落ち込む私と、大好きな家族。お休み前のお約束は、今日も幸せ感謝です♪
ただ今私は、お風呂から上がって(助けられて?)、逆上せ解消のために、横になったまま甲斐甲斐しくお世話をされてます。
フォーレお姉ちゃんに、「水分を補給しなきゃ」と、背中を支えられてお水を飲まされ。
ラメル姉さんに、「身体に籠った熱を下げなきゃな」と、脇や足の付け根や首などに冷やしたタオルを当てられ。
レグルスは、『多少はましになるやも知れん』と、魔法で身体の周りに弱い冷気の滞留を作ってくれ。
シリウスは、『髪が濡れたままでは風邪を引きますよ』と、暖め過ぎない様に調節した温風で髪を乾かしてくれ。
最終的にアルタイルが、『これだとちょっと暑いかもよ~』と、用意していた着替えを薄手の物に変えてくれました。
至れり尽くせりです…。
逆上せが解消され、落ち着いた所で、改めて皆に謝りました。
「ねぇね、ねぇしゃん、シリウしゅ、レグりゅしゅ、アりゅタイゆ。
ごめんにゃしゃい」
あぅ~。
呂律が回らない…。
噛み噛みだけど、気持ちは伝わったかな…。
自分のいたらなさが悔しい。
気持ちが落ち込んでるせいで、俯いちゃう…。
(ダメダメ過ぎるよ…。嫌われちゃうかな…やだよぅ…)
落ち込み過ぎて、涙が浮かぶ。
視界がぼやけて、泣きそうだ。
こんな状態で泣いたら、余計に困らせる。
泣くな! 堪えろ!
自分に言い聞かせるけど、3歳児の身体は正直だ。
気持ちを引っ張って、泣けと促す。
『─ユナ、顔を上げろ。泣くことは無い。
未だ小さな幼児の身体だ。
自己管理が行き届かないのは、仕方の無いことだ』
『レグルスの言うとおりです。
ユナはこの世界に生まれて、まだ3日程しか経っていません。
慣れぬ内は、気に掛けて守るのが家族なのだと、フェリシア様が仰ってお出ででしたよ』
『そうだよ~。フェリシア様は近くに居られないからって~、すっごく心配してらしたよ~。
ユナだって~、家族はお互い支え合う存在だって~、僕達に教えてくれたでしょ~?』
「う~。びっくりしゃしぇて、ごめんにゃしゃい~。
もっと気ょうつけりゅ~。
しんぱいしてくりぇて、あいがと~」
ぼろぼろと落ちてくる涙を、手の甲で拭いながら、皆に謝罪と感謝を一生懸命伝えます。
驚かせた事は、本当に申し訳無かったけど、心配して貰えたのは嬉しかったもん。
「よしよし。体力が回復してないから、余計に疲れるかも知れんけど、泣くだけ泣いてしまえ。
お子様の内は、身体が欲するままに、感情的でも赦されるもんだ。
成人するまでは、いっぱい甘えとけ」
「そうよ~♪ ユナが甘えてくれなくても、私達は甘やかす気満々なんですからね~♪
あらら、擦っちゃ駄目よ~。おめめが真っ赤~」
ラメル姉さんが頭を撫でてくれて、フォーレお姉ちゃんがタオルで涙を拭ってくれた。
シリウス達も、お姉ちゃん達も、何でこんなに優しいのかな…。
大好きだ~。
涙は止まらないけど、何だかホッとして、へにゃっと力の抜けた泣き笑いになっちゃった。
皆はちょっと驚いて、それから優しく笑ってくれました。
*~*~*~*~*
『お母さぁ~ん』
『ユナ~、大丈夫だった!? 身体は辛くない!?』
お休み前のお約束。
お母さんとのお喋りの為に、お祈りの姿勢をとって、呼び掛けた途端に、お母さんに心配されました。
『“窓”を見てみたら、ユナがぐったりしてて─』
元気にしているかと、様子を見てみたら、私が逆上せて介護されてるシーンだったらしい。
お母さんまで驚かせちゃったんだ…。
『びっくりさせて、ごめんなさい。
今日は朝からお姉ちゃん達に会えたから、嬉しすぎて心に身体が追い付かなかったみたい。
お風呂で逆上せちゃったんだって』
お母さんは、きちんと説明して、大丈夫だと伝えたら、安心出来たのか、『良かった…』って呟いてた。
『気を付けなきゃ駄目よ?
ユナに何かあったら、新しい世界が生まれちゃうかも知れないから…。
本当に気を付けてね?』
『うん。気を付ける。
お姉ちゃん達とも約束したよ。
私が怪我したり、病気になったりしたら、心配しすぎて、お仕事どころじゃ無くなっちゃうから、無茶しちゃ駄目って言われたの』
うん。
私のせいで、世界規模の大異変が起こったりしたら大変だもんね。
本当に気を付けなきゃ。
『そうね。私もリュニベール達も、ユナが大好きよ。
だから、心配で仕方無いのよね。
ユナは、前の時“無茶や無理が当たり前”だったみたいだから、余計にね…』
確かに。
私は、前の世界で無茶や無理を繰り返してた。
そうしなきゃいけない理由もあったから…。
でも、今は。
『大丈夫。無茶や無理をしそうな時は、レグルス達が止めるって言ってくれたもん。
私もちゃんと気を付けるし。
前は、無茶でも無理でもやらなきゃ駄目だったけど、クラウディアでなら、皆が一緒だから大丈夫だよ』
ちょっとだけ考える様な沈黙を挟んで、お母さんは苦笑したみたいだった。
『分かったわ。信用します。
ぁ、でも、良かったら後でリュニベールにも声を聞かせてあげて?
ユナが大変な時に、傍に行けなかったって落ち込んでるのよ。
ほんの少しでもお話が出来れば、元気になると思うから』
リュニベール姉様も!?
ぅわ~ん。
みんな驚かせちゃったのか~。
本当にごめんなさい~。
お母さんに今日あった嬉しかったことや、楽しかったことを報告して、おやすみなさいを告げて、リュニベール姉様にも声を掛けた。
専用でお話し出来る様に、いってらっしゃいの前に、ちっちゃい版の女神像“ベル姉様バージョン”を貰ってたんだ♪
お母さんやベル姉様とのお喋りを終えて、ベッドに潜り込む。
今日は、フォルお姉ちゃんとラル姉さんが一緒♪
ベッドの下には、シリウスとレグルス。
横のチェストの上には、アルタイル。
私を挟む様にして、右にラル姉さん。左にフォルお姉ちゃん。
みんな一緒だ♪
おやすみなさい。