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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第8章─我が家の日常。一般常識と各家庭の常識って、ズレてたりするよね? 我が家が可笑しい訳じゃないと思います!
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鬼ごっこしましょ♪ 範囲が広いと大変です。

すみません。短いです。

 さて、鬼ごっこです♪


「だれがおに? わたちやる?」


『はぁ~い! はい! はい! はい! 僕、鬼役やるよ~♪』


「………アりゅタイゆ……」


 鬼役を決めようとしたら、アルタイルが意気揚々と立候補しました。

 お目めが爛々と輝いてます。

 視線の先には、お兄さんズとルクレヒト様…。

 目的が分かりやすいね! 駄目です! 却下です!


「どうした?」


 胡乱な目付きでアルタイルを見つめる私を、エディ兄さんが不思議そうに覗き込みます。

 お兄さんズは【念話】のスキルを持ってないので、アルタイルの声が聞こえてないんですよね。


「アルタイりゅが、おにしゅるって…」


 私の言葉に、お兄さんズとルクレヒト様が、アルタイルを凝視します。


『任せて~♪ みんな捕まえちゃうよ~』


「「「………」」」


 バサリと翼を拡げ、胸を張るアルタイルに、お兄さんズもルクレヒト様もそっと視線を逸らしました。


 ああ、やっぱり。

 分かりますよねぇ、アルタイルの目的。

 さっきまで、あんなにクリスお兄ちゃんを獲物(おもちゃ)認定してましたもん。


 狙いは、お兄さんズとルクレヒト様。


 確実に遊ばれる未来しか見えない。

 ………。

 アルタイル()楽しそうだね。


「アりゅタイルが、おにでいい?」


「「「却下で!」」」


 あはははは。

 やっぱり駄目ですよねぇ。


 小首を傾げて皆に確認すれば、お兄さんズとルクレヒト様に、速攻でダメ出しされました。


 それはそうですよねぇ。

 誰だって、リアル鬼ごっこは辞退すると思います。

 いや、何か理由があったり、得るものがあるなら別かも知れませんが…。

 ただの遊びで、全力逃走とか………それ、なんの試練? ですもんね。


「駄目だぞ? アルタイルが鬼役だと、直ぐに決着が着いてつまらん。

 小さい姿になってですら、アルタイルが有利だろう」


 ヒュー様が正論を以て、アルタイルを諫めました。

 そうですね。

 私達がシャボン玉で浮いているとは言え、あくまで“浮いている”のであって、“飛べる”訳ではありませんから。

 速度(スピード)的には、私達が不利です。


 ───ベシャ!

『ぐえっ』


 ………。

 ! アルタイル!?


『ユナ、コレ(・・)は気にするな』


『ええ。コレ(・・)は気にしなくて良いですよ』


 どうしようかと悩んでいたら、アルタイルが潰されました。


 いや、だから、レグルス?

 ぐりぐりは駄目ですって!

 しかも、『コレ』って…。

 アルタイルの事ですよね!?

 !? シリウスまで『コレ』って言った!?


「メッ! レグルしゅ! おさえりゅのはいいけど、ぐりぐりはメッ!」


 あ~、アルタイル、大丈夫ですか?

 毎度叩き落とされたり、潰されたり…。

 本当に大丈夫?

 ぁ、復活した。


 ………。

 楽しそうだから良いのかな?

 怪我とか一切無いみたいだし。

 契約獣って、アルタイルに限らず、みんな丈夫だなぁ。

 さっきの『ぐりぐり』で土に()り込んでたのに、もう復活してますねぇ。


 ぁ、アルタイルの押し型…。

 お水容れて固めたら、アルタイル型氷が出来るかな?


「…え~と、取り敢えず、鬼ごっこ始めるか? 最初の鬼役は、俺がやるから、散った散った!

 俺の視界から全員が消えたら、鬼ごっこ開始な!」


 エディ兄さんの決定で、ぐだぐだながらも、漸く鬼ごっこの開始です。

 気持ちを切り換えていきましょう!


 うふふふふ。

 捕まりませんよ~♪

 逃げ切ってみせますとも!


 範囲はリシャの森の湖周辺。

 広くて、いまだに全部を把握出来ていませんが、鬼ごっこの鬼役からは、全力で逃げると宣言しましょう!

 絶ぇ~っ対、捕まらないもんね~♪


「み~つ~け~た~ぞ~♪ 待て──」


 近くでエディ兄さんの声がしますが、追っているのは別の人ですね。

 私の方には来てません。

 見つかる前に逃げましょう♪


 契約獣達も、それぞれ別の人と一緒です。

 アルタイルはエディ兄さんの側で、鬼役のお手伝い。

 シリウスはヒュー様の護衛兼補佐。

 レグルスは私と一緒にいてくれます。


 全力鬼ごっこは、ちょこっと恐くて、ちょこっと不安だけど、とってもとっても楽しいです!



 *~*~*~*~*



「…どこだ、ここ……」


「…どこだろねぇ…」


 ………。

 お母さん、ごめんなさい。

 私達子供組(・・・)は、只今絶賛─────迷子です。

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