォルお姉ちゃんバージョン”を見付けて、何とか浮上したりと、気持ちの浮き沈みが、朝から激しかった。


 午前中は皆で家事をして、畑や薬草園の様子を見て、午後は姉さんの提案で、結界の外を少しだけ見て回った。


 姉さんが居てくれた1週間は、家の周辺の探索で充実してました。

 湖にボートを浮かべて、湖に住む高位精霊さんに挨拶をしたり。

 雨の日は、書庫から持ち出した冒険譚を、魔法の水人形の寸劇付きで朗読してくれたり。

 河まで出掛けて、釣りも教えてもらった。


 最後の日の朝に、リュニベール姉様が“転移体憑依”で戻ってきて、髪や瞳の色が違う事に驚いたり。

 お仕事に戻らなきゃいけない姉さんを見送った日の夜には、ベル姉様に夜空の散歩に連れ出されたり。

 姉様は姉様で、一生懸命寂しくさせまいと、ちょっとした遠出だと、ドラグーン山脈に居た風の古代竜エンシェント・ドラゴンさんに紹介されたり。

 再び雨が降った昨日は、【無限収納】にあった金属を使って、繊細な飾り細工を教えてくれました。

 なので、今日まで割りと濃密な時間を過ごして、クラウディアを満喫している私です!


「は・れ・た~!」


「ん。晴れたね…。ユナが元気だ…。」


 青空に両手を突き出して、元気いっぱいに叫んだ私を、ベル姉様がクスクス笑いながら見守ってくれてます。


『叫ぶのは良いが、そのまま転けるなよ?』


『さぁ。ユナ、今日の家事は終わってますから、出掛けましょうか』


『今日は~、ボルヴァルディの森だっけ~?』


 レグルスが意地悪な注意をくれて、シリウスが背中を鼻先で支えつつ出発を促します。

 アルタイルが予定を思い出して、確認のために空からレグルスの頭に降り立ちました。


 ぁ、レグルスが頭を振って、振り落とそうとしてる…。

 頭に爪を立てられて痛くない…の…かな…?

 アルタイルは楽しそうだし……。

 ……まぁ、いいか。


「うん。ねぇしゃまがつりぇて(連れて)ってくれるって。

 あぶにゃいから、みんなで行こうって!」


「ん。…ドラグーン山脈と違って…ボルヴァルディの森は…結構危険…。

 …けど…魔物のことも…ちゃんと知ってた方が…良い…。

 …ぼくが居る時…の方が、危険度が…低い…」


『あ~、確かに~。リュニベール様は、安寧と運命を司ってるもんね~』


『魔物の繁殖率や出現率は、魔素濃度に関係していたな…』


『はい。魔素濃度の調整は、古代竜達の領域ですから、彼らの(あるじ)たるリュニベール様がいらっしゃれば、危険は回避可能ですね』


 ちょっと危険な外出も、姉様達と一緒なら、怖さよりも楽しさが勝ります。

 クラウディアでは、命の危険がすぐ側にあって、“生きること”と“死ぬこと”が隣り合わせに存在する。

 だからこそ、多少の危険は承知の上で、何が命取りになるのかを、生きることの先達である大人達が、率先して教えてるのです。


 姉様は8歳くらいの子供の器に憑依してる訳だけど、正確には数億年単位の精神体(生命体?)だそうなので、大人役が出来るからと、魔法で安全を確保しての、実地勉強会ということになりました。

 女神様は、クラウディアって世界が生まれた少し後に、創造神であるフェリシア様(お母さん)が創り出した存在だもんね。

 一緒なら、危険度なんてゼロに近い。


「…何かあっても…ユナは、ぼくが守るよ…」


 姉様の青みを帯びた銀色の(実体化の時は青黒色だった)髪が、風を孕んでさらりと揺れた。

 優しい暖かさを湛えた藤色の(実体化の時は銀緑色だった)瞳が、愛しそうに私を見つめる。


 女神様は、神域に於いての精神体と、顕現時の姿と、憑依に使う転移体とで、髪や瞳の色だけじゃなく、姿形さえ違えられるんだって。


 本来の姿は、神域に居る時の精神体の色形。

 顕現時は、色味が濃くなって、力の圧縮加減で姿形の年齢が変わる。

 転移体は、創り手によって様々。


 お母さんが用意した転移体(うつわ)は、お母さんが使っている転移体の娘として(結婚や出産を最速で行えば)可笑しくない年頃で、私との年の差(5歳差)で周りに大人ぶれるギリギリくらいの姿。

 髪と瞳は、親子証明のために、お母さんと“お父さん”の色に合わせてあるんだって。


 ……ぁ、そういえば…お父さんもいる…んですよね。

 まだ会ったことが無い上に、お母さんもお姉ちゃん達も何も言わないので、なんとなく聞き逃してました…。


 まぁ、それはそれとして…。


 うにゃ~。

 姉様みたいな美少女に、面と向かって「自分が守る」なんて言われたら、照れてしまうのです~。

 お顔が真っ赤になりそうだけど、嬉しい事には変わりません。

 う~。口許が緩みます…。

 我慢するより、感情に委せて笑ってしまいましょう!

 へにゃっとしてるかもだけど、嬉しいって気持ちは伝わるはずです。


「…やっぱり…ユナは、可愛い…♪」


 姉様に褒められて赤面しつつ、ボルヴァルディの森に向けて、出発です!



 *~*~*~*~*



「…で、これが──」


 魔法で姿と気配、匂いなんかを隠蔽して、ボルヴァルディの森に生息する、高位ランクに位置付けされる魔物を、1匹ずつ割りと近くで観察します。


 ………。

 姉様? 魔物さんに手が届きそうなのですが…。

 というか、姉様は既に魔物さんの上ですね…。

 接触はせずに魔物さんの頭上に、魔法でふわふわ浮いてます。腹這い((うつぶ)せ?)で。

 私にも手招きしてます…ね。

 行かなきゃ駄目かな……駄目ですね。

 こんなに近付いて大丈夫なのかな…。

 いや、魔物さんは、全然気付いてないけどね?


 取り敢えず、お勉強に集中しましょう。

章タイトルは、詐欺ですか?

ユナちゃんが酷い。

お父さ~ん、頑張って~。


次の投稿で、お父さんが出せると良いなぁ。

遠くを見つつ、影の薄いお父さんを思う作者です。


少々体調不良気味なので、投稿が遅れるかも知れません。

ストックが切れるのが先か…。

峠岬(作者)のダウンが先か…。

頑張って、投稿を続けます。

体調不良に負けてたまるか~!

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