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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第3章─びっくりがいっぱい! 私の家族は楽しいです♪
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泣き虫って言われても…。開き直って、受け入れましょう! 泣き虫だって良いよね?

 ………。

 姉様が行ってしまいました…寂しい。

 目に涙が滲んできます。


「ユナ。大丈夫、きっと直ぐに帰って来るわ。

 だから、お姉ちゃんと一緒に待ってましょう?」


『無理だな』『無理では?』『無理だと思う~♪』


 フォルお姉ちゃんが、頭を撫でて慰めてくれましたが、瞬時に3匹による完全否定が成されました。


 …そうだよね。

 お姉ちゃんは姉様と同じく、うっすら輝いています。

 つまり、お姉ちゃんも“実体化”でクラウディアに来た訳ですね。

 それなら、クラウディアに居られるのは、長くても半日…夜の23刻頃にはお仕事に戻らなきゃならない筈ですから。


「…おしごとは、だいじなの…。わたし、ちゃんと知ってるよ?

 オルねぇねや、ベルねぇしゃま、メルねぇしゃんも、とってもたいせつ(大切)なおしごとしてるの。

 だから、ちゃんとまつ(待つ)よ?

 さびしいけど、ちゃんと“おるすばん”できるもん」


『そうだな。フェリシア様や女神様方が傍に居られない分、俺達が傍に居るのだ。

 寂しければ、寂しいと言えば良い』


『そうですね。ユナが寂しければ、私達がずっと一緒にいます。

 “寂しい”や“悲しい”を隠す必要はありません』


『そうだよ~。僕達は、ユナの契約獣で、家族なんでしょ~?

 ユナが言ったんだよ~?

 家族は“お互いを支え合う”存在だって~。

 どんどん頼って良いからね~♪』


 お姉ちゃんに心配させない様に、頑張って笑顔を作ってみたけど、へちゃっと力のない感じの表情になっちゃったみたい。

 3匹がそれぞれ「強がらなくて良い」って励ましてくれる。


 そっか。

 弱音を吐いてもいいんだ。

 弱音ばかりじゃ駄目だろうけど、自分の中に溜め込む必要は無いんだね。

 弱音を吐いたその後で、家族や知り合いに助けてもらいながらでも、前向きに頑張れるなら、寂しいや悲しい(負の感情)を外に出すのも大事な事なのかも。


「…あいがと、っく。ふ、ぅえ…ふぇぇぇ」


 あうぅぅ。

 昨日に続いて、またもや感情の制御が効かない…。

 お姉ちゃんがアワアワしてるのに、涙が止まらないよぉ~。

 困らせたくないのに…。


 泣きすぎて身体に力が入らない。

 へたんっと座り込んで泣きじゃくる私を、お姉ちゃんがぎゅっと抱き締めてくれます。


「う~。ユナが泣くと、私も悲しくなるけど、どうせだからいっぱい泣いちゃいなさい。

 私が傍に居られる間は、ずっと抱き締めててあげるから!」


 自分の嗚咽に混じって、お姉ちゃんの声が聞こえます。

 困らせてごめんなさい。

 だけど、お姉ちゃんが温かくて、ぎゅって抱き締めてくれる腕が嬉しくて、余計に涙が止まらないよぉ~。


「ふぇ…ひぃっく、ぃっくっ、ふ、ぅえ…」


 言葉を紡ぎたいのに、口から出てくるのは、言葉にならない嗚咽のみ。

 涙も止まらないし、お姉ちゃんが温かいし……。

 ぁ、駄目だ…意識が……途切れ………。



 *~*~*~*~*



『ん? 起きたか?』


 あえ?

 レグルス?


『…寝惚けてるな…。泣き虫娘』


 ………。

 …泣き…虫…。

 !? はわっ!?

 寝てましたか!?

 私、寝ちゃってました!?


 吃驚して起き上がろうとしたら、私の上からトサッと何かが滑り落ちた。

 レグルスと私の間に、フォルお姉ちゃんが寝てます。

 滑り落ちたのは、お姉ちゃんの腕で、どうやら抱き締められたまま、一緒に眠っていたみたいです。


『もう少し眠っていても大丈夫ですよ?』


『んむ~。ユナ…起きたの~?』


 私の後ろにはシリウスがいて、お姉ちゃんのお顔の前(私の頭の上だった?)辺りに、小鳥姿の(小さくなった)アルタイルがいます。

 アルタイルもちょっと寝てたのか、何処かぼんやりしてますね。


 頭も働き始めたのか、意識を失う(眠る)前の事も確り思い出しました。

 昨日に引き続き、大好きな人と離れる寂しさに、3歳児の感情が暴走し、お姉ちゃんが困るのも放置して、目一杯泣き晴らした上、泣き疲れて寝落ちた訳ですね。


 ………。

 うん。…なんかもうっ!

 恥ずかしい事この上無い感じですが、私は3歳児。

 3歳児なのです!

 恥ずかしすぎて、悶え、転がり、穴に埋まりたい気持ちを押さえ付け、現実を受け入れましょう!

 …もう、泣き虫でいいや…。

 ええ、ええ。私は泣き虫ですよ。

 良いじゃないですか、泣き虫でも!

 家族を困らせてしまうかも知れませんが、その分沢山大好きだと伝えましょう!


 ところで…。


「今、なんじ(何時)でしゅか?」


『15刻前だ。もう少しだけなら、眠っていても良いが、そろそろ空気が冷え始める。

 風邪をひいたり、体調を崩す前に、家の中に戻れ』


 姉様を見送った時より、太陽が大地に近付いてる。

 確かにちょっと冷え始めてるみたいで、フォルお姉ちゃんやシリウスの体温が恋しい。


 ピクニックの為に敷いていたラグマットの上に、前の世界で使っていたお布団の半分位の大きさの“特大クッション”が3つ、ベッド代わりに敷かれていて、私とお姉ちゃんはその上に寝てたみたい。

 大きいままのシリウスとレグルスに挟まれて。


 …なんとなくずっと前に見た“猫溜まり”を思い出した。

 猫って、狭いところや陽だまりに、固まって寝てたりするよね…。

 いや、うん。可愛いんだけどね?

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