約束があるから大丈夫。へなちょこ笑顔でも、ちゃんと言えるよ「また明日」
スミマセン。
めっちゃ、短い。
「フンフ・フ~ン♪ フンフ・フ~ン♪ フフフフ・フ~ン♪」
明日のお出掛けは、お爺ちゃんも一緒に行ける事になりました!
やったぁ~♪
なので、只今絶賛・上機嫌満面笑顔大セール中です!
鼻歌だって出ちゃいます♪
歌に合わせて、クルクル回ったりもしてみましょう♪
ほやほや笑顔でいたら、なんだか皆も笑顔です。
目が合うと、お爺ちゃんはニカッと、お父さんはふんわりと、お兄さんズは苦笑混じりで笑ってくれます。
ヒュー様やルクレヒト様は、ニッコリ笑顔です。
纏まって寝そべってたレグルス達も、なんだか楽しそう。
レグルスの尻尾はゆったりゆらゆら、シリウスの尻尾はリズム良くフサッフサッと揺れてます。
アルタイルなんて、私の鼻歌に合わせて、一緒に歌ってますね。
皆が笑顔だと、胸の奥がほんわか温かくなります。
そのほんわかが、どんどん大きくなってきて、私ももっともぉっと笑顔になっちゃうんです♪
そんなニコニコ笑顔の私に、お父さんが爆弾を落とします。
「さ、帰りますよ」
あうっ!
そうでした。
お家に帰らないとでした…。
明日の朝まで、お爺ちゃんとは一回お別れなんですね。
………寂しい。
「明日になれば、また会えるだろ?」
「今度来る時は、お泊まり前提で来ましょう。ね?」
お父さんの一言に、急速に落ち込んだ私を、お兄さんズが慰めてくれました。
確かに、一時会えなくなるとはいえ、既に次の約束を貰っています。
落ち込んでたら、お爺ちゃんにも心配をかけちゃいますし。
ん。大丈夫。
ちゃんと「さよなら」できますよ。
だって、「また明日」も一緒ですもんね。
「おじぃちゃん…まちゃね? あちた、いっちょにあしょぼうね!」
「ああ。早目にユナ達の家へ向かうな」
「ぁ、それでしたら、朝ご飯も御一緒しませんか?」
寂しいのを我慢して、暇を告げる私に、お爺ちゃんが苦笑しながら約束をくれました。
それを聞いたお父さんが、どうせならとご飯のお誘いまでしています。
「ん? いいのか?」
「ええ。勿論です」
お爺ちゃんの確認に、お父さんが応えるのを見て、嬉しくなってきました。
だって、だって、朝ご飯も一緒に食べるなら、お爺ちゃんとの「さよなら」は、夜寝ている間にずっと短くなるでしょう?
明日も1日、お爺ちゃんとも一緒にいられるんだよね?
なら、ちゃんと我慢しましょう。
お母さんやお姉ちゃん達になかなか会えない分、クラウディアにいる家族とは、出来るだけ一緒にいたいけど。
我儘言って困らせるのは、あんまりしたくないもんね。
お父さんやお兄さんズ、レグルス達は私に我儘を推奨するけれど、あんまり我儘ばかり言ってたら、嫌われちゃいそうな気がするから。
やっぱり我慢は必要だと思う。
誰かが困る我儘は、言いたくないし、言わない方が良いと思うもん。
「では、お暇しましょうか。ベリウス、明日火の鐘の前に、我が家へいらしてくださいね。
皆で朝ご飯を一緒に食べましょう」
「了解した。明日、火の鐘の前だな。場所は───」
お父さんとお爺ちゃんが、明日の確認をしているのを、黙ってみまもります。
『大丈夫だ、ユナ』
『私達が一緒にいますよ』
『大丈夫、大丈~夫♪ 皆一緒だよ~♪』
小さかった姿を元の大きさに戻し、レグルス達がそっと私に寄り添ってくれます。
皆、本当に優しいです。
いつだって、私の事を考えてくれます。
大好きな気持ちを伝える為に、レグルス達に抱きつきます。
「……あぃがとぉ…」
なんとか言葉になった声は、ちょっと小さかったけど、レグルス達にちゃんと届いたみたいです。
三方からスリスリされて、ちょっと擽ったい。
私達が戯れてた間に、お父さん達の確認ご終わったようで、帰宅を促されました。
お爺ちゃんに手を振って、気持ちを切り替えます。
寂しいのは変わらなくても、明日を楽しみに待ちましょう♪
さぁ、早く帰って、お母さんに報告しましょう。
新しい家族が出来たんですから。