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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第9章─お父さんの悪友? エルフのお爺ちゃんは、とっても元気!
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れっつ・くっきんぐ♪ 重て、焼いて、しまいます。……あと何回?

 ………ラザニア、食べたい。


 のんびりお茶をしていて、ふと思い立ったのは、晩ご飯のメニュー。


 フッ。そうですよ。

 私、食いしん坊ですよ? ソレがナニカ?


 だって、思いついちゃったんだもん!

 食べたいもの作って、何が悪いの~!


 と、いうわけで。

 本日の晩ご飯は、『ラザニア』に決定でっす!


 とはいえ、“勝手知ったる─”と、許可無く調理に取り掛かるのは憚られるので、お爺ちゃんに確認します。


「おじぃちゃん、よるごはん、わたしがつくってもい~い?」


「ん? 構わんが、突然どうした? 自分で作らなくても、ご近所の女将さん連中が、用意してくれるぞ?」


 お爺ちゃんは、結婚どころか、恋愛や色事に付いて回る“アレコレ(人間関係や噂話)”が面倒臭いらしくて、家族は別に暮らす、弟一家だけ。

 お爺ちゃん自身は、気儘な独り暮らし。


 ご飯事情は、お爺ちゃんを子供の頃から知ってる、近所の奥様方が持回りで差し入れをしてくれてるそう。

 人族からすれば、お爺ちゃんと呼ばれて可笑しくない年齢でも、エルフ族にしてみれば、まだまだ“ひよっこ”程度。

 適齢期が終わるのは、ずっと先なので、今は割りと放置されてるんだって。

 ただ、弟さんが既に2児のパパさんなので、たまぁ~にお見合いとか紹介話を貰うこともあるみたい。


 お爺ちゃんが諦め混じりの苦笑を浮かべて、お父さんに話しているのを漏れ聞きました。

 ………。

 聞き耳たててた訳じゃないよ!?

 聞いてたんじゃなくて、聞こえちゃっただけだよ!?


「ん~ん。たべたいのがありゅから、わたちがつくりたいの」


「ふむ。そうか。なら、お願いするかな。

 良い調理場があっても、私は料理をしないから、たまには使ってもらわないと、勿体無いしな」


「ぁい!」


 よっしゃぁぁぁっ!

 やりました! お爺ちゃんの許可ゲットです♪

 さぁ、作るぞ~♪

『ラザニア』上手に出来るかな♪



 *~*~*~*~*



 フフフフ~ン♪

 フフフフ~ン♪

 美味しいラザニア作りましょう~♪


「ユナ? 料理するのか? 手伝える事はあるか?」


 鼻歌混じりに準備をしてたら、後ろから声がしました。

 振り返ったら、サクッと準備を終えてるお父さんの横に、わくわくした様子のヒュー様がいました。


「う? だいじょうぶらよ?」


「そ…そうか…」


 あれ?

 お手伝いしたかったのかな?

 ヒュー様が落ち込んじゃった…。

 ん~、よし!


「ヒューしゃまも、いっしょにつゅくる?」


「っ! 良いのか!?」


 あ。元気になった。


「いぃ~よ~♪ いっちょにつくりょぉ~♪」


 家とは違って、高さ調節が利かないから、ちょっと大変かもだけどね。

 そこは、知恵を絞って要工夫かな?


「ユナ、高さ調節用に、踏み台(魔道具)出しておきますね」


 ………。

 工夫いらなかったかぁ~。

 そうだね。お父さんに踏み台を出して貰えば良かったんだね。

 忘れてた…。


 よし!

 気を取り直して。

 エプロンよ~し。髪型よ~し。手洗いよ~し。

 ん。私の準備は全部オッケー。


 ヒュー様を見れば、お父さんに手伝われつつも、準備ができた模様。


「おとぉしゃん。ラじゃニア、つくりたいの。

 パスタとミートしょースと、ベシャメりゅソース、チーズとパセリ、だちてくだしゃい!」


 準備を終え、手の空いたお父さんに両手を差し出し、食材をリクエストします。

 私の【無限収納】は、家族以外には秘密なので、家の外では使えません。

 なので、お父さんの【無限収納】から出して貰うのです♪


 お父さんと私の【無限収納】は、お家を介して繋がってるので、お互いの許可さえあれば、どっちからでも出し入れ可能なんだよね。

 らっくち~ん♪


「了解。パスタは、ラザニア。ミートソースに、ベシャメルソース、チーズにパセリですね。

 チーズは何を用意しますか?」


「ん~、ゴーダと、モッちゃレりゃと、パりゅメじゃン?」


「ゴーダと、モッツァレラと、パルメザンですね」


 調理台やコンロの上に、お父さんの【無限収納】から、次々と食材が出されます。

 ミートソースや、ベシャメルソースは、既に調理済みで、ホンワカ湯気が立ってます。

 チーズも、それぞれ刻み済み♪


 てか、お父さん。

 私の舌足らずな言葉、よく聞き分けられますね?

 自分でも、「なにそれ?」な言葉遣いなのに…。


 ふと見れば、調理器具も次々に取り出し、準備万端です。

 よし! お料理開始でっす♪


 クツクツ、コトコト。

 パスタを茹でます。

 くっつかない様に、お父さんが時々かき混ぜてくれます。

 その間に、私とヒュー様は、タイミングを計りつつ、耐熱皿の準備です。


 大きめの耐熱皿ですが、家族が多いのと、沢山食べる人──アルタイルとか、アルタイルとか、アルタイルとか!──がいるので、おかわりの可能性を鑑みて、本日作成は10個です!


 多く作る分には問題無いので、ヒュー様と手分けして、耐熱皿にオリーブオイルを塗っていきます。

 よし。これが最後。


 私が作業を終えたと同時に、パスタが茹で上がりました。

 茹で上がったパスタの水気を、お父さんが魔法で軽く飛ばします。

 くっつかない様にオリーブオイルを馴染ませて、お父さんが耐熱皿に1枚ずつ敷いていきます。


 さて。パスタの上にソースを乗せていきますよ♪

 担当は、ミートソースがヒュー様、ベシャメルソースが私です。

 お父さんが、パスタとチーズを受け持ってくれてます。


 パスタ、ミートソース、ベシャメルソース、チーズと順に幾重にも重ねます。

 耐熱皿の3分の2~4分の3ほどまで重ねると丁度良いかな?

 ここで使うチーズは、ゴーダとモッツァレラを混ぜたミックスチーズ。

 ただし、1番最後に乗せて、焦げ目をつけるチーズは、モッツァレラとパルメザンで、サクッとろ~りが理想ですね♪


 うんうん。完璧♪ 素晴らし~い♪


 さて、ちょっと高めに温めておいたオーブンに、耐熱皿をイン。

 焦げ目を目安に、焼き上がりを待ちましょう♪


 焼き上がったら、ジュワジュワのチーズの上に、微塵切りしたパセリを散らして。

 完・成~~~ぃ♪


 さて。次のを焼くので、できたのは【無限収納】に無いない。

 全部焼き上がるまで、我慢ガマン。

 う~、早く食べたい!

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