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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第3章─びっくりがいっぱい! 私の家族は楽しいです♪
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落ち込む私と、大好きな家族。お休み前のお約束は、今日も幸せ感謝です♪

 ただ今私は、お風呂から上がって(助けられて?)、逆上せ解消のために、横になったまま甲斐甲斐しくお世話をされてます。


 フォーレお姉ちゃんに、「水分を補給しなきゃ」と、背中を支えられてお水を飲まされ。

 ラメル姉さんに、「身体に籠った熱を下げなきゃな」と、脇や足の付け根や首などに冷やしたタオルを当てられ。

 レグルスは、『多少はましになるやも知れん』と、魔法で身体の周りに弱い冷気の滞留を作ってくれ。

 シリウスは、『髪が濡れたままでは風邪を引きますよ』と、暖め過ぎない様に調節した温風で髪を乾かしてくれ。

 最終的にアルタイルが、『これだとちょっと暑いかもよ~』と、用意していた着替えを薄手の物に変えてくれました。


 至れり尽くせりです…。


 逆上せが解消され、落ち着いた所で、改めて皆に謝りました。


「ねぇね、ねぇしゃん、シリウしゅ()、レグりゅしゅ(・・)、アりゅ()タイ()

 ごめんにゃしゃい」


 あぅ~。

 呂律が回らない…。

 噛み噛みだけど、気持ちは伝わったかな…。

 自分のいたらなさが悔しい。

 気持ちが落ち込んでるせいで、俯いちゃう…。


(ダメダメ過ぎるよ…。嫌われちゃうかな…やだよぅ…)


 落ち込み過ぎて、涙が浮かぶ。

 視界がぼやけて、泣きそうだ。

 こんな状態で泣いたら、余計に困らせる。

 泣くな! 堪えろ!

 自分に言い聞かせるけど、3歳児の身体は正直だ。

 気持ちを引っ張って、泣けと促す。


『─ユナ、顔を上げろ。泣くことは無い。

 未だ小さな幼児(おさなご)の身体だ。

 自己管理が行き届かないのは、仕方の無いことだ』


『レグルスの言うとおりです。

 ユナはこの世界(クラウディア)に生まれて、まだ3日程しか経っていません。

 慣れぬ内は、気に掛けて守るのが家族なのだと、フェリシア様が仰ってお出ででしたよ』


『そうだよ~。フェリシア様は近くに居られないからって~、すっごく心配してらしたよ~。

 ユナだって~、家族はお互い支え合う存在(もの)だって~、僕達に教えてくれたでしょ~?』


「う~。びっくりしゃしぇて、ごめんにゃしゃい~。

 もっと気ょうつけりゅ~。

 しんぱいしてくりぇて、あいがと~」


 ぼろぼろと落ちてくる涙を、手の甲で拭いながら、皆に謝罪と感謝を一生懸命伝えます。

 驚かせた事は、本当に申し訳無かったけど、心配して貰えたのは嬉しかったもん。


「よしよし。体力が回復してないから、余計に疲れるかも知れんけど、泣くだけ泣いてしまえ。

 お子様の内は、身体が欲するままに、感情的でも赦されるもんだ。

 成人するまでは、いっぱい甘えとけ」


「そうよ~♪ ユナが甘えてくれなくても、私達は甘やかす気満々なんですからね~♪

 あらら、擦っちゃ駄目よ~。おめめが真っ赤~」


 ラメル姉さんが頭を撫でてくれて、フォーレお姉ちゃんがタオルで涙を拭ってくれた。

 シリウス達も、お姉ちゃん達も、何でこんなに優しいのかな…。

 大好きだ~。

 涙は止まらないけど、何だかホッとして、へにゃっと力の抜けた泣き笑いになっちゃった。

 皆はちょっと驚いて、それから優しく笑ってくれました。



 *~*~*~*~*



『お母さぁ~ん』


『ユナ~、大丈夫だった!? 身体は辛くない!?』


 お休み前のお約束。

 お母さんとのお喋りの為に、お祈りの姿勢をとって、呼び掛けた途端に、お母さんに心配されました。


『“窓”を見てみたら、ユナがぐったりしてて─』


 元気にしているかと、様子を見てみたら、私が逆上せて介護されてるシーンだったらしい。

 お母さんまで驚かせちゃったんだ…。


『びっくりさせて、ごめんなさい。

 今日は朝からお姉ちゃん達に会えたから、嬉しすぎて心に身体が追い付かなかったみたい。

 お風呂で逆上せちゃったんだって』


 お母さんは、きちんと説明して、大丈夫だと伝えたら、安心出来たのか、『良かった…』って呟いてた。


『気を付けなきゃ駄目よ?

 ユナに何かあったら、新しい世界が生まれちゃうかも知れないから…。

 本当に気を付けてね?』


『うん。気を付ける。

 お姉ちゃん達とも約束したよ。

 私が怪我したり、病気になったりしたら、心配しすぎて、お仕事どころじゃ無くなっちゃうから、無茶しちゃ駄目って言われたの』


 うん。

 私のせいで、世界規模の大異変が起こったりしたら大変だもんね。

 本当に気を付けなきゃ。


『そうね。私もリュニベール達も、ユナが大好きよ。

 だから、心配で仕方無いのよね。

 ユナは、前の時“無茶や無理が当たり前”だったみたいだから、余計にね…』


 確かに。

 私は、前の世界で無茶や無理を繰り返してた。

 そうしなきゃいけない理由もあったから…。

 でも、今は。


『大丈夫。無茶や無理をしそうな時は、レグルス達が止めるって言ってくれたもん。

 私もちゃんと気を付けるし。

 前は、無茶でも無理でもやらなきゃ駄目だったけど、クラウディアでなら、皆が一緒だから大丈夫だよ』


 ちょっとだけ考える様な沈黙を挟んで、お母さんは苦笑したみたいだった。


『分かったわ。信用します。

 ぁ、でも、良かったら後でリュニベールにも声を聞かせてあげて?

 ユナが大変な時に、傍に行けなかったって落ち込んでるのよ。

 ほんの少しでもお話が出来れば、元気になると思うから』


 リュニベール姉様も!?

 ぅわ~ん。

 みんな驚かせちゃったのか~。

 本当にごめんなさい~。


 お母さんに今日あった嬉しかったことや、楽しかったことを報告して、おやすみなさいを告げて、リュニベール姉様にも声を掛けた。

 専用でお話し出来る様に、いってらっしゃいの前に、ちっちゃい版の女神像“ベル姉様バージョン”を貰ってたんだ♪


 お母さんやベル姉様とのお喋りを終えて、ベッドに潜り込む。

 今日は、フォルお姉ちゃんとラル姉さんが一緒♪

 ベッドの下には、シリウスとレグルス。

 横のチェストの上には、アルタイル。

 私を挟む様にして、右にラル姉さん。左にフォルお姉ちゃん。

 みんな一緒だ♪


 おやすみなさい。

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