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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第9章─お父さんの悪友? エルフのお爺ちゃんは、とっても元気!
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収穫したなら、美味しくいただきましょう♪

「たらいまぁ~♪ おじぃちゃ、みてみて!」


「ただいま戻りました~」


 両手いっぱいに様々な果物を抱えて、お爺ちゃんの家へと戻って来ました。

 お手伝いの報酬だと、お兄さんお姉さん、おじ様やおば様が、次々に与えてくださった収穫のおこぼれです。


 色々な果物を、次から次へと休眠液に浸けるのは、思いの外大変でしたが、ヒュー様と2人であっちへテケテケ、こっちへテケテケと走り回り、最後にはレグルス達まで巻き込んで、確りお手伝いしましたよ♪

 えへへ。


 エルフの皆さんは、警戒心は強くとも、一度懐に抱えた相手にはとっても寛容でした。

 余所者の筈の私達まで、郷の子供たちと同様に扱ってくれてました。

 郷の大人みんなで、子供全てを育ててる感じです。


 パレロトさんの説明によると、教育方針は郷全体で統一されてて、『協調性と独立心の両立』。

 だから、お手伝いには必ず報酬があるし、失敗してもお小言だけで、おおらかに再挑戦を促されます。

 叱られる事はあっても、怒鳴られる事はなくて、子供たちはのびのびと成長してます。


 ぁ、でも。

 大人になれば、割りと厳しめなのかも。

 規律違反に対しては、手酷い罰則があるらしいから。

 そこら辺(罰則内容)は、パレロトさんに聞いても、教えてもらえませんでしたね。

 なんでも、成人後最初の一回でガツンと教えて、頭と身体に叩き込むには、前知識は邪魔になるから、子供には教えない様に、箝口令が敷かれてるらしいです。


 ………。

 それって、『洗脳』じゃないのかな?

 違うかな???


 話を聞いた時に、チラッと過った疑問は口にせず、えへらっと笑って誤魔化しました。

 ん~………うん。

 ワタシハ、ナンニモ、キイテナイ。


 取り敢えず、今優先すべきは、収穫した果物です!

 折角貰った報酬なのです。

 お爺ちゃんやお父さん、お兄ちゃん達と一緒に、美味しくいただきましょう♪

 よ~し、食べるぞぉ~。



 *~*~*~*~*



 普通にカットするだけでも、新鮮果物は贅沢デザート。

 でもでも、上手に加工できれば、更に美味しく食べられるよね♪


 と、いうわけで。

 れっつ、クッキ~ング♪


【姫様林檎】は、焼きリンゴに。

賭事(ギャンブル)無花果(いちじく)】は、タルトに。

【噴出バナナ】と【(しずく)パイン】は、ドライチップに。


 ん~、【宝石苺】は、何にしよう?


『ユナ~♪ 僕、クレープ食べたい♪』


 苺をじっと見ていたら、私の頭にとまったアルタイルから、リクエストがありました。


 そか。クレープね。

 前にも皆で食べたっけ。

 これだけ新鮮果物が揃ってるわけだし、前に食べたの以外も作れるし。

 うん。アリかも♪


『クレープなら、チョコレートもいるな!』


『私は、生クリームのが好きですね』


『僕は、カスタードが好き~♪』


 うんうん。良いね♪


 レグルスとシリウスからも、リクエストをゲット!

 果物を沢山消費するには、クレープは良いかも♪

 他のお菓子の焼き上がりを待つ間に、クレープ生地を焼きましょう。


 取り敢えず、まずは焼き菓子優先で。

 下拵えを済ませたら、それぞれ成形して、オーブンに。


 お爺ちゃんのお家のキッチンは、割りと大型調理器具(魔道具)が揃ってたので、使い易い。


 流石に我が家のキッチン性能が飛び抜けて(おかしいくらい)高いのは理解してます。

 あれは、お母さんとお父さんによる家族愛の賜物だと、大変感謝してます。

 が。

 あの便利さを、他のお家に求めては駄目だと思うの。


 まぁ、それはそれとして。

 お兄ちゃん達やお父さんも一緒にお菓子作りに参加してくれてるので、サクサク調理が進みますね。


 オーブンをスタートさせたので、サクッとクレープ生地を焼きましょう!

 生地は以前作ったのが、大量にストックされてます。

 なので、焼くだけです!


 ………。

【無限収納】があるとはいえ、あんなに大量に作ったのは、何故でしょう?

 いや、気が付いたら、なんか凄い事になってたのですよね…。

 直ぐにでも、クレープ屋さんが開業出来そうなくらいですもん。


 考えてても、進みませんね。

 焼くだけ焼きましょう!

 皆、沢山食べますし!


「はいはい。コレは僕がやるよ。ユナは、火傷しない様にクリームの準備をお願いね?」


 フライパンとフライ返しを手に、エイヤッと気合いを入れてたら、クリスお兄ちゃんに取られた…。


 勝手が違うとはいえ、大丈夫なのに……心配性め。


「あ、ユナ待って! クリームなら【無限収納】に大量にあるから、作らなくて良いですよ」


 なら、素直にクリームを準備しようと思ったら、お父さんに止められました。


「ん。ユナは、これ千切ってくれ」


 ちょこっといじけてオーブンの様子を見ていたら、エディ兄さんから【夕焼けレタス】を手渡されました。


 ………レタス?

 何故にレタス?


「甘いのばっかじゃ飽きるだろ? クレープ作るなら、サラダ系や肉系も作るぞ」


 成る程! 了解です!


 不思議がってた私の頭を撫でて、エディ兄さんが率先して具材を準備してます。

 お手伝いしなくては!


 あれ?

 私、いつの間にかお手伝い要員ですね。

 まぁ、いいか。

 お姉ちゃん達とお料理する時も、こんな感じに入れ代わってる事があるから、深くは考えません。


 だって、メインでも助手でも、一緒にキッチンに立てるのは、嬉しいですからね♪

料理回にしようと思ったのに、調理風景回になりました。

自宅じゃないので、お兄さんズが過保護。

元々過保護傾向にあるお姉ちゃん達は、自宅でもサラッと主導権を奪取してたり…。


ヒュー様とルクレヒト様は、お爺ちゃんに捕まってます。

まぁ、彼等は調理場には、あまり近付けません。

以前は、興味津々で手伝ってましたが、一応、貴族様ですから(笑)

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