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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第7章─新たなお友達? それとも好敵手? 歳上の男の子は、未知の存在です!
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大量制作開始でっす♪ 続き。…作り過ぎた…かな?

相変わらずユナちゃんの滑舌が…。

さ行とら行が壊滅的です。

読みにくい!


スミマセン。

もう暫くは、こんなままかも…。

 ん。

 これこれ♪

 キャベツ、ゲットです!


「ん~と、おいもさんは、てでさわれるくらいまで、ちょっとさましましゅ。

 そのあいだに、キャベツさんを、せんぎりにちましょう。

 もりつゅけのいろどりになりゅし、あぶりゃによる、いもたりぇたいしゃくにもなりましゅ!」


 さて、まぁ~るいキャベツさん、覚悟はオーケー?

 揚げ物さんとの相性抜群なキャベツさん。

 彩り鮮やかな黄緑キャベツさん。

 そのシャキシャキ歯応えを、私にプリーズ♪


「ぁ、お嬢様! 刃物を使うのでしたら、私が─」


「う? だいじょぶでしゅよ?」


 まな板に乗せたキャベツさんを、スキル全開で千切りにします。

 大人用の包丁なので、いつもより慎重に切りましょう。

 誤って手や指をサクッ…なんて、ごめん被りますとも!


 包丁を握ったところで、アルセさんからストップが掛かりましたが、手は止まらず……。

 すいません。つい勢いといつもの癖で。


 ───ストトトトトトッ。

 ──トトトトトトトッ。


「……(すげ)ぇ」


「…お嬢様…素晴らしいお手並みです……。…私より正確かも…」


 スキルによる補正効果で、私の包丁捌きは、正式な料理人と同等かそれ以上。

 所謂、職人技──それも熟練者のそれ──その物です。


 いえ、3歳児の行動や技術として、これが異常な事は自覚してますよ?

 けど、出来ちゃう物は出来ちゃうので、仕方無いと思いますよ?

 まぁ、自分以外で、こんな芸当ができる3歳児がいたら、確実に引きますが…。

 だって、端からみたら怖い…。

 でも、全部人任せって、何と無く嫌なんですもん。

 仕方無いじゃないですかぁ~!


 ヒュー様が驚き称賛を溢せば、アルセさんからは、唖然としつつのお誉めの言葉をいただきました。


 ん?

 アルセさん、最後に何か呟きました?


「ユナは、普段からお料理してるもの♪」


姉妹(あたしら)の中でも、母上の次に料理が上手いのが、ユナだもんなぁ」


「…ユナのご飯…美味しい…」


 早々にお姉ちゃん達が、私の異常性を棚上げして、私をべた褒めし始めます。


 いやいやいや。


「ねぇしゃまたちも、おりょうりじょうじゅでしゅよ?

 ぁ、でも、オルねぇねはおかちづゅくり、ラりゅねぇたんはおちゃをいれりゅほうが、じょうじゅでしゅね!

 ベルねぇしゃまは、どれもじょうずなかんじでしゅ」


 私はお姉ちゃん達の褒め言葉に照れながら、私を持ち上げるお姉ちゃん達の腕前を暴露します。

 お姉ちゃん達こそ、それぞれ得手不得手はありますが、料理上手と呼ばれるに相応しい腕前を持ってますから。


 フォルお姉ちゃんは、前の世界のパティシエ以上に、繊細で舌触りの良いお菓子を作れます。

 ラル姉さんは、どんな茶葉でも最高の味を引き出せるし、ハーブや果物、食用花から始まり、薬草茶や果ては薬液(ポーション)でさえ、姉さんの手に掛かれば、美味しい飲み物へと変わります。

 ベル姉様は、満遍なく上手で、お料理もお菓子作りも、お茶を淹れるのだって、とっても上手。

 3人3様で、普段も良く一緒にキッチンに立ってます♪


「そうねぇ。ユナの次が、ベルよね。きっと」


「だな。あたしら三つ子の中では、ベルが一番料理上手だ」


「…ん。ありがと。…でも…お茶の淹れ方や…お菓子の作り方は…ラルやフォルに…勝てない…。

 …ぼく…フォルのお菓子も…ラルのお茶も…好き…」


「わたちも、だいしゅきれす!」


 お姉ちゃん達がそれぞれを誉め合ってます。

 ベル姉様の言うとおり、お姉ちゃん達が作ってくれるご飯やおやつが、私も大っ大っ大っ好きなのです!


「「ありがとう〈な〉」」


 ニコニコ笑顔を振り撒いていたら、フォルお姉ちゃんとラル姉さんに頭を撫でられました。


 えへへ。嬉し~い♪

 ベル姉様も、私にきゅっと抱きついて、ほっぺをスリスリしてきます。


 姉様……包丁持ってる時は、危ないの。

 スリスリは、後にしてください!


 ………。

 え? 「しちゃ駄目」って言う選択肢は、ありませんよ?

 嬉しいので。

 するなら「あとで」にしてください。

 そしたら、私だって、姉様にスリスリさせて貰いますとも!


「ユナがそんなに誉めるのなら、僕も味わってみたいぞ! いつか作ってくれ! な!」


 私達の戯れを笑顔で見ていたヒュー様が、高々と片手を上げて、ハイッ! ハイッ! って主張してます。

 ヒュー様の主張を聞いて、お姉ちゃん達が顔を見合わせます。


「私のお菓子なら、手持ちがあるから、午後のお茶の時にでも、御馳走しましょうか?」


「なら、あたしが茶を淹れてやろう。菓子に合わせて選んでやるよ」


 お姉ちゃん達が楽しそうに、午後のお茶の約束をしてくれます。

 わぁ~い♪

 お姉ちゃん達のお菓子~♪


 午後のお茶を楽しみに、今はコロッケを作るのです♪

 キャベツさんも切り終えましたし、お芋さんも適度に冷めました。

 もう、直接触っても熱くないですね。


「じゃあ、おいもさんがしゃめたので、しぇいけいちましゅ!

 だいたい、おとにゃのてのひりゃサイジュ、ながまるしゃんがきほんれす。

 おててのちいしゃいわたしたちは、てのひりゃより、ちょっぴりおおきくつゅくります。

 そうしゅれば、ふつうのはんぶんサイズになりましゅかりゃ」


 木箆で片手に余る量を掬い、慎重に成形していきます。

 ちょっと大きめに作るので、ひび割れや型崩れには、注意が必要なのです♪


 総掛かりで、楕円形(ながまる)さんを量産します。


 お姉ちゃん達は流石に成形慣れしてますね。

 自宅でハンバーグや肉詰め系の調理もしてましたし。

 アルセさんは、料理長の役職に恥じない、正確さと手早さ、安定感のある技術力で即戦力です。


 お兄さんズも多少もたつきはありますが、要領を掴めば大丈夫。

 エディ兄さんの大雑把さは、ちょっと不安ですが。

 ヒュー様とルクレヒト様は、恐る恐る慎重に成形してます。

 初めて調理という技術に触れているので、はしゃいだり慌てたりしないだけでも、充分充分です♪

 ゆっくりで大丈夫なので、そのまま頑張ってくださいね♪


 さて、皆が成形してくれている間に、揚げ物の準備を進めます。

 主力はアルセさんにお願いします。


 ちっこい私が大量の油(高温)を扱うのは、大人がするより危険度が上がりますから。

 油跳ねの注意が必要な事を伝えたら、アルセさんが率先して「私がやります。指示をお願いします」と、名乗り出てくれました。

 ありがたいです。


 でも、先ずは溶き卵と、パン粉の準備ですね。


 大きめのボウルに、卵をこれまた大量に割っていきます。

 アルセさんと2人で、コンッパカッ! コンッパカッ! を繰り返します。

 卵の数が多いので、カラザ取りは諦めます。

 少量だと無意識でも排除してたりしますが…。


 カラザ(あれ)、半生だと舌触りというか、歯触りというか、なんか違和感が…。

 まぁ、コロッケの場合は、そこまで気にならないので、大丈夫でしょう! ………多分。


 溶き卵はオーケー。

 エディ兄さんが作ってくれた大量のパン粉を、深めのバットにゴソッと敷き詰めます。

 あとは、油を鍋に。


 おっと、油切り用の鉄網も必要ですね。

 これは、材質が金物であれば、小さめの(ザル)でも代用可能です。

 まぁ、大量に作るときは、平らなバットに嵌め込める物の方が、断然使い勝手は良いですが。


 揚げ物の準備が整い、皆の作業を確認すれば、山積みの楕円形。

 うわぁおっ、壮観!


 ではでは、分担作業をしましょうか。

 卵を潜らせるのは、私とベル姉様。

 パン粉を纏わせるのは、ラル姉さんとヒュー様。

 フォルお姉ちゃんとエディ兄さんが、パン粉の着いたタネをアルセさんの元へと運ぶ。

 アルセさんが次々と揚げて。

 ルクレヒト様とクリスお兄ちゃんには、揚がった物を盛り付けて貰います。


 本当は、パン粉を纏わせてから、ちょこっと置いた方が、馴染むんですが、時間も迫っているので、そのまま揚げちゃいましょう♪


「あぶりゃも、いいかんじにあつくなりはじめたかりゃ、しゃっしょくあげましょ~う♪」


 流れ作業で揚げられていくコロッケ。

 ふと出来上がりを見れば……アレェ?


 テーブルの上には、大皿に山と盛られたコロッケが……。

 ひぃふぅみぃ……13皿?

 ひと皿、15個ずつ乗せてた筈なので……195個!?


 ぁ、今乗せてるお皿が数に入ってないや。

 ん~と、ぁ、丁度200個目が揚がった……。

 ………。

 って、待って待って待って!?

 200個目!? まだ揚げてないのもあるのに!?

 あれ? これ、作り過ぎじゃあ……。

ようやっと、コロッケ完成~ぃ♪


でも、200個。

作り過ぎじゃね?


お子様8人に、親御さんが3人……。

計11人で200個…一人頭18個…拷問ですか?

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