閑話・はしゃぎ過ぎにはご用心。幼児は時々、無自覚に限界を突破します。
今年最後の投稿です。
短いです。
本当にスミマセン。
ふぅ。
『……』
はふぅ。
『………ユナ?』
はぁ。ふぅ。
『ユナ!?』
『ラズヴェルト様! ユナが!』
なんだろう…ボゥっとする。
なんだか寒いのに、お顔は熱い。
身体があちこち痛い気もする。
レグルス達の声が遠い……。
あ~もしかして………─────
ドサッ。
「「「「ユナ!?」」」」
★☆★☆★☆★☆★
─ラズヴェルト視点─
ユナが突然倒れたのは、そろそろ採取を終えようかと、各々がユナの元に戻りだした時でした。
元々戻ろうとしていた私は、手にしていた薬草満載の籠を放り出して、咄嗟にユナの元へと駆け出します。
大地に倒れ伏したユナの呼吸は、浅く早い。
抱き起こすと、顔も赤く染まり、瞼は閉ざされ、苦し気に眉間に皺が寄っています。
これは………。
一瞬、毒関連を疑いましたが、見た限り外傷はありません。
一応、解毒と浄化の魔法を行使しても、症状に変化がありません。
良かった。
採取中に悪い物に触れたのかと思いましたが、どうやらはしゃぎ過ぎたための疲労による発熱のようです。
今日も色々ありましたからね。
身体が成長仕切っていない幼子には、精神にも肉体にも刺激が強すぎたのでしょう。
治癒の魔法は基本的に病や疲労、筋肉痛や成長痛には効きません。
ユナは状態と精神の【異常耐性】技能を持っていたはずです。
無理をさせなければ、悪化する事はないでしょう。
熱は高めですが、他に悪い所はありませんし、油断は出来ませんが、自宅で安静にしていれば、すぐに回復するはずです。
急いで戻りましょう!
「「師匠!」」
「ラズ…」
「ラズヴェルト…」
「「ラズヴェルト殿…」」
「大丈夫です。熱は高いですが、大本の原因は、はしゃぎ過ぎによる疲労だと思います。
今は急激な体温上昇に体力を奪われて、目を回しているだけです。
帰宅して、暫く休めば回復するはずです」
「「「「良かったぁ」」」」
心配そうにしていた子供たちや、ベリウスが私の見解に安堵の表情を浮かべます。
「とりあえず、心配はしなくても大丈夫なんだな?
なら、採取したものを、さっさと片して、とっとと帰るぞ」
「あっ…」
ベリウスが私の腕からユナを浚い、自分が持っていた大量の薬草が入った籠を、私に押し付けて来ました。
………。
無限収納にしまえと。
まぁ、私が【無限収納】技能持ちなのは教えてありますし、移動時の荷物は殆んど預かっているので、当然受け取りはしますが……。
ユナを浚う必要は無いですよね?
私から娘を取り上げるとは…良い度胸です。
売られた喧嘩は買いますよ?
『ラズヴェルト様。さっさと帰ってユナを休ませたいのだ、不機嫌になる暇があるなら、サクッと片付けてください』
不機嫌に委せて、辺りに冷気を放っていたら、私が放り出した籠を拾って、レグルスが寄って来ました。
そうですね。そうでした。
不機嫌を晒している場合ではありませんでしたね。
今は、ユナの休息が最優先です。
さっさと帰りましょう。
ユナを心配するあまり、渋るリムを宥めて別れ、自宅へと歩みを進めます。
ユナを早く休ませるため、レグルスとシリウスには頑張ってもらいました。
帰宅したら帰宅したで、今度はベリウスと泊まる泊まらないで一揉め。
結局、ユナが元気になった時、悲しくならないように、泊まる事になりました。
それにしても、帰路でさえユナが目を覚ます様子がありませんでしたね。
大分熱が高いようです。
解熱剤が必要かも知れませんね…。
あれは、粉薬なのですよね……ん~、飲みやすい薬を作っておきましょうか。
活動報告で申告しましたが、作者の頭から、ユナちゃん達が家出しました。
世に言うところのスランプかも知れません。
が、なんとか無理やり書いて、投稿しました。
来年は、スタートが遅れるかもです。
お待たせするかも知れませんが、出来るだけ早く戻りますので、暫しの休載をお許しください。
今年一年ありがとうございました。
また、来年もよろしくお願いいたします。
皆々様に、善き一年が訪れる事を祈ります。
峠岬 嶺