表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第10章─ドラゴンの住処へレッツゴー。お友達のお家へ初訪問です!
164/169

まずは、ご飯にしませんか? 犯人探しはその後で。

相変わらず、説明文過多かもです。

スミマセン。

「…おなかへっちゃ」


 ドワーフさん達が犯人推測をするのを見てたら、私のお腹がグゥ~と鳴りました。

 お腹の虫さんは、今日も元気ですね。


 リムの望みは、謝罪であって、断罪じゃないです。

 あんなにヒートアップしてたら、多対一の多勢に無勢、虐めに成っちゃいそうですし。

 一旦、落ち着きましょう♪


 お兄ちゃんの腕から下りて、近くに来て居たお父さんの洋服の裾を、ツイツイと引っ張ります。

 大きな音が飛び交う中で注意を引くには、これが一番ですね。

 お父さんが気付いて、私を抱き上げました。


 あや? しゃがんでくれればと思ったんですが…。

 まぁ、いいか。


「おとぉしゃん、おにゃかへりました…」


 抱き上げられた私のお腹が、再びグゥ~と鳴ります。

 周りの喧騒に掻き消される事無く、お父さんのお耳が音を拾ったらしく、一瞬考える様な間が空き、次いで納得したように頷きました。


「おや。そういえば、ご飯がまだでしたね。

 みんな、ユナがお腹を空かせてますから、お昼にしましょう。

 班長! 犯人探しは後にして、昼飯にしよう!

 子供達が腹を空かせてる」


 お父さんは、ドワーフさん達の話し合い? をぶった斬り、私を腕から下ろすと、サクサクと厚手の絨毯を【無限収納(インベントリー)】から取り出します。


 あ、ドワーフさん達が驚いてる…。

 そういえば、【無限収納】って珍しい技能(スキル)でしたね。

 私が自分の【無限収納】を使うのは、家族以外の前では禁止されてたので、ちょっと忘れてましたよ。


 良かった~。

 自分の【無限収納】使わなくて…。

 まだ、ヒュー様達にすら話してないですからね。

 他の人達に知られるのは、もっと大きくなって、自分の身は自分で守れるように成ってからじゃないと、危ないですからね。


「なんだなんだッス!? アンタ、【収納】持ちッスか!」


 ドワーフの班長さんが、お父さんに詰め寄ります。


「ああ。ほら、それよりも、飯だ! 飯!」


 絨毯の上に次々とお弁当を詰めたバスケットを取り出しながら、お父さんが班長さんを適当にあしらってます。

 お兄さんズはそれを横目に、我関せずでサッサと絨毯に腰を落ち着け始めてます。

 お爺ちゃんはヒュー様を抱えたまま上がり、ルクレヒト様は遠慮がちにドワーフさん達を見てます。

 ドワーフさん達も誘いましょう♪


 ドワーフさん達は、岩肌に直に座る方が慣れているらしくて断られました。

 私達としては岩肌に直だとちょっと辛いので、遠慮無く絨毯で場所を確保させて貰います。


 わぁ~い♪

 本日のご飯は、ピクニックランチですね♪

 背景はちょっと寂しい──剥き出しの岩肌ばかり──ですが、皆でワイワイ食べるのは、どんな場所でも楽しいですから。


 あんなにヒートアップしていたドワーフさん達でしたが、ご飯を前にして空腹を思い出したのか、今は皆さん静かです。

 さっきまで居なかった数人も、戻って来たみたいです。

 全員揃ったので、各々食べ始めます。


 今日はサンドイッチじゃなくて、おむすび(・・・・)です。

 おかずも和食寄りで準備してます。

 バスケットから和食系料理が出てくるのって、微妙に違和感ありますね。

 でも、食べます!


 煮物に塩鮭、お新香各種。

 佃煮に白和え、蒸かし芋。

 全部、手作りです!

 美味しく出来てます♪

 み~んな笑顔。

 ご飯がどんどん減っていきます。

 作り手として、嬉しい限りです。


 ドワーフさん達は、ドワーフさん達で、簡単な竈を作って煮炊きをしてます。

 美味しそうなスープの匂いが漂ってます。



 *~*~*~*~*



 さて、ご飯は食べ終えたし、お片付けも済みました。

 ヨシッ!

 元気充填完了です♪


 ん~、リムのお家の壁を破壊したドワーフさんは、誰なんですかねぇ。

 ご飯を終えたドワーフさん達が、ご飯前に居なかった3人に、確認を取ります。


 結論。

 犯人はクースさんでした。


「…っ、本当に悪かったッス。申し訳ないッス」


 クースさんは、涙目になりつつも、リムに向かって深々と頭を下げます。

 壁の向こうに消えていった時のふてぶてしさは皆無です。


 なんでも、クースさんは極度の人見知りで、口下手さん。

 口下手というか、緊張のあまり言葉選びに失敗し、必要以上に敵を作っちゃうらしいです。

 前の職場も、それで嫌味ばかりを言われて、ノイローゼ気味になって辞めたそう。


 今回こそは、なんとか仕事を続けられる様に、人見知りの緊張が解けるまで、口数を減らして、最小限の問答で仕事をしていたのに、人様の家の壁を壊す大失敗。

 軽いパニックになって、咄嗟に逃げてしまったらしいです。


「もう良いのじゃ。壁なんぞ、すぐに直せる。

 我はちゃんと謝って欲しかっただけじゃ。

 謝ってくれたのじゃから、これで(しま)いじゃ♪」


 クースさんが下げた頭を、リムがワシャワシャと撫で、笑顔で赦します。

 幼女に慰められる小柄なおじさん…。

 なかなかにシュールな絵面な気はしますが、一応大団円ですかね?


 あれだけ怒っていたドワーフさん達も、クースさんの話を聞き、仕方がなさそうに苦笑しています。

 班長さんが、「責任は上の者が取るものだ」と言って、リムのお家の壁を直してくれると言い出せば、他のドワーフさん達も「なら、連帯責任ってのもあるよな」と、全員で直してくれる事になりました。

 皆さん仲間思いの良いドワーフさん達です。


 鬼ごっこの鬼だった私達ですが、ちゃんと捕まえられて良かったです。

 クースさん、実は責任感が強くて、罪悪感に押し潰されそうだったらしく、お昼ご飯の味が分からないくらい縮こまってたんだって。

 “悪いことをしたら謝る”って、自分の為にも凄く大事な事なんだねぇ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ