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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第9章─お父さんの悪友? エルフのお爺ちゃんは、とっても元気!
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あったかご飯と、明日の予定。一抹の不安は、迷子です…。

 “ラザニア”出来たぞぉ~♪


 と、言うわけで、只今絶賛お食事中です♪


「美味いな!」


 一口食べたお爺ちゃんが、素敵な笑顔で感想をくれました♪


 ぅん~~~っ、これコレ♪

 ラザニア、美味っし~~~いっ♪


「おいちぃ~ねぇ♪」


「美味しいですね」


 私も、お父さんとお爺ちゃんの間で、食べたい物が食べられた満足感に浸っております!


 レグルスやアルタイルも小さくなって、凄い勢いで食べてます。

 珍しいのは、シリウス。

 いつもは落ち着いて食べるシリウスが、今はレグルス達に劣らぬ勢いで食べてます。

 大分気に入ってくれた模様です♪


「兄様! 俺も手伝ったんですよ!」


「フフ。上手に出来てるね。とても美味しいよ」


 ヒュー様とルクレヒト様は、ヒュー様がお手伝いした事を楽しげに話し、ルクレヒト様が笑顔で聞いています。

 仕草は上品なまま、食べる速度は2人とも大分速いです。


 食べる速度は、お兄さんズも負けてませんね。

 エディ兄さんも、クリスお兄ちゃんも、既におかわり済みです。


 みんな笑顔。

 美味しい物は正義! って、本当だよねぇ。



 *~*~*~*~*



 案の定、アルタイルが消化不良で、沈没中です。

 食べ過ぎ、ダメ。絶対。


「さて、少し休んだら、帰りますよ」


 お父さんの宣言に、皆がそれぞれ返事をします。


「むぅ。泊まって行ったらどうだ?」


 お爺ちゃんが不満顔で、お泊まりを提案してきます。

 お泊まり……それも、楽しそう♪

 お泊まりするなら、お爺ちゃんと一緒に寝れるかな?


「いえ、駄目ですよ? 元々、明日ちょっとした予定があるので、ご挨拶だけで、早目にお(いとま)するはずだったのです。

 明日の予定は、ちょっと面倒なので、自宅でゆっくり休むべきですから」


 あ!

 そうでした。

 明日も、みんな揃ってお出掛けなんです。

 行き先がちょっと大変な場所なので、確り準備するって約束してたんでした。

 準備が出来なかったら、お出掛け自体が延期されちゃいます。


「おじぃちゃん。わたち、かえりゅ」


 腹這いで床に寝そべって本を見ていましたが、ガバッと起き上がり、お爺ちゃんに暇を告げます。

 明日のお出掛けは、そもそも私の希望ですから。


「なんだ? どんな予定なんだ?」


「おともらちに、あいにゆくの~♪」


 お爺ちゃんに聞かれて、即座に答えます。


 えへ。

 実は明日、リムの新居に遊びに行くのです!

 だからこそ、今日はリムが一緒じゃなかったんですよ。


 昨日、遊びに行く事が決まった途端、リムは『ユナ達が遊びに来るなら、片付け終わらせてから迎えに来るわ! 1日時間ちょうだいね』と、凄い勢いで颯爽と飛び去りました。


 リム……「ごめんなさい」は、放置ですか?

 エルフのお爺ちゃん達に、謝りに行ってからって話だったはずなのに…。


 リムが飛び去った方角を眺めて、遠い目になったのは仕方無いと思います。


 まぁ、そんなこんなで、明日はリムのお家に突撃する予定なのです!

 場所自体は、ここリシャの森の中なので、然程危険はないです。

 が、ちょっと離れた位置だというのと、ドラゴンの巣穴は中が複雑化しやすい──無作為に増築すららしい──事を踏まえて、何があっても対処出来るよう、万全の態勢で行かないと、“迷子から体力消耗、最期は骨”になっちゃうなんて事も、有り得るんだそう。


 お父さんに「万全に準備出来なきゃ、行っちゃダメ」って言われた時に、この話をされて、ちょっと恐かったです。

 ドラゴンの巣穴は、長く棲んでる場所程、迷路化してるらしくて、普通は侵入しない。

 前に会った悪者さん達は、凄く無謀な人達だったんだと、お父さんが呆れながら教えてくれました。


「友達?」


「うん。ドラゴンしゃん♪」


「ん? もしや、昨日一緒だった、あのちっこいのか?」


「ぁい。リムのおうちに、あしょびにゆくのよ~」


 思い出したら、ちょっと浮かれてますね、私。

 まぁ、仕方無いです。

 初めての“お友達のお家訪問”ですから。

 ヒュー様のお家は、遊びに行ったのとは別ですよね?

 あれは、不可抗力でしたし、ヒュー様達とお友達になれたのは、お家に伺った後でしたし。


「………よし。なら、私も一緒に行く! 邪魔はせんから、良いだろう?」


「はい!?」「う?」


 お父さんの驚きと、私の疑問の声が重なりました。


 え?

 お爺ちゃんも一緒に行くんですか?


「なんだよ。良いだろう? あのドラゴン…リムとは、私も友人になったんだぞ?」


 おお!

 そうでした。

 昨日、リムにも【種族を越えし絆】をあげてましたね。

 自分よりは短くとも、長寿の友達が出来た♪ と、リムが喜んでました。


 種族が違うと、寿命も違います。

 知能ある者の中で、最も長寿がドラゴンで、最も短命が人間ですかね?

 それもあって、他種族交流は同種族交流より難しいとされてるんです。

 と、話が逸れました。


「おじぃちゃんも、いっちょ?」


「おう! 行って良いか? 良いなら、明日の朝にユナの家に行くよ」


「…おとぉさん………メ?」


 お爺ちゃんの提案に頷いて良いか、お父さんを窺います。

 びっくり顔だったお父さんが、私を見て苦笑しました。


「ユナが良いなら、リムも了承しそうですね…。分かりました。

 ベリウス、明日の朝、火の鐘(朝8時)までに我が家に集合です。

 遅れたら、置いて行きますからね?」


 お父さんの宣言に、お爺ちゃんが豪快に笑いながら、確り頷きました。

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