さぁ、帰るぞ! 気合いを入れて、レッツ・帰宅! …帰るの怖いわ~…。
遅くなりました~。
先週お休みしたので、約束(?)だった追加投稿は、本日深夜に決行します。
穴埋めは、来週もかなぁ…。
頑張ります。
「と、いうことで、私達は帰る」
「なにが『ということで』だ。帰宅報告は兎も角、そのいじけっぷりは、どうにかしろ」
「ラズ様…ユナちゃんが、呆れてましてよ?」
「「………」」
混沌とした状況をそのままに、ディラン小父様とアリア小母様の前に来ました。
………。
はい。私の現在の居場所は、お父さんの腕の中。
等身大人形と化してます。
お父さんは、拗ね拗ねモード真っ最中で、領主夫妻からもお顔を背けてます。
小父様も小母様も呆れてますし、ヒュー様とルクレヒト様は遠い目をしておいでです。
レグルス達は頭を抱え、お兄さんズは苦笑してます。
「ふん。知らんわ。ユナは私に寛大だから、呆れていても、否やは言わない。
だから、いじけてたって良いんだ!」
「御父様…大人気ありませんわ」
「父上…面倒臭いな」
「…父様…ユナ…放して…」
お父さんが甘えっ子の駄々捏ね状態です。
お父さんの言い分に、フォルお姉ちゃんが溜め息をひとつ。
ラル姉さんは、少し前のベル姉様とおんなじお顔。
ベル姉様は、お父さんのお洋服の裾を引いて、私を取り返そうと行動で示しています。
「つーん! 父様に優しくないベルには、ユナは返してあげません。
ユナが嫌なら仕方が無いですが、今父様は癒しを必要としているのです。
ユナを返して欲しかったら、父様に優し「…ごめんなさいぃ…父様ぁ…。もう、面倒臭いとか……言わない…からぁ…」………はい」
いじけたお父さんが、ベル姉様のお願いを却下して、大人気無い言い分を振りかざしたら、ベル姉様が涙目になりました。
あと少しでも突っつけば泣き出すといった状態のベル姉様に、お父さんがそっと私を差し出します。
お父さんの腕から床へと下ろされた私に、ベル姉様がヒシッと抱きついて来ました。
『御息女と張り合うとは…』
『ラズヴェルト様の負け~♪』
『フェリシア様に報告させていただきましょう』
レグルスは呆れ、アルタイルは楽し気に勝敗を告げ、シリウスはじとっとした眼差しで大きくひとつ頷きました。
シリウスの念話に、お父さんが一瞬固まり、ションボリと肩を落とします。
「師匠は、嫁さんや娘に弱いよなぁ」
「ふふ。僕だって、ユナ達に冷たくされるのは、結構傷付きますよ。
エディだって、そうでしょう?」
「だな。普段が可愛らしい上に、素直に慕ってくれる分、ちょっとキツイ態度に出られると、凄ぇ悲しくなるんだよな」
「「「…そうなの〈か〉?」」」
「「そうなんだよ〈ですよ〉」」
お兄さんズがこっそり交わす会話に、お姉ちゃん達が不思議そうに確認すれば、さっくり肯定が返ってきます。
お姉ちゃん達は、お互いに視線を交わし、小さくひとつ頷くと、お父さんへと向き直りました。
「御父様」「父上」「…父様…」
「「「ごめんなさい! もう酷いこと言わない様にします!」」」
揃って悲しそうなお顔をして、ごめんなさいをするお姉ちゃん達に、黄昏ていたお父さんがキラキラと復活しました。
「~っ。フォル、ラル、ベル~っ。私こそ、すまない! もうあんな風にいじけたりしないよ~」
お父さんがお姉ちゃん達を一度に抱き締めます。
ベル姉様が抱き締めてた私も、一緒に抱えられてます。
わぁお。
お父さんの大きさが良く分かりますね♪
子供4人を一度に抱え込めるとは。
背が高いのは知ってましたが、4人一度にハグ出来るとは思ってませんでしたよ。
のほほんと無我の境地に達していた私ですが、お父さんが正気に戻ったので、私もそろそろ頭を働かせましょう♪
*~*~*~*~*
「で、帰るってのは聞いたが、今すぐか?」
場が落ち着いたのを見計らい、ディラン小父様がお父さんへと尋ねます。
「そうだね。必要な連絡や報告は終えたし、相談したい事なんかも一通り済んだ。
後は、子供達の気持ちの整理が出来たら、帰宅しようかな」
私達の頭を一人ずつ撫でて、優しい眼差しでお父さんがお別れを促します。
「───っ、またっ! また来いよな! 絶対だからな!」
「そうですね。また、来てください。待っていますから」
ヒュー様が私の両手を取って、必死に再会を約束させようとすれば、ルクレヒト様も穏やかに微笑みながら、お兄さんズやお姉ちゃん達を見て頷きます。
「? 君達は来ないのかい?」
お父さんの不思議そうな声に、領主夫妻以外が疑問を浮かべてお父さんを凝視します。
「え~と、だって、カーチェ達は遊びに来るんだろう?君達も、その時一緒に来るのかと思ったんだけど…」
みんなの視線が、一斉に領主夫妻へと向かいます。
………。
ディラン小父様がニヤニヤしてます。
アリア小母様はニコニコ笑顔です。
「「父上? 母上?」」
「リシャの森なら、私達だけで護衛無しでも大丈夫だからね。元AAAランクの実力は、伊達じゃないんだよ」
「子供達だけでは許可出来ませんが、私達が一緒なら時間さえ取れれば、いつでも連れて行ってあげますわ♪」
「直近なら……そうだね、1週間後くらいかな?」
「ええ。その辺りなら、夜会もお茶会もありませんし、書類仕事も一段落しますわね」
「~っ、じゃあ、1週間後にまた会えるんですね! やったぁ~♪」
「…本当に護衛を付けなくても良いのですか?」
嬉しそうなヒュー様と、不安げなルクレヒト様に、領主夫妻が優しい笑顔で頷いてます。
「さて、次の約束も出来たし、おうちに帰りましょう」
お父さんの宣言で、わたわたと帰宅準備に散ります。
お借りした部屋に置いたままの荷物や、厨房の隅に置かせて貰っている魔道具なんかを回収しなきゃですから。
お兄さんズは、昨日今日と鍛練に付き合ってくれた方達に挨拶してくるそうです。
あぅ~。
お姉ちゃん達と挨拶行脚をしてたら、お土産沢山貰っちゃいました。
今度遊びに来るときは、お土産必須ですねぇ。
準備が整ったので、いよいよ帰宅です!
………。
おうちに帰るの怖いなぁ。
緑に埋もれてたらどうしよう…。
「またなぁ~」「またね」
ヒュー様とルクレヒト様が手を振って見送ってくれます。
「また、あしょぼうねぇ~」「じゃぁな!」「…また…」「また、お会いしましょうね~」
「また、組み手しような!」「ふふ。料理もまた作りましょう♪」
「じゃあ、近い内に遊びにおいで」
「ああ。必ず」「子供達を連れて伺いますわ♪」
口々に別れを惜しみつつ、一路自宅を目指します!
待ってろ、薬草~! 待ってろ、畑~!
怖くなんてないんだからね~!
………。
やっぱり、ちょっと怖いかも…。
久し振りに、閑話を書きたい…。
誰が良いかなぁ。
(ー_ー;)