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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第8章─我が家の日常。一般常識と各家庭の常識って、ズレてたりするよね? 我が家が可笑しい訳じゃないと思います!
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遊びは遊びでも、これって普通? 気分転換は楽しいぞ♪

「ぅにゃ~♪ にゃはははははは♪」


「うわっ!? ─っ、ははっあはははははは!」


「あっはっはっはっ! なんじゃこれは♪ 面白いの」


「ええっ!? ─っわ! アハハ、何これ!」


「お~、ルゥ、バランス取れ! バランス!」


「ちょっ!? アルタイル!? はやい、ハヤイ、速い~ぃ!」


 あちこちで、笑い声や悲鳴が上がります。

 まぁ、悲鳴と言っても、驚愕の色が濃いんですが…。


 ぃやぁ、あまりにも気持ちが落ち込むので、只今全力(・・)でレグルス達に遊んでもらってます!

 はい。

 猫みたいな可笑しな悲鳴と笑い声を提供しているのは、私です。

 ………。

 …恥ずかしい!

 が、力の抜けた状態だと、笑い声さえ可笑しなモノになるのは、仕方無いよね? ね!?


 みんなでまったりしていた食後休憩の後。

 アルタイルとエディ兄さんのお腹が落ち着いたのを見計らい、お父さんの「今日の家事(おしごと)が終わっているなら、遊んでおいで」という鶴の一声がありました。

 なので、ヒュー様とルクレヒト様、お兄さんズを誘って、湖近くまで出てきましたよ。


 ピクニックにしようかとも思ったのですが、またもや食べ過ぎ・作り過ぎになると残念な感じなので、気分転換とカロリー消費を狙って、身体を動かす事になりました♪


 身体を動かす遊びとして選択したのは、鬼ごっこ。

 ただし、体格差と体力差を考えて、変則(・・)鬼ごっこを希望します!


 取り敢えず、地に足の着いた状態だと、お兄さんズやルクレヒト様が有利なので、浮かんで(・・・・)みました。

 えへ。


 提案者はアルタイル。

 お母さんがくれた魔道具の中に『何か面白いのがあるかもよ♪』と教えてくれました。

 お父さんに探してもらって、ゲットしたのは【泡沫(うたかた)の楽園】という魔道具。


 簡単に説明すると、巨大なシャボン玉発生装置。

 海中でも陸上でも、上空でも使用可能で、シャボン玉の大きさも、持続時間も任意で変更可能。

 シャボン玉の中では、綺麗な空気──何処から来てるか謎…らしい──が循環していて、普通に呼吸が出来ます。

 重力から風による物理抵抗まで、様々なモノを徹底無視。

 海底調査や負傷者救助なんかにも使用される、一般的で安価な魔道具です。


 なので、只今私達は、1人ひとつの魔道具を所持して、地上から踏み台ひとつ分程の高さを、シャボン玉に入った状態で、プカプカ浮遊しています。

 1人ひとつのシャボン玉なので、好き勝手移動してみれば、思いの外自由自在に操作が可能。


 ただし、慣れないと思わぬ方向に転がります。

 というか、それが面白くて、慣れても転がってみてますが、目が回らない!

 なんだろう、コレ! ちょっと楽し~♪

 すっごく楽しい!


 楽しさに委せて、ヒュー様とリムのシャボン玉に突撃~♪

 どぉ~ん♪

 2人を弾き飛ばして、反動で私も転がります。


 シャボン玉同士がぶつかると、ポヨンポヨンと弾みます。

 物理抵抗は無いのに、物理耐性はある。

 触れるけど、抜けられない。

 尖ったモノでも穴は開かないらしく、木の枝にぶつかっても、にょ~んと伸びただけで割れません。


 レグルスやシリウスは、シャボン玉には入らず、みんなのシャボン玉が転がりすぎない様に、遠くに行きそうになると、前肢や尻尾、身体を使って止めてくれます。

 本来の大きさに戻っているので、中に居る私達に負担が無い様に、簡単上手に止められます。

 動物の本能故に、転がるシャボン玉を見ては、ムズムズしているみたいだけど、それを抑えて見守り役を努めてくれてます。


 みんな思い思いに試していて、ヒュー様は私にぶつかられた勢いのまま、ポォ~ンと弾んで、水切り石みたいに跳ねてます。

 リムもぶつかった時の勢いのまま、ルクレヒト様に激突。

 ルクレヒト様が衝撃に押されてコロコロ転がります。

 ……ビリヤード?


 一番先に慣れたらしいエディ兄さんは、それを見ながらルクレヒト様にアドバイスを飛ばしてます。

 クリスお兄ちゃんは、シャボン玉に入ってないアルタイルに獲物(おもちゃ)認定されたのか、結構な勢いで転がされて(・・・・・)ます。


 ………。

 あの勢いは、危なくないですか?

 わあぁっ!? ストップ! ストップ~ッ!


 ──ぁ、……シリウスがアルタイルを叩き落とした…。

 うわぁ…。

 だ、大丈夫…かな。

 アルタイル、ベチャッてなったよ?

 ………レグルス?


「わあぁっ!? レグりゅしゅ!? アルタイルぐりぐりしちゃメ~!

 シリウしゅ、とめてぇ~」


 いやいやいや。

 墜落したアルタイルを、前肢で踏みつけて、ぐりぐり踏みにじるって、やり過ぎでしょ!?

 お仕置きは兎も角、折檻はダメ絶対。

 叩き落とした後は、傍観を極め込んでいるシリウスに、咄嗟にお願いしてみます。

 まぁ、それ以前に、私が駄目だと言った時点で、レグルスは踏みにじるのを止めてましたが…。


 なんだろう…。

 最近、レグルス達がもの凄く自由だ。


 と、それより、クリスお兄ちゃんは大丈夫ですか!?


「う~、酔った……」


「にぃに! らいじょうぶ?」


「ブハッ! ちょ、クリス!? 大丈夫か?」


 少々青ざめてはいますが、クリスお兄ちゃんに怪我は無いみたいです。

 私の呼び掛けに、(しっか)り頷いてくれました。

 エディ兄さんがクリスお兄ちゃんの一連の状況を見て、噴き出してます。


 エディ兄さん…。

 そこは、心配する所じゃないんですか?

 いや、一応心配はしてるのかな?


 取り敢えず、クリスお兄ちゃんも無事だったので、当初の予定通り、これから変則鬼ごっこですね!

 アルタイルも心配したのですが、彼はサクッと復活して、楽しげに鼻唄を歌ってました。


 鳥って鼻唄歌えるんだ……いやいや、アルタイルだしね?

 契約獣って、わりとなんでもアリダヨネ。

 鼻唄を歌いつつ、チラチラとエディ兄さんやクリスお兄ちゃん、ルクレヒト様の入ったシャボン玉を見ているアルタイル。

 反省してるのかは………謎ですね。

ちょっと捕捉説明。

ユナちゃんが感じた様に、シャボン玉の移動では目は回りません。

クリスくんが酔ったのは、景色の移り変わるスピードにです。


どれだけ速く転がしてたのか…。

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