お爺ちゃんとお勉強。薬草採取にれっつごぉ♪
スミマセン。
ちょっと短めです。
お兄さんズの稽古の声を遠くに聞きながら、お爺ちゃんとお勉強です。
「───で、この青い花は、葉は傷薬に、茎は痛み止めに、根っ子は虫下しになる。ああ、あと、花びらは染料になったか…」
「? たねとかふんは? つかわない?」
「? 種と花粉? それらには、薬効は無いはずだぞ?」
「そのままだとにゃいねぇ。けど、きにしゃくあおいおはなと、いっしょにつかうと、きつけくすり? になりゅんだって」
「!? 本当か!?」
「ぁい。ねぇねが、おちえてくれました」
「それは知らんかった! どれ、ちょっと採取に行こうか♪
使い方を教えておくれ♪」
お爺ちゃんが楽しげに、私を抱いたまま立ち上がります。
「と、ルゥ、お主等も行くか?」
「ヒューがまだ寝ていますし、ご迷惑でなければ、留守番しています」
お爺ちゃんの問い掛けに、ルクレヒト様が静かに首を振り、にこりと笑った。
「フム。ラズ達も稽古中だし……よし! ユナ、私と2人で行くか♪」
「おじぃちゃん……レグりゅスたちも、いくって」
お爺ちゃんが立ち上がったのと同時に、身体を起こしていたレグルスとシリウスが、お爺ちゃんに抗議するかの様に、床をテシテシ踏み均してます。
アルタイルは、ちゃっかり私の頭に止まりに来てるし……。
「お。そうか。なら、守護獣達と私とユナで行くか♪ 採取場所は、直ぐ近くだから、そう時間もかからんし」
「ぁい!」
お爺ちゃんと薬草採取です!
楽しみ~♪
*~*~*~*~*
さて、やって来ました採取場所!
レグルスの背中に乗せてもらってたので、移動時間は大分短縮されたと思います。
ぁ、勿論、お父さんからは、ちゃんと許可をもらって出てきましたよ?
じゃないと、また大騒ぎになっちゃいますし。
ところで………これはちょっと壮観です♪
青い花の咲く樹が、そこかしこに。
たぶん、上から見たら、森の一部が青く染まって見えるんじゃないかな。
わりと背の高い樹ですし…。
葉は控え目な薄黄緑なので、花の色の鮮やかさが目立ちますし…。
花の咲き方は、前の世界のつつじの木に似てます。
樹の背丈はこっちの方が大分高いですけどね。
「どれ、採取するか」
お爺ちゃんの言葉に、レグルス達が動きます。
何をするのかと思えば、レグルスとシリウスは樹に前肢を掛け、グラグラと樹を揺すり始めます。
アルタイルは直接咲いた花を落としに、枝へと飛んだみたい。
3人のお陰で、花がハラハラと落ちてきます。
うわぁ………大量ゲットですね…。
って、止めないと!
「にゃあぁぁぁ、すとっぷ! すとっぷ~!」
『『『ん?』』』
足下に出来た青い花の絨毯に、意識が引っ張られ呆けてましたが、過剰採取は不味いです!
採取するのは、必要な分だけ。
それ以上採取する時は、余剰分として少量だけと、フォルお姉ちゃんに言われています。
これ以上は、怒られちゃう!
「おお。大分取れたな」
「………ねぇね、おこらにゃい?」
不安にかられ、レグルス達を見詰めたら………そっと目を逸らされました。
にゃっ!?
怒られる!? 怒られちゃうの?
『すまん。やり過ぎた…』
『『ごめんなさい』』
レグルスが申し訳なさそうにしながらも、視線を合わせずポツリと呟いた。
シリウスとアルタイルも素直に謝ってきます。
あぁ、うん。
一緒に怒られようか。
うん。止めるのが遅かった私も同罪ですし。
とりあえず、今は先にこの樹に謝っておきましょう。
「いっぱいもらって、ごめんにゃしゃい。だいじにつかわしぇてもらいます。ありがとぉ」
レグルス達が揺らしていた樹に触れ、目を閉じて語り掛けます。
フォルお姉ちゃん直伝の採取方法です。
魔力を通して植物と意思疎通をする事で、薬効が高いまま採取出来たり、採取時期をずらす事が出来たりします。
今回はレグルス達に遅れをとりましたが、普段はちゃんと出来てますよ?
お願いしてから採取する方が、断然手に入れ易いんですもん。
魔力を通して、樹から許しの波動を感じます。
樹木はいつも優しいです。
怒りの波動を感じる事は、殆んどありません。
まぁ、たまに冒険者や旅人さんが森を荒らした時は、感じたりもしますが、基本彼等はおおらかで優しい波動で満ちてます。
だからこそ、過剰採取はしたくないんですよね。
「よし。じゃあ、戻るか」
「ぁい。つぎは、せいやくでしゅね♪」
お爺ちゃんに促されて、元気良く応えます。
さぁ、お爺ちゃんの家に帰って、製薬の準備をしましょうか♪