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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第8章─我が家の日常。一般常識と各家庭の常識って、ズレてたりするよね? 我が家が可笑しい訳じゃないと思います!
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おかえりなさい! いただきます! みんなと一緒は嬉しいのに…。

 お料理を終え、ダイニングテーブルに並べ終えた処で、クリスお兄ちゃんが帰って来ました。


「ただいまぁ。疲れたよ~」


 少々掠れた、疲労感の濃い声で、帰宅の挨拶をしながら、クリスお兄ちゃんがダイニングへとやって来ます。


「「お疲れ〈様〉~」」


「にぃに、おかえりなしゃい!」


「「お邪魔してるよ〈ます〉」」


「「こんにちは」」


 お父さんとエディ兄さん、ディラン小父様とルクレヒト様、アリア小母様とヒュー様が其々ハモりました。


「ただいま。いらっしゃい。留守にしていて、すみませんでした」


「ん? お~、もう一人の兄君か! 数日振りじゃのぉ」


 ご飯に釘付け状態だったリムが、お兄ちゃんに気付き、軽く手を振って存在を主張します。


「あれ? リムも来てたのかい? 新居を探すって言ってたから、暫く来れないかと思ってたのに…」


「ホッホッホッ。新たな(ねぐら)ならば、此処を出てから直ぐに見つかってのぉ。

 サクッと巣穴を作ってやったぞ。

 ユナを招ける様に、人の子らの巣を真似て、幾つか部屋も作ったのじゃ。

 近い内に、揃って遊びに来れば良い♪」


 お兄ちゃんが驚くと、リムが上機嫌で新居へ招待してくれました。


『おい? 御主(ドラゴン)の巣に、人族(ユナ)を招くのか?

 まぁ、ユナ達であれば、何の問題も無いと思うが…。

 他のドラゴンには、気付かれるなよ?

 どんな騒ぎが興るか分からん。

 それと、御主の正体を知るものが、近くに居る場では、気軽に誘うでない。

 ユナを要らぬ危険に晒すな』


貴女(ドラゴン)を捕らえる為に、ユナを人質にしよう等と企む輩は、どの様な場所にも居るのです。

 会話の内容は、時と場所を選んでください』


『そうだよ~。ユナ達は兎も角、他の人は僕ら保証しないよ?

 まぁ、ヒューバートとルクレヒトなら、ちょっとはしてあげても良いけど』


『ん? ふむ。そうであったな。ユナの家族は、皆邪気が無かったので、忘れておった。

 人の子らとは、弱いくせに良ぉ頭が回る。

 邪な考えを抱くものも多いのじゃったな。すまぬ』


 レグルス達に続けざまに注意され、リムがしょんぼりします。

 上機嫌だったのに、レグルス達を見て突然落ち込んだリムに、念話の聞こえないお兄さんズとご領主様一家が、オロオロしはじめました。


「ど、どうした!?」


『リム、大丈夫ですよ。カーチェ達の保証は、私がします。

 今ここに居る人族相手なら、心配はいりません』


 エディ兄さんが心配して声をかけるのと同時に、お父さんが念話でリムに話し掛け、小父様達の人間性を保証します。


『!? 本当かの!? ならば、次からはちゃんと気を付ける。

 ユナに害が及ぶのは、我にしても本意ではないからの!

 ユナ、皆も、ほんにすまんかったの』


『まぁ、御主にとっても、初めての事なのだろう? 失敗くらい仕方無い。

 次から気を付けてくれるのなら、そう強くは言わぬよ』


『『そうですね〈だね~♪〉』』


 お父さんの念話に、リムの気持ちも浮上したみたいです。

 良かったぁ~。

 レグルス達の言い分は理解出来る気はしますが、言い方にハラハラしてしまったので…。

 喧嘩にならなくて安心しました♪


 さて、ご飯が冷める前に、みんなで楽しくいただきましょう♪


「リム、げんきになったの。よかったねぇ」


「はは。良く分からんけど、元気になったんなら、まぁいいか。

 さぁ、飯だ飯~♪」


 にこにこ笑顔でエディ兄さんに同意を求めたら、兄さんに苦笑で返されました。

 周りを見ても、ホッとした様子で、其々ご飯の方に意識を切り替えたみたいです。

 変な空気にならなくて良かった。


 みんな仲良し♪

 お母さんやお姉ちゃん達も、一緒ならもっと楽しかったのに…。


 ぁ、駄目ですね。

 後ろ向きは無い無い。

 寂しいのは仕方無くても、落ち込むのは違います。

 一緒に居てくれるみんなに失礼ですね!


 むぅ。

 お留守番は、ちょっとだけキライです。

 よしっ!

 今日は目一杯遊ぶぞ~!

 お父さんの保証もあったし、リムのおうちに遊びに行くのもいいかも。

 後で相談してみましょう♪


 でも、先ずは、みんな揃って。「いただきます!」



 *~*~*~*~*



「ふい~っ、旨かったぁ~♪」


「……エディ…どんだけ食べるのさ…」


「……クリス、エディは、ついさっきお茶菓子も、大量に食べてたよ…」


「は!? ちょっと、エディ!? お腹壊すよ!?」


「平気、平~気♪ 大丈夫だって」


「クリス、エディには言うだけ無駄です。放置で良いですよ」


 食後、緑茶を飲みながらのお兄さんズとルクレヒト様の会話に、お父さんが呆れたように一言。

 お父さんや小父様、小母様の親組を挟んだ逆の位置では、レグルス達も同じ様な会話をしてます。


『う~っ、ちょっと、食べ過ぎたぁ~』


『またか!? 毎度毎度、学習せんな…』


『…一度、痛い目に遭わねば、覚えないのでしょうか?』


 ………。

 整腸剤…いるかな?


「ユナ、甘やかすなよ? エディさんも、アルタイルも、自業自得だ」


「そうじゃの。ヒューバートの言うとおりじゃ。我とて頑張って食欲を制御したのじゃぞ?

 ユナの手による美味なる食事とは言え、毎度食しておる彼奴等が我慢を覚えんのは、彼奴等の怠慢じゃ」


 私、ヒュー様、リムのチビッ子(?)3人組は、生温い目でお兄さんズやレグルス達を眺めます。


 大丈夫かなぁ?

 ご飯の後は、毎回心配してる気がします。

 お姉ちゃん達が居れば、もう一ヶ所でも同じ様な状況が出来そうですね。

 お母さんが居たら、どんな反応するのかな?


 会いたいなぁ。

 落ち込むのは止めましたが、寂しいのは寂しいんです!

 う~っ、我儘な自分にイライラします。


 ………。

 あ~も~! 遊ぶぞ! 遊ぶ!

 寂しいのも、イライラも、どっか行っちゃえ!

 お留守番なんて、キライだぁ~っ!

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