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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第7章─新たなお友達? それとも好敵手? 歳上の男の子は、未知の存在です!
130/169

閑話・お母さんの心配と、お父さんの苦笑。甘々夫婦の日常の一駒?

穴埋め投稿~♪

本編と違って、ちょこっと恋愛風味?

甘々って難しい…。

 ★☆★☆★☆★☆★

 ─創世の管理者 創造の女神フェリシア視点─


『聞こえるかい? シア』


「ラズ! ユナは!? 大丈夫!?」


 女神像を通した少しぶれて響く愛しげな声に、私は焦りを感じながらも、その穏やかさに僅かなりとも安堵します。

 もしも、娘達に何事かがあれば、情の深い私の夫は、こんなにも穏やかでは無いでしょうから。


『ふふ。大丈夫。体力の限界と湯(あた)りで、気を失うみたいに眠っただけだよ。

 まぁ、心配ではあるから、今夜はちゃんと見ておくよ』


「そう。良かった。初めてのお泊まりの感想は、気になるけど明日の楽しみにしましょう。

 貴方も、ちゃんと休んでくださいね?

 私が…傍に居られれば良かったのだけど…」


 心配故に、言っても詮無いことが、口をついて溢れました。

 可愛くて愛しい娘達。

 誰よりも傍で寄り添いたい唯一人の(最愛)

 私とは違う形で、夫を慕う頑張り屋な二人(男の子達)

 私の願いを聞き届け、娘の守護を請け負ってくれた神獣達。

 私の家族は、私の手の届かぬ場所で、暮らしている。


 加護を通して、多少の理解は出来ても、何かあった時、傍に行くことさえ儘ならない我が身が、哀しくて仕方無くなる時がある。

 管理者でさえなければ等と考えたのは、1度や2度ではありません。

 それでも、1度生まれた世界を、無責任に投げ出す事は出来ず、せめてこの世界が暖かく優しくあれる様、管理の手を休める事は致しません。


 私の世界は、幸福から生まれた。

 悲しみや怒りなどの負の感情から生まれた世界を管理するより、ずっと楽なのですから。

 己の負の感情と向き合い続けるのは、ある意味拷問にも等しいのです。

 管理者の中にも、世界の管理を放棄せざるをえない者が出る程に。


 ………。

 ぁ、ユナの事で安心したら、思考が逸れましたね。

 ふふ。

 ユナみたい。


「ラズ、ありがとう。私を愛してくれて、ありがとう」


『……どうしました? 急に』


「ふふ。なんだか、言葉にしたくなったの。

 初めて会った貴方は、悲しみと向き合い続けて、疲れきっていて。

 貴方が心配で、だけど、私には寄り添う事しか出来ずに、自分が情けなかったわ。

 それなのに、緩やかに崩壊する自分の世界を見届けた貴方は、唯傍にいただけの私を伴侶に望んでくださった。

 貴方がいなければ、クラウディア(私の世界)は生まれず、娘を持つ事も無かったのだなぁって思ったら…伝えたくなったの」


『シア……フェリシア。私も愛しているよ。誰よりも何よりも。

 君の温もりが傍にあったからこそ、私は壊れる恐怖に打ち勝ち、最期まで世界を見届けられたんだ。

 君がいなければ、世界の崩壊よりも、私の精神が壊れるのが先だったか…。

 はたまた、見届ける事を放棄し、自分の殻に閉じ籠り、管理者である己を消していたかも知れない。

 愛しているよ。心から。君が私への想い故に生み出したクラウディア(この世界)も』


「ラズ、娘達を……家族をお願いしますね。貴方が傍にいてくれるなら、私は安心して見守っていられますから」


「勿論。娘達は、愛しい君が私にくれた、最高の宝物なんだ。必ず守るよ。

 弟子…いや、息子達も、自身で危険を回避出来るように、私が出来る全てを教えていくよ。

 多少、無茶でも、いつか誰かを守った上で、自分自身も守りきれる様にね」


 いつもの様に、お互いの想いを伝えあい、暖かな幸福感と、胸の奥一番柔らかな場所から生まれる愛しさとを抱えて、ラズヴェルトの声に耳を澄ませます。


 大丈夫。

 私自身が傍に居られなくても、彼が傍に居てくれる。

 子供達は大丈夫。

 私はちょっと淋しいけれど、子供達が元気なら、それだけで充分幸せだわ♪


「ラズ……ラズヴェルト。なんだかとても会いたいわ。

 直ぐにでも貴方の隣に降り立ちたいけれど、ちゃんと我慢するわね。

 ね。だから……次に降りる時は、貴方とも一緒にいたいの。

 駄目…かしら?」


『シア……。駄目じゃないよ。私こそ、会いたいんだ。

 ユナの邪魔をするのは、申し訳ないけれど、シアの隣は愛娘にだって、譲ってあげないよ♪

 どうせなら、三つ子や息子達も一緒かな?

 ふふふ。どうしても二人きりで会いたくなったら、神域へと戻るよ。

 その時は、目一杯愛させてもらうから、覚悟していてください♪』


「~~~っ、ラズ!」


 私の我が儘を軽く受け流し、ちょっと意地悪に私をからかうラズのせいで、私の顔は真っ赤に染まりました。

 時々、言わなくて良いことまで口にするのですもの!

 “愛させてもらう”だなんて…。


 ~~~~~っ。

 もうもうもう!

 恥ずかし過ぎますわ!

 誰も聞いていないとは言え、私を困らせるだけの冗談にしては、ちょっと酷いと思います!


『…シア? 私は冗談を言ったつもりはありませんよ? ちゃんと、覚悟しておいてくださいね?』


「ふぇっ!?」


 え? え!?

 私、言葉にしてました!?


『シアが考える事は、なんとなく分かるのですよ』


 クスクスと笑いながら、ラズが私の心の声に返事をします。


 ………。

 ラズは、意地悪ですわね。


「もう! ラズなんて知りません! 早くお休みなさいませ!」


 今夜は、そろそろ聞き納めですね。

 愛しい相手の声は、何時までも聞いていたいものですが、多少ゆっくりとはいえ、時間は流れているのですもの。

 人族の器を使用している以上、限界は必ずあります。

 休める時は、休んでおかねば、障りがでます。


『はいはい。ありがとう、シア。愛しているよ。良い夢を』


「おやすみなさい。私も愛しています。良い夢を」


 余韻を残し、途切れた声に、寂しさを感じながらも、1日の終わりを認識する。

 明日も1日、何事も無く、平穏に過ぎる事を祈り、管理者の仕事へと戻ります。


 愛しき貴方達に、幸多からん事を願います。

 ユナは、明日も元気でいてくれるかしらねぇ。

 ふふふ♪

シア様とラズ様夫婦は、作者的ラブラブ夫婦のイメージで書いてます。

ラブラブとか甘々って、戦闘シーン並みに難しい!


恋愛系や、戦闘系の物語を書ける人を尊敬します。

いや、コメディだって、峠岬には難しいんですがね?

(ー_ー;)

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