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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第7章─新たなお友達? それとも好敵手? 歳上の男の子は、未知の存在です!
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英雄の家族が教える『嫌味受け流し方法』? 笑顔は無敵、真顔は素敵?

今年もあと少し。

この投稿で、今年分は終わりになります。

忙しい年の瀬を、皆様健やかにお過ごし下さい。

「何!? 彼の英雄【銀雷のラズヴェルト】殿か!? それは本当だろうな!? 嘘だったら、承知しないぞ!?」


「本当だ。あたしは、ラル・オーリシェン。同じくラズヴェルトの娘だ」


「…ぼくは、ベル…。…ベル・オーリシェン…。…ぼくも…父様(ととさま)の娘…」


 興奮して、言葉遣いが荒くなるヒューバート様に、呆れた様に自己紹介するのはラル姉さん。

 ベル姉様は、ちょっとお顔をしかめて、ボソボソと自己紹介をしました。


 ………。

 ベル姉様、五月蝿いのや騒がしいのが苦手だから…。

 うん。

 仕方無いと思うの。私も苦手ですもん。


「英雄殿の娘児(むすめご)達とは……、今までの無礼、失礼致した」


 人族では、ただ1人のSクラス冒険者として、お父さんは男の子達の生きた英雄(ヒーロー)として、憧れられているらしいです。

 どこの世界でも、英雄の冒険譚──お父さん的には黒歴史らしいですが…──というのは、男子に人気なんですね。

 その上、お父さんの容姿や、お母さんとの相思相愛加減──巫女姫と英雄の恋物語として本にまでなってます──が、女の子達まで虜にしているらしいです。


 興奮をなんとか呑み込んで、ヒューバート様が謝罪をしてくれました…。

 が、言葉が硬い!

 それは、子供の喋り方じゃないと思います!


「ヒューバートしゃま、むじゅかしいことばは、イヤなの」


 お姉ちゃん達にグイグイと近付いていたヒューバート様に、もう一度近付き直して、お洋服の裾をツンツンと引っ張って、関心を引いてみました。

 自分の気持ちを伝えつつ、フルフルと首を横に振ります。


「だな。ヒューバート様は、幾つなんだ? あたし達は8歳と3歳だ」


「僕は、今年6歳になったのだ。もう、立派な大人なのだから、言葉遣いや言い回しに気を使うのは当然だ」


 ラル姉さんに聞かれて、少々戸惑いながらも、ヒューバート様が歳を教えてくれました。

 私より3つ程歳上ですねぇ。


「…6歳…。…ぼくたちより、年下…。…なら、まだ子供…。

 …貴族であれば、確かに気をつけるべき…。…でも…」


「公の場でもないのに、無理する必要なんて無いじゃない。

 それと、成人した訳でもない子供に、大人の対応を望む様な相手は、無視しておけば良いわよ。

 あぁ、無視するっていっても、分かりやすく無視すれば、態度が悪いとか難癖をつけられて、家族まで貶されたりするから、極端な表情で聞き流すのをお奨めするわ♪」


 ヒューバート様の言い分に、ベル姉様とフォルお姉ちゃんがサクッと反論してますね。

 フォルお姉ちゃんなんか、立て板に水状態で、受け流し方まで教えてますし。


「極端な表情?」


「…ん。満面の笑顔か…、無表情(まがお)がお奨め…」


「あたしとベルは無表情で、フォルとユナは笑顔で聞き流すぞ?」


 ベル姉様まで推奨してますし、ラル姉さんは私達の受け流し方法を説明してます。

 ここは、私も話に乗りましょう♪


「ヤなことをいわりぇたら、えがおで“しらんかお”しゅるのよ。

 おかぁさんも、おとぉしゃんも、そうしなしゃいって、いってたの♪」


 お母さんは勿論、お父さんまで推奨してくれましたとも!

 因みに、お母さんとお父さんは、笑顔派だそうです。


 ただし、お父さん曰く、お母さんは軽く天然呆け気味だそうで、興味の無い相手や嫌味しか口にしない様な相手は、記憶に残らないんだって。

 なので、嫌味をどれだけ口にしても、暖簾に腕押し、糠に釘状態で、嫌味が途切れた辺りで、お父さんに「あの人、誰? 知り合い?」なんて、真剣に確認してくるらしいです。


 このエピソードを聞いた時、お姉ちゃん達は爆笑してました。

 以来、お姉ちゃん達も、お母さんに倣う形で、どうでもいい相手は、記憶してくれないのです。

 だから、お姉ちゃん達が覚えない分、私が覚えておくことにしています。

 回避方法としては、聞き流すより、端から遭遇しない様にした方が、嫌な気持ちになること無く、平穏に暮らせますからね。


「成る程な。僕なら無表情が良さそうだな。

 言葉を崩せと言うなら、私的な場所では、多少言葉遣いが荒くても、許してくれるか?」


 ヒューバート様が納得し、言葉を崩す許可を求めてきました。

 立場的には、本来なら許可を求めるべきは、私達の方だと思うのですが…。

 というか、公の場だと、私達の態度は、完全に不敬罪が適用されますね。


「私達も、今まで通り敬語を使わなくて良いなら、そんなの全然許容範囲内だわ♪」


 フォルお姉ちゃんが楽しげに了承したので、私達も頷くことで同意します。

 そんな私達を見て、ヒューバート様も嬉しそうに笑いました。



 *~*~*~*~*



 朝ご飯の時間まで、もう少しあるので、室内のサンルームへと移動し、お茶をしながら色々なお話をしました。


 ヒューバート様が聞きたがったのは、お父さんの冒険譚で、お姉ちゃん達が話してくれるそれを、私と一緒に目をキラキラさせて聞いたり。

 お姉ちゃん達が、私という家族が増えた時の気持ちを、熱意をもって語ったり。

 お姉ちゃん達に負けじと、ヒューバート様がお兄様との思い出を話してくれたりと、和やかな時間が過ぎて行きます。


「……ところで、お前達3人は誰が姉で、誰が妹なんだ?」


 ふと、自己紹介の時に、名前と“誰の娘であるか”しか名乗らなかったお姉ちゃん達の言葉を思い出したのか、ヒューバート様が尋ねてきました。

 私は、四女と名乗っていたので、ヒューバート様の視線は、お姉ちゃん達3人の間をさ迷います。


「私達は三つ子なの。3人に順番は無いけれど、書類に記載されてる順番は、私が長女で、ラルが次女、ベルが三女よ」


「まぁ、あたし達姉妹は、姉が3人、妹1人って感じだな」


「…ん。…それが正解…だと思う…」


 フォルお姉ちゃんが説明し、ラル姉さんが結論を口にします。

 ベル姉様も同意して、隣に座っていた私の頭を撫でてくれます。


 確かに、お姉ちゃん達は誰が一番上といった言動がありません。

 私といる時は、お姉ちゃん達が上で、私が下といった姉妹間の暗黙の了解──勿論、上は下を守る者、下は上を頼り支える者という意味です──がありますが、お姉ちゃん達だけだと、3人が3人とも同等なんです。

 姉妹であると同時に、気心の知れた友人の様な、お姉ちゃん達の在り方は、とっても素敵なのです♪

切りがいいのか、悪いのか…。


今年も一年間、作者の拙い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。

来年からは、以前予告した様に、投稿スタイルを変えてみようと思っています。


半月毎の偶数日投稿ではなく、毎週金曜日の週一投稿になります。

慣れてきたら、月・金の週二に出来たら良いなぁなんて考えています。


取り敢えずは、週一投稿という事で、来年最初の投稿は、1月5日を予定しています。


つらつらと拙い文章を書き連ねる、未熟な作者ですが、慈愛の精神をもって読んでくださる読者様方に、多大なる感謝を。


今年一年、大変お世話になりました。

来年も、何卒宜しくお願い致します。

良いお年を。


峠岬 嶺

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