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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第10章─ドラゴンの住処へレッツゴー。お友達のお家へ初訪問です!
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おはようございます♪ 今日も1日、元気に過ごそう!

 ───チチチッ チチッ ピィルルルル。


 鳥さん達の声が聞こえる…。

 むぅ。


「………ぅにぃ~、あしゃ?」


『ユナ? 起きたのか? まだ火の鐘まで、4(時間)以上ある、起きるには早いぞ』


 上半身を起こしたら、レグルスの小声みたいな【念話】が、頭の中で小さく響いた。


 火の鐘は、別名“朝の鐘”。

 朝8時に鳴る大鐘楼の刻告(とき)げの鐘の音の事。

 その鐘が鳴るまで4時間以上……つまり、今は朝の4時前くらいかな?


 寝起きで上手く働かない頭で、ぼやっと考える。

 私、昨日いつ寝たんでしょう?

 え~と、お母さんと話してて………あれ?

 もしかして、また寝堕ちた?


 ………って、アッ!

 今日って、リムのおうちに遊びに行くんだよね!?

 準備しなきゃ!


『もう起きる! リムのお家に行く準備しなきゃ!』


 レグルスに【念話】で返事を返して、モソモソと移動を開始する。

 一緒に寝ていたお父さんを起こさない様に、気を付けてベッドから降りようとしたら、フワッと身体が浮いた。


「おはようございます、ユナ。随分早起きですね」


「ぁい。おはよぉごじゃいましゅ、おとぉしゃん」


 床に下ろされて、蕩ける様な笑顔のお父さんにご挨拶します。


 ……………。

 ………。

 …。

 お父さん?

 何故に無言笑顔のままで、私の頭を撫で続けていらっしゃいますか?

 素敵な笑顔は眼福ですが、この撫で撫ではいつ終わります?

 そろそろ5分くらい経過してそうなのですが…。


『ラズヴェルト様、寝惚けてる~? おぉ~い』


 私の肩によって来たアルタイルが、いまだ私の頭を撫でるお父さんの手を、軽く突っついた。


「ん? おや、アルタイル。どうしましたか?」


『おはよう~、ラズヴェルト様。何時までユナの頭を撫でてるの?

 ユナ、困惑しちゃってるよ~?』


「え?」


 あれ?

 お父さん、私の頭を撫でてる自覚無かった?

 え~と、もしや、アルタイルが言ってたみたいに、寝惚けて(・・・・)たのかな。


「すみません、ユナ。大丈夫ですか?

 力加減は間違えていないつもりですが、首が痛かったりとかしてませんか?」


 自分の行動を振り返って、私の頭に置いたままの手に気が付いたらしく、お父さんが慌てて確認してきます。


「ぜんぜんだいじょうぶ。どこもいたくにゃいの」


 撫でられ続けていた理由が分からなかっただけで、絶妙な力加減の撫で撫では、ほんわか幸せを感じられて大好きです。

 なので、にぱっと笑ってお返事します。


 お父さんは冒険者なので、気配には人一倍敏感です。

 そのせいか、毎朝私が起きる前か、私が起きるのと同時に起き出します。

 たまに、私より遅く起きる時は、大抵二度寝(・・・)に移行してる時ですね。

 前に「自宅だから出来る贅沢ですねぇ」とか言ってたので、確実です。


 にしても、寝惚けた所は初めて見ました。

 お父さんは、自己行動の認識と、時間経過の判断が鈍くなるみたいですね。

 私は、言葉が拙くなります。

 あと滑舌が絶不調。

 軽い低血圧なのか、全体的に活性速度が低迷します。


 と、話が逸れました。

 え~と、そうそう。

 リムのお家に行く準備です!


「おかお、ありゃってくる~」


 お父さんに見送られ、お部屋を出ますよ~。

 扉を閉めて、左手に進めば洗面所です。

 洗顔と歯磨きを済ませましょう♪


『珍しい事もあるものだな。ラズヴェルト様が寝惚けるなど、初めて見たぞ』


「しょだね~。おとぉさん、ポヤポヤちてたねぇ」


 ぱしゃぱしゃと水を使いながら、合間に付いてきてくれたレグルスと言葉を交わす。

 さっき見た珍しい光景に、レグルスが溜め息をついた。

 歯磨き、洗顔を終えた私に、レグルスがタオルを渡してくれます。

 元の大きさに戻っている──寝るときは大抵小型化してる──らしく、上の方から差し出されてます。

 素直に受け取って、お顔の水を拭き取る。


 と、お礼はちゃんと言わなきゃですね。


「ぷわっ、タオルありがとぉ、レグルしゅ」


 ゴシゴシ拭いたので、息継ぎ失敗したよ。

 苦しかった…。


 さて、戻って着替えと髪を直しましょう。

 ……あれ?

 私、レグルスに朝の挨拶したっけ?


 ………。

 してませんね。

 挨拶出来ないとか、駄目でしょう!

 挨拶は大事です!

 挨拶は人付き合いの総ての基本です。

 疎かにしてはいけません。


「レグルス、おはようごじゃいます…」


 遅い? 遅いよね!?

 でも、しないままは、それこそ駄目です。

 気まずいですが、ちゃんと挨拶するのです。


『おはよう、ユナ。そう気落ちせずとも良い。

 挨拶する前にラズヴェルト様の寝惚けに巻き込まれたのだ、疎かになっても仕方無かろ』


 レグルスは優しく頬擦りして、私に寄り添ってくれます。

 部屋の扉の前で、再び縮むレグルスを待って、そっと扉を開きます。

 見送ってもらいましたが、お父さんが二度寝に突入してる場合もあるので、ノックは控えます。

 一応、自分の部屋でもあるので、お行儀悪くは無いはず。


『ぁ、お帰り~。ラズヴェルト様、ユナ戻ったよ~』


 扉の蔭から中を覗いたら、アルタイルがお父さんに報告しました。

 どうやら、お父さんも起き出した模様です。

 アルタイルとも挨拶がまだだったので、サクッと挨拶しておきます。

 アルタイルも返してくれました。


 シリウスは? と探していたら、衣装部屋から声がします。


『ユナ、今日の服はどれにしますか?』


 シリウスは常に側に居てくれる家族の中で、唯一の同性(女の子)なので、普段から装いについての相談役と化してます。

 今日も先に選び始めていたみたい。


 さて、お友達のお家訪問には、どんな装いが良いでしょう?

 サクッと決めて、お土産や朝ご飯の準備をしなくては!

 今日も1日、元気に過ごすぞ! おー!

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