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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第10章─ドラゴンの住処へレッツゴー。お友達のお家へ初訪問です!
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祝・初めてのお友達宅訪問! 玄関前で一騒動?

 お腹もこなれたので、早々に準備を終えて、やって来ましたリムのお家です!


 新しいリムのお家は、以前の巣穴とは違って、かまくら形ではなく、ちゃんとした洞窟でした。


 以前、リムを助けた時は、かまくら形の巣穴で、中もそんなに複雑ではないと教えられました。

 だけど、お父さんからは、竜の住処は巨大迷路みたいだと聞かされました。

 竜の住処とは、そこの主が成体であればある程、増改築による増改築で複雑化して、巨大迷路化するそうです。


 リムのお家は、以前人間による襲撃があった事を踏まえているだろうから、幼生体であっても、多少複雑化している可能性があると、お父さんが言ってました。


 そんな理由があったので、お父さんはちょこっと警戒していたんだって。


『………リム、御主………もう少し、危機意識を持たぬかっ!』


 にゃ!

 び、びっくりしたぁ~。


 到着したリムのお家を見て、レグルスがリムを叱りつけました。

 なんでかと思ってたら、シリウスが隣に来て、レグルスが怒ってる理由を教えてくれます。


『今、調べてみましたが、このリムの新しい家とやらは、以前見た物と大差が無いのです。

 中は多少拡張されている様ですし、部屋も増えてはいる様ですが、襲撃を受けた巣穴と同じ形にしておくのは、無防備としか言いようがありません』


『だね~。本来、魔物の巣穴って複雑化しやすいし~、放棄された巣穴なんかは、迷宮(ダンジョン)化したりするんだけど~、リムのお家は放棄しても、絶っっっ対! 迷宮化しないって断言出来そうなくらい~、単純構造だよ~♪』


『これでは、レグルスに叱られるのも、仕方が無いかと思います』


 アルタイルも苦笑混じりに、シリウスの説明を肯定してます。

 人化を解いて、仔竜姿に戻って案内をしてくれていたリムが、拗ねた様に余所を向いて反論しました。


『むぅ。良いではないか。家など、身体が大きく成ってから、思い付くままに拡げれば良いのじゃ。

 若輩の今は、広い家など必要無いじゃろ。

 我の寝床と客人のための部屋、それに蓄え場があれば、十分じゃからの』


『阿呆か! 御主は一度襲撃されておろうが! 多少なりとも、事故防衛すべきだ!』


『ぬ。そ、そうじゃの……』


 一度目を見開いてレグルスを見た後、そっと目を逸らすリム。


 リム…。

 もしかして、忘れてましたか?

 襲われた事…。


『その態度…御主、さては忘れておったな?』


『…そういえば、ドラゴンは基本大雑把な生き物でしたね』


『アハハ、そうだね~、大雑把なせいで忘れやすいんだっけ~?

 まぁ、でも。だからって、襲われた事を忘れるのは、駄目でしょ~♪』


 レグルスが溜め息を吐き、シリウスが遠い目をして呟き、アルタイルが爆笑しました。


「なぁ、何故に外観を眺めて止まってるんだ?

 折角、遊びに来たのに、案内はしてもらわんのか?」


「あ~、すみません。ベリウスは【念話】スキルを持っていないのですね。

 今は、リムがレグルスから、お説教を受けていたのです。

 家主が叱られている間に、勝手にお邪魔する訳には参りませんから」


 お爺ちゃんの疑問に、お父さんが苦笑しながら説明してます。


 そういえば、お爺ちゃんはレグルス達の言葉が、分からなかったんでしたね。

 お兄さんズやヒュー様達領主家兄弟も、まだ分からない筈です。


「なるほど。確かに説教中に案内も何もないわな。

 ん? けど、お前さんらは、皆【念話】スキルを所持してるのか?」


「ん~にゃ。俺達は持ってないぜ?」


「俺や兄様も持ってない」


 お爺ちゃんが皆を見回して確認すると、お兄さんズやヒュー様兄弟は否定します。


「今居るメンバーでは、所持者は私とユナだけですよ。

 訓練すれば、スキルの獲得は可能だと思いますけどね」


 レグルスのお説教を横目に、お父さん達も【念話】スキルで盛り上がってますね。


 ………。

 私、ちょっと暇です。

 辺りの散策でも、しましょうかね?


 辺りを見渡すと、【解析】スキルが発動して、色んな情報が頭に浮かびます。


 あ!

 薬草発見です!

 あ!

 あの羽根、魔道具に使えます!

 のあ!?

 あれって、鉱石の塊ですよ!?

 何故にこんな場所にありますか!?


 うわぁ、この辺りって、素材の宝庫です。

 採取! 採取したいです!


 わくわくソワソワしていたら、髪の先の鈴がチリリンと鳴りました。

 その小さな音に気付いて、シリウスが再び寄って来ます。

 どうやら、わくわく感に引っ張られて、無意識に素材の方に近付いてしまってたみたいです。


『ユナ? どうしましたか?』


「ちリウしゅ! しょざい! しょ…そ…そざい! いっぱい!」


 満面の笑顔で、感情のままシリウスに抱きつきます。

 本来の大きさに戻っている──移動の際に乗せてくれてました──ので、まふっと毛並みに埋もれます。


『……ああ。確かに』


 シリウスは視線だけで確認したらしく、動いた様子もないのに、私の言葉を肯定してくれました。


『後で採集もしますか?』


『! いいの!? 良いなら、採集したい!』


 シリウスの毛皮に、ぐりぐりと額を押し付けながら、念話で返事をすれば、頬をペロリと舐められました。


『皆に了承を得てからですよ?

 今日は、リムのお家に遊びに来たのですから、リムの気持ちが優先です』


『うん! 採集は、帰りにちょっとだけでも良いの。

 今日はリムと遊ぼうね♪

 私だって、凄く楽しみにしてたんだもん!

 いっぱい遊ぼう♪』


 お顔を上げて、にっこり笑えば、シリウスの優しい瞳がありました。


 シリウスの優しい雰囲気は、大好きなお母さんと似ています。

 でも、お母さんとはちょっと違って、お姉ちゃん達の方が似てるかな?

 ん~、お姉ちゃん達ともちょっと違う?

 ハッ! お婆ちゃん!?

 お婆ちゃんがいたら、こんな感じなのかな?

………。

ユナちゃんが、シリウスをお婆ちゃんに認定した模様です!?


いや、作者的には、第2の母とか考えていたんですが…。

何故にお婆ちゃん…。

(; ̄Д ̄)?


すまん、シリウス。

作者を置いてきぼりにして、ユナちゃんが認定シチャッタッポイデス。

σ( ̄∇ ̄;)

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