可愛い……可愛い? 可愛い!? ぇ、誰の事ですか!?
お姉ちゃん達3人に褒められて、羞恥心にヤられそうです……。
お姉ちゃん達は、前の世界で「溺愛系」と呼ばれていたタイプの人達なのかな?
う~、顔が熱い気がします~。
『ずるいっ! リュニベールが「ベル」なら、私は「フォル」が良いわ♪』
にゃ?
フォーレお姉ちゃんが、ベル姉様にダメ出ししてますよ?
愛称で呼ぶことを許してくれたリュニベール姉様の言葉に、フォーレお姉ちゃんが即座に反応しましたよ?
フォーレお姉ちゃんは負けず嫌い?
『あ~なら、あたしは「メル」だな』
ぉ、おやぁ?
フォーレお姉ちゃんだけじゃなく、ラメル姉さんもリュニベール姉様と同じく愛称呼びをご所望ですか?
ラメル姉さんまで、愛称呼びを推奨してきます。
歳上のお姉さんを愛称で呼んでもいいのかな?
いや、私自身、弟妹達からは「お姉ちゃん」じゃなくて、「結愛ちゃん」と呼ばれてたから良いのかも?
取り敢えず、ベル姉様みたいに、名前部分だけを変える方向で。
『? フォルお姉ちゃんと、メル姉さん?』
『『─っ、可愛い♪』』
!? 素直に呼び直してみたら、また褒められました!?
『…3人とも違う呼び方なら…名前は付けなくても…』
『! そうね、そうね♪』
『! だな!』
『…呼んで…くれ…る?』
? 愛称無しで呼ぶのですか?
え~と……。
『お姉ちゃんと、姉さんと、姉さま?』
ぁ、疑問系になっちゃっ 『『『ぜひ、それで!』』』 た。
………。
はい!?
え? これでいいの?
ん~、お姉ちゃん達の名前も呼びたい気はするけど、1人ずつとお話する時は、名前は無くてもいいのかな……。
『えっと、じゃあ、お姉ちゃん達と別々に会うときは、そう呼ばせてもらいます。
でも、お姉ちゃん達が2人以上一緒の時は、名前も呼んでいいですか?』
『『『っ! 勿論♪』』』
うわっ、うわぁ♪
お姉ちゃん達優しい。うわぁ♪
お母さんの娘になれただけでも嬉しかったのに、優しいお姉ちゃんが3人も♪
お母さんと、シリウス、レグルスに、アルタイル。
フォーレお姉ちゃんと、ラメル姉さんと、リュニベール姉様。
それに……。
まだ聞いてないけど、もしかしたら……。
……お父さんも……いるのかな?
って、 黙って喜びに浸ってちゃ駄目だよね!
ふくふくと沸き上がる喜びを噛み締めてたけど、お姉ちゃん達に「有難う」を言いたかったのを思い出しました!
『ぁ、ユナ』
称号のお礼を伝えるために、気持ちを立て直した所に、フォルお姉ちゃんが話し掛けてくれました。
『何ですか?』
『敬語は止めましょうか?
その方が沢山仲良しになれそうだもの♪』
ほんの少し丁寧に喋っていたら、それを注意されました。
『ぇ、でも……』
『勿論、敬語の方が喋り易いなら、そのままでも構わないけど、もし崩せるなら、崩して欲しいわ。
私達は、姉妹なんだから。ね?』
『─っ。はいっ! うん。嬉しい。有難う、フォルお姉ちゃん』
姉妹……。
─嬉しい。
凄い! 嬉しい!
お姉ちゃんも、私を好きになってくれたのかな!?
私は勿論大好きだ!!
お母さんに「どっちが好き?」って聞かれたら、選ぶのはお母さんだけど……。
でもでも、きっと沢山迷って、いっぱい考えて、泣きそうになっちゃうくらい、お姉ちゃん達も大好きになっちゃったもん。
きっとお姉ちゃんは、お母さんに「敬語はいらない」って言った時の私と同じ気持ちで、「敬語は止めよう?」って言ってくれたんじゃないかな?
だったら凄く嬉しい。
あの時私は、お母さんを大好きになってたもん。
『あたしだって、敬語は嫌だぞ』
『…ぼくも、嫌…』
『ん。分かった。メル姉さん、ベル姉様も、有難う。
3人とも大好き!』
他のお姉ちゃん達も、フォルお姉ちゃんと同じ様に、「敬語は嫌」って言ってくれた。
嬉しくて泣きそうだけど、ちゃんと気持ちを伝えたくて、大好きって言葉になっちゃった。
気持ちが溢れて、言葉が生まれるって、本当だったんだね。
『『『───っ。可愛~~~いっ♪ 私も大好き!』 あたしも大好きだぞ!』 ぼくも…大好き…♪』
ふにゃっ!?
か、可愛くないよ!?
私は可愛くなんてないよ~!?
ふぇぇぇぇ!?
ぁ、でも、大好きって。
お姉ちゃん達も、大好きって言ってくれた!
『わ、私も、だ、大好き! ~~~っ』
ぅにゃぁ。
意識して言葉にするのは、照れます!
両思いの告白って、男女関係無く、物凄く照れます!
『やん、もう。すっごい可愛い~』
『ホントだな! 妹って、こんなに可愛いもんなんだなぁ』
『…ん。可愛い…。…フェリシア様に感謝…。
…けど、多分…ユナだから…可愛い…。
………こんな可愛い子……拐われたり…しな…い?』
『なっ!』
『あ……』
『…変態…とか…。…盗賊…とか…。…馬鹿貴族…とか…』
『『あり得る!』』
はいっ!?
いやいや、待って!
お姉ちゃん達? 流石に褒め過ぎですよ!?
しかも……ぇ、私、拐われるんですか!?
『あり得るわ! ユナってば、こんなに可愛いんだもん!』
『あ~くそっ! クラウディアには、ユナにとっての危険が有りすぎるぞ!?』
『………殺…る?……』
『殺りましょう!』『殺るぞ!』
へ!?
ぇ、やるって何を?
お姉ちゃん達の勢いが凄すぎて、声を挟む隙が無いですね。
『待ってて、ユナ! 直ぐに危険は排除するから!』
『大丈夫だ。変態も盗賊も馬鹿貴族も、クラウディアのゴミだ。
直ぐ掃除出来るからな!』
『…ん。あんなのいらない…。…可愛い妹は…ぼく達が守る…』
排除……。掃除……。
ぁ、もしかして、「やる」って「殺る」ですか!?
きゃあぁぁ。
駄目です! 駄目!!
止めなきゃですよね!?
『待って! 待って! お姉ちゃん!? 姉さん!? 姉様!?』
『なぁに?』『なんだ?』『…何…?』
ぁ、勢いが止まりました。
今ですね!?
『私なら大丈夫だよ!?
お母さんも心配して、いつも一緒に居てくれる“家族”をくれたもん。
もふもふでね♪ すっごく可愛くてね♪
とっても強い子達なんだよ♪』
『そうなの?』『そうなのか?』『…そう…?』
『うん! 天狼のシリウスと、天虎のレグルスと、天鷹のアルタイル!
皆、強くて、格好良くて、綺麗なの!』
『『『ああ! あの子達ね♪』 あの子達か!』 …あの子達…』
お姉ちゃん達が、納得してくれたみたいです。
しかも、3匹を知ってる?
『フォルお姉ちゃん達も知ってるの?』
『知ってるわ』『知ってるぞ』『…知ってる…』