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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第3章─びっくりがいっぱい! 私の家族は楽しいです♪
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お姉ちゃん? と契約獣。レグルスお父さんが怖いです!

「ねぇしゃま、ねぇさま。おなかしゅいたぁ~。

 ごはんにしよう?」


 私のお腹をぎゅ~っと抱き締めて、肩越しに目の前の女の子を睨んでいるベル姉様に、取り敢えず放してもらわなきゃですね。

 姉様の顔を見上げて、お腹に回されてる腕を、たしたしと軽く叩いてみる。

 途端に、私のお腹の虫さんは元気に鳴き始めた。


 ───ぐ~~っ、ぐるるぐ~~~ぅっ

 ──きゅ~~ぅっ、きゅるるん


 ………。

『きゅるるん』って……。

 恥ずかしすぎて、泣きたくなって来ましたよ?

 泣いていい?


『リュニベール様、取り敢えずユナを放していただけますか?

 ユナ、魔法を使ってよいから、下りてください。

 ご飯にしましょう』


 シリウスに促され、魔法を使う。

 姉様が放してくれないので、姉様ごと風で包み込んで、そっと地面に下り立ちます。


 背後から抱き付かれ、シリウスのお腹と女の子の身体で挟み込まれた私を、シリウスの背中にいた姉様が、転移魔法で自分の傍に移動させてくれたから、1度下りたのにシリウスの背中に戻ってたんだよね……。

 転移した途端に、呼吸が楽になって、噎せちゃったのはご愛嬌かな?


『お~い。たっだいま~♪』


 私と姉様が地面に下りたと同じくらいに、アルタイルとレグルスが戻って来ました。


『今戻った。……何故、此処に?』


「ぁ、やっほ~♪ 久し振り!」


 レグルスは、落ち込んでいる女の子を見付けると、訝しげに声をかけた。

 声をかけられた女の子は、嬉しそうに笑って、親しげに挨拶を投げ掛ける。


 ……ん?

 知り合いですか?


『無沙汰の程、御容赦いただきたく。

 健勝の御様子、喜ばし……「相変わらず、堅いね~。崩して良いよ?」……では、御無礼を。』


 レグルスが今まで見たことが無い程、慇懃無礼な応対をするのに驚きながら、私は女の子の正体を予測する。

 声に聞き覚えがあるし、容姿が何処と無くお母さんに似てる…。

 …お姉ちゃん…かな?


 前に教会で聞いた感じだと、フォーレお姉ちゃん → リュニベール姉様・お母さん → ラメル姉さんって順番に、ちょっとずつ低くなってたから、声で判断するなら、あの女の子はフォーレお姉ちゃんだと思うんだけどな…。

 ぁ、因みに私の声は、フォーレお姉ちゃんより、ちょこっと高め。

 3歳児ですからね♪



 ………。

 取り敢えず、ご飯の準備をしよう…かな。

 うん。

 お腹の虫さんも、さっきから“ぐるるきゅ~っ”と楽し気? に鳴いてますしね……。

 …恥ずかしくて、泣きたいです。

 もう、逸そ泣いちゃおうかな…。


 シリウスとアルタイル、それに姉様も準備を手伝ってくれてます。

 ぁ、アルタイルのお腹の虫さんも、鳴き始めましたね。

 皆のお腹の虫さんも時々鳴いてるみたいだから、恥ずかしさは軽減しましたね♪

 …それにしても…アルタイル。

 朝ご飯は、モウ消化シチャッタンデスカ?

 シチャッタンデスネ…スバラシイです。

 ちょこっと現実逃避をしつつも、やっぱり女の子が気になります。

 ご飯の準備をしながら、チラチラと様子を窺ってみましょう。


『何故、此処に居る? 仕事はどうした?

 まさかとは思うが、放置して来た訳ではあるまいな?』


「放置はしてないよぅっ。眷属達に振り分けて来たもん!」


 レグルスが流れるように質問(詰問?)を投げ掛ければ、女の子は拗ねた様にそっぽを向いて頬を膨らませました。

 というか、レグルス?

 先程の慇懃無礼な応対はどこに投げましたか?

 私を叱る時と同じくらい言葉が……。

 女の子の相手を、レグルスに丸投げしちゃいましたが、良かったのかなぁ?


『はぁ~っ。“季節の精霊王達に、押し付けるな”と、何度言わせれば気が済むのか…』


「大丈夫、大丈夫。“妹との約束”以上に大事な事なんて無いから♪」


 大きな溜息をついて、ぼそりと呟いたレグルスの嘆きを拾って、女の子は上機嫌でサクッと切り捨てました。


 ぁ、やっぱりお姉ちゃんなんですね。

 フォーレお姉ちゃんかな? ラメル姉さんかな?

 どちらであっても、会いに来てくれたのなら、嬉しいなぁ。

 でも、季節の精霊おう(・・)さん? 達には、迷惑かけちゃったのかな…。

 いつか会えたら、私もちゃんと謝ろう。

 古代竜さん達や季節の精霊おう(・・)さん達は、私のせいでお仕事増えちゃったみたいだもん。


『阿呆っ! 自分との約束の為に、他人に迷惑や負担をかけたと知れば、ユナが申し訳なさに落ち込むだろうが!!

 約束を守るなら、やるべき事を他に放るな!』


「え~。じゃあ、リュニベールは? 私と“同じ”じゃないの?」


『リュニベール様にも、朝方説教させていただいたわ!

 相手の事を思うなら、まず自分の事をちゃんとやれ。

 ユナの様に周りを気遣う者は、自分の事で他に負担がかかる事を苦手とする。

 ユナが大切だというなら、その心の在り方も考えるべきだろう!?

 何よりも先ずは───』


 ………。

 レグルスのお説教が始まっちゃっいましたね…。

 シリウス達の方に視線を向けたら、2匹とも苦笑してたし、目が合ったベル姉様は、視線を泳がせた後、そっとお顔ごと目を逸らした。

 うん。

 朝、大変だったもんね…。

 1階のダイニングについた途端、レグルスがベル姉様にお説教開始。

 ベル姉様は、軽く涙目でしたっけ……。

 ん? 私? 私は朝ご飯を作り始めちゃいましたよ?

 だって、レグルスのお説教は、怖いですから。

 レグルスのお説教は、淡々としてて心臓の奥の方(良心?)にチクチク刺さるから、心の中が「ごめんなさい」でいっぱいになっちゃうんデスヨネ…。ワカリマス。

 ベル姉様には悪いと思いましたが、怖いものは怖いので、サクッと避難してましたよ。ふふふっ。

 フォーレお姉ちゃん? も、頑張って叱られてください。

 お仕事は投げちゃ駄目です!


 でも、先にご飯にしようよぉ~。

 お腹が空きましたぁ~!

 本当(ホント)に泣いちゃいますよ!?

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