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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第9章─お父さんの悪友? エルフのお爺ちゃんは、とっても元気!
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お爺ちゃんとお勉強。薬草採取にれっつごぉ♪

スミマセン。

ちょっと短めです。

 お兄さんズの稽古の声を遠くに聞きながら、お爺ちゃんとお勉強です。


「───で、この青い花は、葉は傷薬に、茎は痛み止めに、根っ子は虫下しになる。ああ、あと、花びらは染料になったか…」


「? たね(・・)かふん(・・・)は? つかわない?」


「? 種と花粉? それらには、薬効は無いはずだぞ?」


「そのままだとにゃいねぇ。けど、()にしゃくあおいおはな(・・・)と、いっしょにつかうと、きつけくすり? になりゅんだって」


「!? 本当か!?」


「ぁい。ねぇねが、おちえてくれました」


「それは知らんかった! どれ、ちょっと採取に行こうか♪

 使い方を教えておくれ♪」


 お爺ちゃんが楽しげに、私を抱いたまま立ち上がります。


「と、ルゥ、お主等も行くか?」


「ヒューがまだ寝ていますし、ご迷惑でなければ、留守番しています」


 お爺ちゃんの問い掛けに、ルクレヒト様が静かに首を振り、にこりと笑った。


「フム。ラズ達も稽古中だし……よし! ユナ、私と2人で行くか♪」


「おじぃちゃん……レグりゅスたちも、いくって」


 お爺ちゃんが立ち上がったのと同時に、身体を起こしていたレグルスとシリウスが、お爺ちゃんに抗議するかの様に、床をテシテシ踏み均してます。

 アルタイルは、ちゃっかり私の頭に止まりに来てるし……。


「お。そうか。なら、守護獣達と私とユナで行くか♪ 採取場所は、直ぐ近くだから、そう時間もかからんし」


「ぁい!」


 お爺ちゃんと薬草採取です!

 楽しみ~♪



 *~*~*~*~*



 さて、やって来ました採取場所!

 レグルスの背中に乗せてもらってたので、移動時間は大分短縮されたと思います。

 ぁ、勿論、お父さんからは、ちゃんと許可をもらって出てきましたよ?

 じゃないと、また大騒ぎになっちゃいますし。


 ところで………これはちょっと壮観です♪

 青い花の咲く樹が、そこかしこに。


 たぶん、上から見たら、森の一部が青く染まって見えるんじゃないかな。

 わりと背の高い樹ですし…。

 葉は控え目な薄黄緑なので、花の色の鮮やかさが目立ちますし…。


 花の咲き方は、前の世界のつつじの木に似てます。

 樹の背丈はこっちの方が大分高いですけどね。


「どれ、採取するか」


 お爺ちゃんの言葉に、レグルス達が動きます。

 何をするのかと思えば、レグルスとシリウスは樹に前肢を掛け、グラグラと樹を揺すり始めます。

 アルタイルは直接咲いた花を落としに、枝へと飛んだみたい。

 3人のお陰で、花がハラハラと落ちてきます。


 うわぁ………大量ゲットですね…。

 って、止めないと!


「にゃあぁぁぁ、すとっぷ! すとっぷ~!」


『『『ん?』』』


 足下に出来た青い花の絨毯に、意識が引っ張られ呆けてましたが、過剰採取は不味いです!

 採取するのは、必要な分だけ。

 それ以上採取する時は、余剰分として少量だけと、フォルお姉ちゃんに言われています。

 これ以上は、怒られちゃう!


「おお。大分取れたな」


「………ねぇね、おこらにゃい?」


 不安にかられ、レグルス達を見詰めたら………そっと目を逸らされました。


 にゃっ!?

 怒られる!? 怒られちゃうの?


『すまん。やり過ぎた…』


『『ごめんなさい』』


 レグルスが申し訳なさそうにしながらも、視線を合わせずポツリと呟いた。

 シリウスとアルタイルも素直に謝ってきます。


 あぁ、うん。

 一緒に怒られようか。

 うん。止めるのが遅かった私も同罪ですし。

 とりあえず、今は先にこの樹に謝っておきましょう。


「いっぱいもらって、ごめんにゃしゃい。だいじにつかわしぇてもらいます。ありがとぉ」


 レグルス達が揺らしていた樹に触れ、目を閉じて語り掛けます。


 フォルお姉ちゃん直伝の採取方法です。

 魔力を通して植物と意思疎通をする事で、薬効が高いまま採取出来たり、採取時期をずらす事が出来たりします。

 今回はレグルス達に遅れをとりましたが、普段はちゃんと出来てますよ?

 お願いしてから採取する方が、断然手に入れ易いんですもん。


 魔力を通して、樹から許しの波動を感じます。

 樹木はいつも優しいです。

 怒りの波動を感じる事は、殆んどありません。

 まぁ、たまに冒険者や旅人さんが森を荒らした時は、感じたりもしますが、基本彼等(樹木)はおおらかで優しい波動で満ちてます。

 だからこそ、過剰採取はしたくないんですよね。


「よし。じゃあ、戻るか」


「ぁい。つぎは、せいやくでしゅね♪」


 お爺ちゃんに促されて、元気良く応えます。

 さぁ、お爺ちゃんの家に帰って、製薬の準備をしましょうか♪

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