朝ご飯前の一騒動? いえ、何時もの日常(プラス ワン?)です!
明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願いします。
今回から、投稿間隔を変更します。
毎週金曜日の週一投稿になるので、気が向いたら読んでやって下さい。
あっさご飯~、朝ご飯~♪
何時もは、私中心で作る朝ご飯を、誰かに作って貰えるのは、ちょっとしたご褒美みたいで、楽しみですね♪
ぁ、勿論、ご飯を作ることは、苦ではないですよ?
お姉ちゃん達の誰かと作ったり、お父さんと作ったり、たまにお兄さんズが手伝ってくれたりと、毎日楽しくお料理してますもん。
「お嬢様方をお連れ致しました」
軽くノックをして、ミランダさんが扉を開けてくれます。
開けた扉を抑えるようにして、道を譲ってくれるのが、使用人さん達の常ですね。
軽く会釈をしようかと思いましたが、子供に頭を下げられるって、ちょっと変ですかね?
足りない身長で、下げられた視線に目を合わせ、にっこり笑顔で、小さく手を振っておくくらいにしておきましょうか♪
使用人さんに手を振って扉を潜り、大食堂へと歩を進めます。
一緒に来たのは、お姉ちゃん達3人と、レグルス達契約獣。
ヒューバート様はお着替えが必要らしく、一度お部屋に戻られました。
後で、お邸探検に連れて行ってくれると約束してくださったので、それもすっごく楽しみなのです♪
「おはよう、皆。良く眠れましたか?」
お父さんが、お邸の主人であるディラン小父様よりも早く、朝の挨拶を投げ掛けてきました。
「……。おはよう、父上。ちゃんと眠れましたが…」
「…不敬…?」
「ぶはっ! くくくっ」
ラル姉さんとベル姉様が、お父さんの態度に突っ込めば、ディラン小父様が吹き出しました。
お父さんはお父さんで、シレッとした態度のまま、朝のお茶を飲んでます。
「大丈夫ですよ、カーチェは、この程度で怒る様な、器の小さな愚物ではありません。
それに、多少暴言を吐こうが、態度が悪かろうが、私的な場所では、冒険者時代と変わり無く接して良いと、了承は得ていますから」
「だからといって、少々お行儀が悪いかと思いますよ?」
「おとぉさん、おはよう」
フォルお姉ちゃんの言葉が終わる寸前、小走りで駆け寄り、お茶をソーサーに戻したお父さんの腰に、勢い込んで抱き付きます。
ダイニングテーブルに着いていたので、横から突撃した形です♪
「ごふっ!?」
ぁ、脇腹に頭突きが……。
「げふっ、~~~~~っ、コホッ」
「ぁうぅ……おとぉさん、ごめんなしゃい…」
咳き込むお父さんを、しがみつく様にして見上げます。
まさか、直撃コース上に脇腹があったとは…。
ぁ、でも、正面よりは多少マシなのかな?
正面だと、確実に鳩尾コースですし。
と、それよりも!
お父さん、大丈夫でしょうか…。
クリティカルヒットしてましたし、効果は抜群で、瀕死状態になったりとかしませんよね!?
いや、それは、ゲームですね。
なんか、思考が変な方へと暴走してます。
自分がやっちゃった現状が、かなりのショックみたいです。
痛いですよね…。
痣とかになってないかな…。
ぁ、呼吸は落ち着いたみたい…ですね。
良かった。
「おとぉしゃぁぁぁん、だいじょぉぶ?」
「こふっ。だ、大丈夫ですよ、ユナ。ちょっと当たり所が良かっただけですから」
泣きそうになりながら、お父さんを見上げていると、困った様な笑顔で、お父さんが頭を撫でてくれます。
お父さんの笑顔に、ちょっとだけ安心して、へにょって笑えば、目尻に溜まっていた涙を、シリウスが舐め取ってくれました。
「クックックッ。ラズの娘達は、みんな楽しくて可愛らしいな。
うちの子の嫁に欲しいくらいだ」
私とお父さんのやり取りを、爆笑しながら眺めていた小父様が、席を立って近付いて来ます。
「どうだい? 小父さんの義娘にならないかい?」
私達の視線の高さに合わせて屈み、私の頭に手を乗せて、そっと撫でながら私達姉妹を見回します。
「ぅ?」「「「御断りします」」」
撫でられるのが気持ち良くて、小父様が言った事が、直ぐには理解できず、小首を傾げます。
それと同時くらいのタイミングで、お姉ちゃん達が即答してました。
?
何を御断りしたのでしょう?
「…カーチェ、死にたいのかな?」
お父さんにしがみついたまま、小父様に撫でられていましたが、お父さんから冷気を感じました。
そちらを向くと、お父さんの座る椅子や、それに接触している床がパリパリと凍りついてます。
「げ。待て待て待て。冗談! 冗談だから!」
「いいだろう。今回だけは、見逃してあげるよ。次は無いからね?」
慌てて前言を撤回する小父様に、お父さんも怒りを収めたのか、氷が端の方から掻き消える様に消失していきます。
ただし、お父さんの背景には、真っ黒な焔が揺らめいている様に見えますが…。
それにしても……お嫁さんですかぁ。
お姉ちゃん達の花嫁姿は、きっととっても綺麗ですよね。
見てみたいです!
ぁ、でも。
お姉ちゃん達がお嫁に行っちゃったら、別々に暮らすことになるのかな?
それは嫌だなぁ…。
「ねぇねたちとおわかりぇ……や…なの…」
想像上のお別れに、寂しくなって涙が滲みます。
小父様が、お姉ちゃん達をお嫁さんに欲しいと言ったのは、本当に冗談だったのか……。
心配になって、小父様の服の裾を引き、離れたく無いと訴えてみました。
「え!? わ!? ご、ごめん! ~~~っ、す、すまない。無理矢理お嫁に貰ったりしないから! ね! ね!」
泣きそうな私を見て、小父様が先程以上に、アワアワと焦って前言を否定してくれます。
そのおかげで、多少安心しましたが、まだちょっと不安が残ってる気がします…。
「……ほんちょ?」
「本当! 本当だとも! ほら、心配なら、ちゃんと約束しよう」
「ぁい! おやくしょくちましゅ!」
小父様が利き手の小指を私に向けてくれます。
前の世界で【指切り】と呼ばれていた約束方法ですね!
これ、ちょっと怖い逸話がある約束方法なんですよね…。
まぁ、それはそれとして。
クラウディアでは、この【指切り】は【女神の誓約】と呼ばれています。
利き手の小指で行い、約束を違えると、約束を交わした相手との縁が、生涯に渡って切れるとされています。
しかも、約束を違えた方には、勿論罰則が課せられます。
これなら、お姉ちゃん達と離れ離れにはされません!
「ふふふ。ユナ、良くやりました! 素晴らしいです!」
小父様との約束を終えたら、お父さんが私を抱き上げて席を立ち、“高い高い”で喜びを表現してくれます。
背の高いお父さんの“高い高い”は、ちょっぴり怖いけど、落とされる心配は無いので、怖さも楽しさの一因と化します。
「ユナは最強だもの♪」
「ユナの涙に勝てるヤツ、いないもんなぁ」
「…ん。ユナ泣かせたら…滅殺…あるのみ…」
キャッキャッとはしゃぐ私を見ながら、お姉ちゃん達が面白そうに笑ってました。
ベル姉様に至っては、拳を握って、何か決意表明の様な感じですが…。
何故?
『…ユナ。自分も嫁に欲されていたとは、思っていないのだろうなぁ』
『ええ。ユナが、そこに思い至る事は無いでしょうね…』
『ユナも、天然呆け気味だよねぇ~♪ そこも可愛いけど~♪』
契約獣達のひっそりとした念話は、はしゃぐ私には届いてませんでした。
お姉ちゃん達が、お嫁に行かなくて、良かったぁ~♪
今年最初の投稿から、グダグタ感満載の稚拙文ですが、ユナちゃん達の日常は、昨年と変わらず、のんびりゆったり、微睡む様に流れていきます。
読んでくださる読者の皆様に、一時(一瞬?)の安らぎと、ほんわかした和みをお届け出来れば、幸いです。
『女神様の娘になりました。』を気に入って頂けた皆様に、本年の御多幸と御健勝を、御祈り申し上げます。
峠岬 嶺