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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第8章─我が家の日常。一般常識と各家庭の常識って、ズレてたりするよね? 我が家が可笑しい訳じゃないと思います!
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ごめんなさいと、簡単お茶会。仲良くなるには、お茶だよね?

本日深夜に、穴埋め投稿予定です。

「むぅ、無意識だったとは言え、結界を破ってしまったのは、我の罪。謝罪する。すまなんだなぁ、森の民よ」


 申し訳なさそうに、真摯に頭を下げるリムに、エルフのおじさん達は、驚いてわたわたしてます。


「な、ド、ドラゴン殿!?」


「あわわわわっ!? あた、頭を上げてくださいっ!」


「わ、我々とて、威嚇とは言え、矢を射かけたのです!」


「そ、そうです! こちらにも非はあります!」


「こ、子供達! き、君達からも、ドラゴン殿に頭を上げる様に言ってくれ!」


 様々な緑色の髪のおじさん達が、揃って慌てる様子に、私とヒュー様は唖然。

 そう言えば、ドラゴンって、稀少で尊い存在として、一部で崇められてたりするんでしたね。

 忘れてました…。


 ………。

 だって、リムはリムであって、ドラゴンである前に、私達にはリム(友達)なんだもん。

 忘れてても仕方無いよね? ね!?


 誰にともなく、心の中で言い訳をします。

 おっと、それより、この状況を打開しましょう。


「リム、みんなでごめんなさいちて、おわりにちよ?

 どっちも、ずっと、ごめんにゃしゃいちてたら、ほかのおはなちできにゃいよ?」


 ふにぃ~。

 まだ、噛み噛みだ…。

 早く直んないかなぁ。


「だな。おじさん達も、それで良いか? 最後にお互いに謝罪して、それで終わり。

 それ以上とやかく言ったら、鉄拳制裁(肉体言語)による強制沈黙って事で。どうだ?」


 ヒュー様が私の意を汲んで、エルフのおじさん達を説得してくれます。

 ………。

 後半微妙に怖い台詞があった気もしますが、取り敢えずお互い納得した模様。


「じゃ、せぇ~のっ!「ごめんなさい!」」


「「「「「「すまな〈ん〉かった!」」」」」」


 私とヒュー様の「ごめんなさい」と、リムとおじさん達の「すまなかった」が重なって、思いの外大きな声になりました。

 皆で顔を合わせて、ふと笑いだした誰かにつられて、笑い声に包まれた和やかな空気が拡がります。

 これで、まずはなんとか仲直りですね♪



 *~*~*~*~*



 で。

 お互い落ち着いてお話しするために、私はお茶を飲む事を提案しました。

 さぁ、簡単ですが、お茶の準備をしましょう♪

【無限収納】は、ヒュー様だけでなく、リムにも教えていないので、お父さんの許可無く使えません。

 なので、魔導鞄(マジックバッグ)であるリュックに入れてあるもので済ませます。


 え~と、先ずは飲み物。

 お菓子と……ぁ、お手拭きが欲しいので、小さめタオルも出しましょう♪

 お菓子は、焼き菓子だけで良いかな?

 ドライフルーツもいる?


「ユナ!」


 ちょっと迷いながら、ドライフルーツの瓶を取り出して見ていたら、背後に移動していたらしいヒュー様が私を呼んだ。

 振り向くと、地面から顔をだした大樹の根の一部に、自分の上着を被せたヒュー様が、手招きしてました。

 上着の被せられた場所の直ぐ横に、リムが座ってます。


「ユナ、ここに座れ。直に座ると、服が汚れる。折角、可愛い格好なんだ、汚すな」


「…でも、ヒューしゃまのおようふくが…」


「いいんだ。ハンカチは、リムに貸してしまったしな。既に被せてあるんだ、遠慮せずに使うと良い」


 ふわあぁぁぁ。

 ヒュー様、行動が素敵紳士です!

 近付いて、リムの方を見てみれば、リムのお尻の下に、ハンカチらしき布があるのが分かります。

 やっぱり、ちょっと気が引けますが、折角の心配りです。

 そっとヒュー様の上着の上に座ります。


「ヒューしゃま、ありがとぉ」


「~~~っ。べ、別に大した事はしていない。ま、まぁ、感謝は受けておく」


 嬉しさを隠さずに、満面の笑顔で御礼を伝えたら、隣に座ったヒュー様が、そっぽを向いて、頬を掻きながら、ボソッと呟きます。


 えへへ。

 ちゃんと聞こえましたよ♪

 ヒュー様お耳の縁が真っ赤です。

 照れてますね♪

 格好良い行動なんですから、照れなくても良いのに。


「ユナ? それは、なんじゃ?」


 ヒュー様の行動にニコニコしてたら、逆隣に座ったリムが、私の持ったままの瓶を指し示し、不思議そうに小首を傾げました。


「ん? ほちくだものの、しゃとうづゅけ? たべゆ?」


 一瞬、聞かれた理由が分からず、返答が疑問形になっちゃった。

 瓶の中身なら、干し果物の砂糖漬けですし、瓶自体ならば魔道具ですよ?


「「食べる!」」


 リムだけでなく、ヒュー様までが、勢い込んで返事をします。

 両隣から主張されて、ちょっとびっくりしました。

 そんなに勢い込まなくても、欲しいなら、ちゃんとあげますよ?

 美味しいモノは、皆で食べてこそ、より美味しく感じますもんね♪


「おじしゃまたちも、どぉじょ」


 ドライフルーツの瓶をリムと私の間に、焼き菓子の籠をヒュー様と私の間に置いて、おじ様達にも薦めつつ、飲み物を用意します。


 と、その前に。

 おじ様達は、座らないのかな?

 座るなら、ちょっと距離が離れるので、ドライフルーツや焼き菓子を、新しく出さなきゃ。


「いや。飲み物だけで十分だ。ありがとう」


 リーダーらしきおじ様が、苦笑混じりに微笑んで、返事をしてくれました。

 おじ様達を見ると、座らずに、各々が近くの大樹の根に身体を預けてます。


 コップ代わりになる水筒の蓋は、藍色・茜色を合わせても5つ。

 数が足りなかったけど、おじ様達に茜色3つを渡し、私達で藍色2つを使う事になりました。


 おじ様達は、珈琲も紅茶も飲み慣れているらしいので、希望を聞いたら、リーダーさんを初め3人が珈琲派、2人が紅茶派でした。

 なので、珈琲を2つと紅茶を1つ渡します。


 私達の方は、リムが紅茶派、ヒュー様が珈琲派でした。

 ただし、珈琲には牛乳が必須。

 私もですが、ヒュー様も珈琲の苦味はダメなんだって。

 珈琲に牛乳を足してたら、リムも牛乳の追加を希望。

 なので、リムはミルクティー、ヒュー様はカフェオレになりました。

 お菓子やドライフルーツが甘いので、お砂糖は入れてません。

 私は、リムと一緒にミルクティーを飲みましょう♪


 リーダーさんとヒュー様は1人で、他の人達は2人で1つのコップを使う形です。


美味(うま)いのぉ。干し果物は食べた事があるが、砂糖漬けは別格じゃの♪」


「…リム…。砂糖漬けは、かなり稀少で、菓子としては大分高価な部類だぞ?

 それを…ポンポン気軽に口に入れるなよ…」


「? 我にとっては、果物は果物じゃ。何を躊躇う?」


「………ドラゴンに人族の常識を説くだけ無駄か?」


 私を挟んで、リムとヒュー様がドライフルーツについて問答を始めれば、エルフのおじ様達もなにやら驚きの表情で固まってます。


「!? 美味いな。これ、大分等級の高い豆じゃないか?」


「………紅茶もです。多分最上級の茶葉ですね」


「あの嬢ちゃん達、何者だ?

 ドラゴンに友人と呼ばれるだけでも珍しいが、人族の中でも高貴な部類か?」


「それにしては、高慢さの欠片も無いが…」


「ですね。あの子達と比べたら、俺等の方が傲慢だったかも…」


 ? はて?

 おじ様達は、小声で何か相談中かな?

 難しいお顔をしてますよ?


 お~い、お茶のお代わりは、如何ですか?

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