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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第10章─ドラゴンの住処へレッツゴー。お友達のお家へ初訪問です!
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ドワーフさんがいっぱい? 鬼ごっこの終点ですが…。

 さて。

 あちこち曲がりくねった道を進み、漸く駐留場所に着きました。


 案内して貰いながら、ドワーフさんと沢山お話しましたよ。

 ドワーフさんのお名前も教えて貰いました♪


 ドワーフさん改め、フィリップさんはドワーフとしては若年で、50歳を少し過ぎた所なんだって。

 ドワーフは、大体200歳が平均寿命だもんね。

 エルフは700~800歳で、1番長生きなのがドラゴン。

 ドラゴン達は、上位になる程、万年単位で生きてるんだよね。


 クラウディアには、不死は存在しない。

 不老は存在しても、アンデッドにすら消滅や浄化という“死”があるんです。

 これは、お母さんが教えてくれた知識にちゃんとありました。


 と、またズレた。

 え~と、そう!

 フィリップさんだ。


 フィリップさんは、歳は若くても採掘ではとっても優秀で、今回の採掘隊の先見役を担ってる。


「ゥオーイ、みんなぁ、班長~ぉ!」


「「「「「ん?」」」」」


「どーしたぁ、フィル坊!」


 丁度お昼時が近付いてたのもあって、ドワーフさん達はわらわらと集まり出してました。

 フィリップさんが、担いでいたツルハシを掲げて声をかければ、一斉にこちらを振り返ります。

 個人的に呼んだのは、この隊の班長さん。

 責任者さんです。


「班長! ちぃと、問題発生ッス!」


 タッタカ駆け出し、フィリップさんが班長さんと合流して、私達の事を説明してくれてます。


「オーイ、元々の状況を説明して欲しいッス」


「フム。アンタ等ッスかい? フィル坊のいう被害者とやらは?」


 話を終えたフィリップさんが、班長さんを連れて、私達に近付いて来ます。


「ああ。初めまして。僕は冒険者のラズヴェルト。家族で娘の友人宅に遊びに来てたんだが──」


 今度は、お父さんがリムを交えて、班長さんに説明します。


「取り敢えず、エディ達は他の連中に会うッスよ。犯人見付けるッス」


 お父さんとリムが説明している間に、お兄さんズを中心に私達はドワーフさん数名に紹介されるらしいです。

 フィリップさんが、鼻息荒めにエディ兄さんの腕を引きます。


「と。分かった、分かった」


 低い位置からグイグイと引っ張られて、エディ兄さんが軽く多々良を踏みます。

 駐留場所に着いて直ぐ、お父さんの腕から、クリスお兄ちゃんの腕へと移された私は、抱っこされた状態のままの移動です。

 ヒュー様もお爺ちゃんに抱っこされっぱなしです。


「みんなぁ、こん人達を知ってるヤツは居るッスか?」


 エディ兄さんを引き摺る様にしてドワーフさん達の元に辿り着いたフィリップさんが、まずは確認とそこに居た全員を見渡します。


「あ~、オイは坑道で見たッスよ?」


「「オイも」」


「オイも見たッス。班長と居る嬢ちゃんが、なんだか怒ってたッス」


 数人が頷いてますね。

 あの人達は、多分フィリップさんを確保した時に、わらわらと散開して行った人達ですね。


「──って事らしいッス! 人様ん()の壁を破壊した上、謝罪も無しに逃亡したヤツがいるッス!」


「「「ナンダトォ!」」」


 フィリップさんから事情を聞いたドワーフさん達が、一斉に怒気を発してます。


 ドワーフさん達は、本来責任感の強い職人気質で、礼儀には煩い人が多いらしいです。

 が、稀に当てはまらない人もいます。

 今回は完全にその“当てはまらない人”が犯人ですね。


「今ここに居ねぇのは、カラオとクース、それにドノバンッスね!」


「カラオは違うッスね…アイツァ、オイ以上に礼儀に煩いッス!」


「なら、ドノバンッスか? ドノバンは、ちょっと緩いッスよ?」


「いや、それならクースだって緩いッス!」


 ドワーフさん達だけで、どんどん犯人探しが加速してますね。


 ………。

 方言? ですかね?

 フィリップさんだけなら、気にならなかったのですが…。

 なんだか「~ッス」って言葉が、全体に飛び交ってます。

 しかも、フィリップさんはそれほどじゃ無いですが、他のドワーフさん達の声は、割りと低音。

 なぜだか違和感が凄いです。何故?


 と、現実逃避をしていたら、お父さん達の話し合いが終わったらしく、私達に合流しました。


「リムの嬢ちゃんには、本当に申し訳ないッス。なんでも越してきたばっかりだったそうッスなぁ。

 新築の家に穴なんざ開けて、家主に謝罪も無く逃げるなんざァ、ドワーフの風上にも置けねぇッス」


「いや、越しては来たばかりじゃが、新築では無いのじゃ」


 リムが班長さんの言葉を、一部否定します。

 そう言えば、元々あった洞窟でしたね。

 それを拡げたのはリムですが、新築というより改築した感じですもんね。


「ん? そうだったッスか? まぁ、どっちにしても、オイ達ドワーフの印象を悪くしたのは事実ッスな。

 いかに同胞といえど…いや、同胞だからこそ、取っ捕まえて、キチンと謝罪させてやるッス!」


 ……班長さんが熱い。

 犯人探しが再び加速しそうです。

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