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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第8章─我が家の日常。一般常識と各家庭の常識って、ズレてたりするよね? 我が家が可笑しい訳じゃないと思います!
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また、やった…。学習しようよ、私! ちょっとした失敗と、家族の外出事情。

 時間はちょっと戻ります。



 *~*~*~*~*



 本日は、お寝坊もせず、朝から元気いっぱいです♪

 なので、朝のお仕事は既に終わり、お菓子製作真っ最中です。


 お客様が来るのが分かっているのに、作り置きのお菓子ではちょっと淋しいですもんね♪

 とはいえ、何を作るかで何時も通りに一騒動。


 うふふ。

 アルタイルとエディ兄さんが口喧嘩を始めちゃったので、キッチンから追い出しました。

 お姉ちゃん達がお仕事に戻ってしまって、寂しくなってたのさえ、何処かに行っちゃいましたよ!?


 お姉ちゃん達は身体(うつわ)があっても、15日(半月)の内5日間(一週間)が一緒にいられる限界。

 それ以上は、お仕事──世界の管理調整──に支障が出て、世界(クラウディア)が危険。

 お母さんと比べれば、大分長く一緒にいられますが、離れれば寂しいのは、仕方無いですよね…。

 ………。

 わ、私が寂しがりやな訳ではないです!……よね?


 それでも、お父さんやお兄さんズが居てくれますし、レグルス達は常に一緒です。

 寂しがってばかりでは、呆れられてしまいます!

 多少寂しくとも、自分に出来る事を確りこなし、次にお母さんやお姉ちゃん達が帰って来るまで、元気でいるのが「私のお仕事」──シリウスに言われました!──ですもんね♪


 と、それは兎も角。

 作っていたのは、お茶菓子の定番クッキー。

 思い付くまま、数種類。


 ブラウニーに、紅茶のフィナンシェ。

 ケーキはチーズケーキを三種類。

 チーズスフレ、レアチーズ、ベイクドチーズ。

 ちょっと方向性を変えて、抹茶のムース。

 コロンとまぁるいマシュマロ各種。


 魔法を使って時間の短縮が可能だからこそ、色々作ってみました!


 ………。

 はい……作り過ぎ……ですね。てへ。

 うわぁぁぁん、またやっちゃった~ぁ!


「お! 出来たのか?」


『食べていい? 食べていい!?』


 そぉ~っと伸びてきたエディ兄さん手と、今にもお菓子に届きそうなアルタイルの嘴を、軽くペチリと叩きます。


「メ! よ?」


 小首を傾げ、じぃ~と見つめると、エディ兄さんもアルタイルも苦笑して、お菓子から離れました。


「みんながきたら、いっちょにたべよぉね♪」



 *~*~*~*~*



 と、いうわけで、今現在ダイニングルームのテーブルは、様々なお菓子に占拠されてます!


「「………。凄いな〈ね〉」」


 ヒュー様とルクレヒト様が、テーブルを見て固まってます。


 え、えへ。

 し、仕方無いですよね!

 お客様は、リム──深紅の鱗の小さなドラゴン──以来なんですもん。

 ちょっと浮かれてたのは、事実ですけどね?


 とりあえず、お茶にしましょう♪


「ところで、今日は三つ子はいないのか?」


 ヒュー様がお茶菓子に手を伸ばしつつ、視線だけで私達を一巡します。


「そうですね。クリスの姿もありませんし…」


 ルクレヒト様も、不思議そうにエディ兄さんを見つめます。


「あ~、クリスはギルドに呼び出された。指名が入ったらしいぞ?」


「え? クリスは低ランクだろう? 指名って…」


 エディ兄さんの応答に、更に疑問を浮かべるルクレヒト様。


 まぁ、確かに、クリスお兄ちゃん──エディ兄さんも──はCランク。

 冒険者としては、半人前とみなされるランクです。


 指名依頼が入るのは、Aランクより上が一般的。

 ただし、特殊指名依頼というのが存在していて、本来指名依頼など入るはずの無い低ランクにも、何かに突出していれば、稀に指名が入るんです。


 今回は採取依頼で、クリスお兄ちゃんの薬草発見率の高さと、採取能力──採取対象への適切な処置や保存状態の良さ──が買われたみたい。

 半日くらいで戻れそうな依頼だからと、朝からサクッと出掛けてます。


「クリスは採取…特に植物関係の採取が得意だからなぁ。たまに指名されるんだ」


「…成る程ね」


 エディ兄さんの答えに、ルクレヒト様も納得しました。

 でも、ヒュー様は答えを貰っていないので、憮然とした顔でエディ兄さんを睨みます。


「じゃあ、三つ子は? 三つ子もか?」


「ねぇねたちは、ちがいましゅよ? さしゅがに、8しゃいでぼうけんしゃには、なりぇましぇん。

 ねぇねたちは、みきょのおちごとをしに、さとにもどってましゅ」


「みきょ?」


 あう。

 噛み噛み過ぎて、伝わらない…。


「あぁ、巫女だみこ(・・)。フォル達三つ子は、母親の素質を継いでるらしくて、次代と成るための経験が必要とかでなぁ。

 半月に一週間が外出限度なんだと。

 それ以外は、故郷の隠れ郷の結界の中に隔離されてる。

 ユナは、外見は兎も角、素質は母親より父親の方に似たらしくて、全然平気なのにな」


 落ち込む私に苦笑して、エディ兄さんが正確な情報を提示します。


 はい。

 私達の設定です。

 お母さんやお姉ちゃん達が一緒にいられない理由です。


「…そういえば、ラズヴェルト殿の奥方は、故郷では“神降ろしの姫巫女”と呼ばれる、特別な存在だと父上が仰ってましたね。

 1年に5度程、4時間程度しか故郷から出られない…のでしたか?」


「あぁ、隠れ郷に張られた結界の中じゃないと、魔力流出の速さに身体が耐えられないらしいぞ。

 常に大量の魔力を消費し続けていて、結界の外に出ると、途端に魔力切れを起こすんだと」


 エディ兄さんがルクレヒト様の質問に答えながら、目の前の大量のお菓子を坦々と消費していきます。


「なんでも、その体質(それ)が神様を降ろす為の条件らしくて、10歳前後でこの体質が発覚するんだとさ。

 三つ子は早かったらしくて、7歳頃には分かってたから、郷からの外出に条件が付いちまったんだと」


 難しいお話はその辺にして、お茶のおかわりは如何ですか?

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