お帰り前の憂鬱案件。ドタバタ騒ぎが我が家の日常です♪
な、なんとか書けたぁ~。
スミマセン。
まだ体調不良が尾を引いている作者です。
短いですが、取り敢えず1話投稿します。
「──では、帰りますよ。子供達」
お父さんが探検途中の私達と合流し、サクッと帰宅を促しました。
領主邸の探検は、流石に1日では終わりませんでしたね。
「え!? もう帰るのか!? 暫く滞在するんじゃないのか!?」
ヒュー様がお父さんの言葉に驚いてます。
ルクレヒト様は仕方無さげに苦笑してますね。
ちょっぴりですが、寂しそうな感じです。
「ん~、あたし等がこの邸に来たのって、父上の暴挙による緊急措置なんだよ。
だから、自宅を放置しっぱなしなんだ」
「早めに戻らないと、薬草園なんかが大変な事になってそうよね」
「…お家…埋もれ…る?」
「あ~、やたら元気だよな。うちの薬草」
「薬草に限らず、畑の野菜達もですよ」
ヒュー様に事情を説明するラル姉さんに続いて、フォルお姉ちゃん、ベル姉様、エディ兄さん、クリスお兄ちゃんが遠い目をして頷きます。
そうなんですよね…。
うちの植物さん達は、何故だかとっても元気なのです。
朝に収穫した筈なのに、夕方には再び収穫が可能で、成長抑制の魔法薬を撒いてみたり、フォルお姉ちゃんが育成制御の魔法を使ってみたりと、適時調節をしてるのですが…。
私達が倒れたのが、昨日の夕方。
そのまま領主邸に運ばれ、急遽お泊まりが決定したので、実質丸1日放置している現状です。
どうなってるかは………考えたくないですね。
薬草って、放って置くと、たまに変な進化を遂げる子がいるんですよね…。
収穫した後ですら、下処理を忘れただけで、進化だか変化だか判断のつかない成長を遂げた子もいました。
扱いに国の許可が必要なのも納得です。
因みに、お母さんとお父さん、クリスお兄ちゃんは許可証を持ってます。
お姉ちゃん達は、許可証が無いので、薬を扱う事は出来ませんが、製作は可能です。
売買が出来ないだけで、家庭の常備薬的な簡単なお薬は、どこのお宅でもわりと自作されてます。
各家庭に伝統的なレシピもあったりします。
ただし、効果の程は知れたもの。
一般的な常備薬は、大抵簡単な煎じ薬か、ポーションと呼ばれる薬液で、作り方も凄ぉ~く雑だったりしますね。
ぁ、話がズレましたね。
「ラディオールの近くに転居してきた挨拶も済ませましたし、フォル達の気が向けば、いつでも会えます。
今日のところは、帰りますよ」
ん? あれ?
お引越しの事、今まで伝えてなかったんですか!?
お友達なのに!?
お母さんと街に来た時は、領主様との面識がある事を知らなかったので、挨拶が冒険者組合のみだった事を疑問に思わなかったんですが…。
お父さんと会った後、お父さんやお兄さんズは、街に来ていた筈ですよね?
ちょっと寄り道して、報告くらいしてあったのかと思ってましたよ。
まさか、昨日の騒動で初めて報せたなんて思いませんよ!
駄目ですよ!
報告はちゃんとすべきです!
「……おとぉしゃん……いじわりゅ…?」
「!? いやいやいや。ユナ!? 私は意地悪なんてしてませんよ!?
え~と……、つまり……、そのぉ………」
まさかとは思いながらも、お父さんを悲しげに見上げれば、お顔の前で両手を振りつつ、全否定をされました。
ちょっと安堵して、それなら何故に報告していなかったのかと小首を傾げたら、お父さんが困った様な、言い難そうな様子で言葉を探してます。
「「「………あぁ」」」
「「………忘れてたんだな〈ですね〉…」」
『『『………ラズヴェルト様だからな〈ですからね〉……』』』
お父さんの様子を見て、お姉ちゃん達は納得の声を洩らし、お兄さんズが溜め息と共に予想を告げ、レグルス達が遠い目をして頷いてました。
………。
そういえば、“お父さん天然疑惑”がありましたね。
ま、まぁ、それはそれとして。
良かったぁ~。
お父さんも意地悪した訳じゃなくて、ちょっぴり忘れちゃってただけなんですね。
「~っ、そうですよ!? 忘れてましたとも! すみませんね!
カーチェにもルースにも怒られましたし、グランバルトには呆れられましたよ!」
………。
お父さんが、拗ねてます。
プイッとお顔を背け、私達と目を合わせない様にしてます。
お父さんは、時々可愛いですねぇ。
普段は頼り概があって、強くて格好良いのですが、たまに可愛いんです。
「「………」」
ぁ、ヒュー様とルクレヒト様がびっくりしてる。
「…な、なぁ。あの人、本当にSランクの冒険者か?」
「あ~、すまん! 憧れをぶち壊したのなら、父上に代わって謝る。
…が、父上は確かに世に言う所のSランク冒険者だ」
『『『………』』』
ヒュー様とラル姉さんがこっそり何かを言い合ってます。
小声なので、私は聞き取れないのですが、聞こえたらしいレグルス達が、揃って真顔で沈黙してます。
? 何を言ってるのかな?
「御父様、拗ねないでください。ほら、帰るのでしょう?」
「……父様…面倒臭い…」
「「「「!? ベル!」」」」
「!? ベル!? べ、ベルがっ、ベルが面倒臭いってぇ~。ユナ~」
フォルお姉ちゃんが宥めていたのに、ベル姉様がぼそりと呟いた言葉で、お父さんが驚愕した後涙目になって、助けを求める様に私に抱き付きます。
ベル姉様は、時々お父さんに辛辣です。
基本的には何事にも物怖じしませんし、常に冷静に見えるのですが、面倒な事や面白味の無い事が嫌いで、家族が関わる事には一番反応が早いのがベル姉様です。
ただ、今回はお父さんの開き直りが鬱陶しかった模様。
何か微妙に場が混沌としてますね。
どうしましょう…。
帰る帰らない以前に、この状況をなんとかしてくださぃ~。
宣言直後に沈んだ峠岬です。
先週は投稿出来ず、スミマセン。
前書きに書いた通り、いまだに体調不良を引き摺ってます。
先週分の穴埋めは、次週に2話分投稿する形で行いたいと思っています。
ただ、作者の体調が微妙な為、約束反古になる可能性が……。
その場合は、翌週に延期させていただきます。