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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第9章─お父さんの悪友? エルフのお爺ちゃんは、とっても元気!
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楽しい楽しいお薬製作♪ …あれ? 何か忘れてる?

 さて。

 お薬作るぞぉ~♪


 お爺ちゃんと一緒に、製薬開始です。

 本来、3歳児なぞ、製薬室への入室は、かたく禁止されてます。

 まぁ、小さな子供の内は、危険地帯には近付かせないのは、当たり前ですよね。


 でも!

 私は、お姉ちゃんと一緒に、既に製薬経験があるので、特例として認められました! てへへ。

 お爺ちゃんは、曾孫に甘いです。

 勿論、入室前には、確り厳守すべき注意事項を、ひとつひとつ約束させられました。


 火や刃物の使用は、お爺ちゃんに任せること。

 調薬の際には、マスクを必ず着用すること。

 物によっては、毒素の強い物も多くあるので、用意された物以外には、触らないこと。

 製薬に携わる前と後は、必ず手を清めること。

 誤って毒素に触れた場合は、速やかに申し出ること。など。


 様々な約束事があったけれど、どれもお姉ちゃんと製薬する時と同じ事だったので、きちんとお返事しましたよ。


 ではでは。

 お爺ちゃんが準備を整えてくれたので、れっつお薬作りでっす!



 *~*~*~*~*



 大地に咲く青い釣鐘草に似た【湖月草】の種と、樹に咲くツツジに似た【霧陰幻花】の種。

 各々を擂り潰し、乾燥させた黄緑色の粉末を前に、お爺ちゃんが真剣に計量してます。


「ふむ。で、これに花粉を混ぜる……と………」


 黄緑の粉に、湖月草の白い花粉と、霧陰幻花の桃色の花粉が加わり、オレンジ色っぽくなりました。


「おじぃちゃん、じゅえき(・・・)もわすれちゃ“メッ”よ?」


 これに、霧陰幻花の樹液も加えます。


「オオッ! そうだったな! む? 色が変わったか?」


 すると…。

 あら、不思議。

 色が、オレンジ色から綺麗な青色へと変わります♪


 樹液は、多少とろみ(・・・)がついているのですが、粉を混ぜて良く練るごとにとろみ(・・・)を増し、色も鮮やかになり、透明感が出てきます。


 最終的な完成品は、鮮やかな空色のべっこう飴の欠片みたいになります。

 一度に作れる量としては、子供の小指の先ほどの大きさの粒が、20粒くらい。

 ただし、食べられません。


 使い方は、小鉢に置いて、火を着けて燃やします。

 燃やした時に出る煙が、気付け薬となるので、小鉢ごと患者さんに近付けます。

 これ、結構凄い匂いがするので、使用する時はマスクが必須だったりします。


「できたぁ~♪」


「ほほう。成る程。こうなるんだな」


「もやしてちゅかうのよ。けむりが、おくしゅりなんだって。しゅっっっごく、ツーンてするの」


 鼻に突き抜ける、痛いほどの臭気を思い出して、お鼻を押さえます。

 効果の程を知りたくて、お姉ちゃんの制止を振り切って、試した事があるんです。


 やぁ、あの時は、暫く鼻が利かなくなって、大変困りましたよ。

 涙も止まらなくて、レグルスやシリウス、お父さんには心配されるし、アルタイルやお兄さんズには、原因説明後に爆笑されるしで、本当に大変でした。


 私の仕草を見て、お爺ちゃんが何かを悟ったらしく、苦笑しながら頭を撫でてくれます。


「ユナ、試したのか?」


「ぁい。おはながダメになって、なみだがポロポロでまちた…」


「そうか……まぁ、試してみない事には、効果の程は分からんしなぁ」


「………おじぃちゃんも、ためしゅ?」


「………いや、止めておこう。───後で、若いのに試して貰うか…」


「う?」


 お爺ちゃんが、私の提案を渋いお顔で却下しながら、小さく何かを呟きました。

 なんて言ったのかな?


 誤魔化すように頭を撫でられ、出来上がった気付け薬は、お爺ちゃんが丁寧に片付けます。

 私はお姉ちゃんと作ったやつを持っているので、今回のは全部お爺ちゃんに渡しました。

 手順や分量に間違いは無かったので、これで製薬は終了ですね。


 ちょっと疲れました。

 おやつでも食べようかなぁ…。



 *~*~*~*~*



 おやつでも食べようか………なんて考えてましたが、私(お爺ちゃんも)お昼ご飯を食べ逃してました!


 いやぁ、ご飯前にお昼寝に突入しちゃったせいか、綺麗にスコンっと頭から抜けてて、お爺ちゃんはお爺ちゃんで、新たな薬学知識(興味あること)に釣られて、そっちを優先。

 お互いに、今の今まで完全に忘れてました。


 お父さん達は、私達が採取に行ってる間に、村の女将さん達から差し入れを貰ったので、きちんと食べていたそうです。

 レグルス達が一緒だったから、お弁当でも持っていったのかと思ってたらしく、注意もされませんでした。


 レグルス達は、言い出そうとはしていたらしいのですが、採取先では自分達が失敗した事で落ち込み、帰ってきたら私達の製薬に対する集中力が酷すぎ、言い出し切れなかったそうです。


 ………。

 えへ。失敗、失敗。

 まぁ、お昼寝前に大量におやつを食べてたので、一食抜けても大丈夫ですかね。

 空腹感も、一食忘れた割りに、そこまで酷くはないですし。


 午後のおやつの時間を少し過ぎてるので、簡単おやつを食べて誤魔化しましょう♪

 晩ご飯までは持つはずです。

 リュックにあるのは、ドライフルーツと焼き菓子ですね。

 どっちにしましょうか?

 両方食べても良いかしら?


 とりあえず、お爺ちゃんやレグルス達と、まったりお茶でもしましょうか♪

 晩ご飯には、何を作ろうかなぁ。

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