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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第10章─ドラゴンの住処へレッツゴー。お友達のお家へ初訪問です!
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壁破壊事件の次は…。どちら様でせう?

「「「「「………」」」」」


 ドワーフの皆さんが絶句してますね。

 まぁ、開いた穴の大きさが大きさですしね。


「ま、待て、待て、待て、待ってくれッス! オイが開けた穴は、こんなに大きく無かったッス!」


「あ~、すまぬ。加減を間違(まちご)うて、我が拡げてしもうたのじゃ。

 故に、自力で直すつもりじゃったのじゃ」


「ブッハッハッハッハッ。リムの嬢ちゃんは面白いッス

 ほれほれ、皆の衆。

 サッサと直すッスよ! オイ達の方が石や岩には詳しいッス。

 穴の跡なんか、分からない程綺麗に直すッスよ」


 班長さんの掛け声に、ドワーフさん達が動き出します。

 私達は邪魔になりそうなので、穴の内側へと戻る事になりました。



 *~*~*~*~*



 ………。

 誰?


「誰じゃ? 御主ら」


 穴を抜けた先には、見知らぬ小人さん──3歳児(わたし)と同じくらいの背丈のおばさま──達が数人。

 私達が残して行った、寛ぎスペースが占拠されてますね。


「ん? ここの家主さんですのん?」


「その通りじゃが、先に名乗ってくれんかの? 御主ら、ブラウニーじゃよな?

 なぜに姿を晒しとる?

 御主らブラウニーは、姿を見られる事を嫌って居ろう?」


 家主に見つかっても、おばさま達はみんな揃って小首を傾げただけです。

 リムが不思議そうに、次々と疑問を投げ掛けます。


 ………。

 不法侵入だろう事は、どうでも良いのかな…。

 リムが気にしてないなら、良いのかな?


 お父さんを見上げれば、仕方無さそうに苦笑してました。


「誰も居ない間に、お邪魔してたのん」


「別に、悪さをせぬなら、構わぬが?」


「そうなのん? でも、一応謝罪は受け取って欲しいのん。

 勝手にお邪魔して、ごめんなさいなのん」


「うむ。謝罪は受け取ろう」


「ありがとうなのん。ところで、迷惑で無いのなら、ここに居着いても良いかしらなのん。

 以前居た場所から、逐われてしまったのん。

 新しい家を探していたら、ここを見付けたのん。

 ここは、居心地が良いのん。

 勿論、小さな報酬を貰えれば、お仕事沢山手伝うのん!」


 ブラウニーさん達は、押し掛けお手伝いさんですか?

 というか、リムの質問はサラッと無視(スルー)させてませんか?


『ここは、リムが暮らし始めた為に、魔素が集まり始めているからな。

 精霊や妖精、種族的に日常生活を魔法で行う者達には、居心地も良かろうな』


『ですね。それに、ブラウニーが姿を現して居るのは、姿を消せぬ程に弱っている為では?

 気配が随分と希薄です』


『だね~♪ 逐われたって言ってたけど、大分虐められたみたいだね。

 傷こそ目に見えないけど、瞳に翳りが見えるもん』


 レグルス達契約獣が、思い思いにリムの疑問の回答をあげてます。


 え!?

 ブラウニーさん達、苛められてたんですか!?

 怪我とかしてないですか?

 私に出来ることって、無いですか?


 ハラハラしはじめた私の頭を、優しく撫でる手があります。

 撫でてくれたのはお爺ちゃんです。

 大丈夫と言われたみたいで、ちょっと安心しました。


 お母さんに教えて貰った事が頭に浮かびます。

 妖精族と呼ばれる者達は、皆さん一点特化型が多いそうで、行き過ぎ・やり過ぎ・拘り過ぎて他種族に煙たがられる事があるらしいです。


 リムとの対話を聞いていると、どうやらブラウニーのおばさま達もやり過ぎた様です。

 ブラウニーの特化は“家事仕事”です。

 故に、以前居た場所でも家事をしていた様なのですが、お手伝いし過ぎて、家主さんが何もしなくなっちゃったらしい。


 お手伝いをしても報酬は貰えない、報酬を渡さないのに仕事をしないと責められる、報酬無しに魔法を使えばブラウニーさん達が疲弊する。

 と、環境がどんどん悪化していき、とうとう「仕事をしないなら出ていけ!」と、お家を追い出されてしまったそうです。


 報酬を貰えずに居た為に、ブラウニーさん達は大分お疲れ気味で、魔素を求めて途方に暮れていた所、ここの雰囲気に惹かれて洞窟に入って来た。

 ら、魔素は十分だし、誰かが暮らしている形跡もある。

 ここならば、家主さんが良ければ新しい家になるのではと、リムの帰りを大人しく待っていたということらしい。


「うむ。御主らの言い分は分かったのじゃ。

 我が家で良ければ、居着くと良い♪

 我も一人暮らしを寂しく感じていたのじゃ、同居仲間は歓迎するのじゃ♪」


「「「「「ありがとうなのん」」」」」


 リムの言葉に、ブラウニーさん達が一斉に頭を下げました。


 魔力が足りず、姿を晒してしまう事は、ブラウニーさん達には不本意らしいですが、回復するまでは仕方無いと諦めているんだそう。

 リムとしては、自分以外の気配があるだけでも十分だけど、話が出来るのなら、姿を消せる様になっても会話だけはして欲しいと、同居においての条件付けをしてました。

 ブラウニーさん達は直ぐ様快諾。

 仲良くなれて良かったです♪


 リムとブラウニーさん達が話し合いをしていた間、ドワーフさん達は黙々と壁を修理してました。

 チラリと背後を伺えば、なんだか凄い事になってます。

 い、いいのかなぁ。

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