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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第7章─新たなお友達? それとも好敵手? 歳上の男の子は、未知の存在です!
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朝一番の遭遇? 突然の出会いは……。

「誰だ、お前!」


 いきなりビシッと指を突き付けられて、返答に困り、固まりました。


 貴方こそ、どちら様?



 *~*~*~*~*



 時間は戻り、朝の目覚めの時です。


「………ここ、どこぉ?」


 寝惚け眼で辺りを見渡し、ゆっくり回転し始めた頭が、昨日の出来事を思い出します。


 あぁ。

 領主邸でしたね…。


 寝惚け眼を擦り、もそもそとベッドの上を移動します。


『ユナ? 起きたのか?』


 薄布の向こうから、レグルスの声が聞こえます。

 お姉ちゃん達を起こさない様に、念話とはいえ控え目です。


「ぉはよ~、レグルしゅ。おきたよ~」


 薄布を避けて、ベッドの端へと移動すれば、ベッドの直ぐ横に、レグルスが伏せています。

 頭を近付けてくれたレグルスの鼻先に抱き付けば、不意に足がベッドから浮いて、レグルスの頭に全体重が掛かった状態で、そっと運ばれました。


 ちょっと驚きはしましたが、そのままベッドの下へと下ろされ、自分が移動させられた理由に思い至ります。

 自宅と違い、昇降台が無いので、高さのあるベッドから、1人で下りるのは危険ですから。


「あぃがとぉ~」


 へにょっと、力の入らない笑顔で、レグルスの鼻先に、再び抱き付きます。

 レグルスとシリウスは、元の大きさに戻っていて、私が頭に抱き付いても、腕が回りきらずに、しがみつく形になるのは、ご愛嬌ですね♪


 さて、朝の準備を始めましょう♪

 今日はご飯の支度が必要無いので、ゆっくり準備出来ますね。


 固有(ユニーク)技能(スキル)【無限収納】を発動させようかと考えましたが、リュックから着替えを出す事にしました。

 リュックは応接間に置いてありますから、移動しましょう。


 下着や寝間着は、昨夜お父さんがお父さんの(・・・・・)【無限収納】から出してくれましたが、今日着るお洋服は、貰い忘れちゃいました。

 お父さんに会わずに、昨日とは違う服を着ていると、私も【無限収納】を所持している事を、家族以外に知られかねませんからね。


 ユニークスキルは、出来るだけ他の人に知られない様にすると、お母さんと約束してますから。


 まぁ、親しくなって、信頼出来ると確信した相手になら、教える事も吝かでは無いですし、お母さんも“一緒に秘密を抱えてくれる友人”を作ることには、賛成してくれてます。

 早く仲良くなれる“誰か”に会えるといいなぁ。


 ぁ、お姉ちゃん達やお父さんとは、立ち位置の違うお兄さんズには、家族としての認識が生まれた時点で、【無限収納】所持者である事を、暴露してあります。

 お父さんが【無限収納】を持っている事を知っていた為か、私が同じ固有技能を持っている事は、お兄さんズにすんなり受け入れられ、「他の人には絶対知られない様に!」と、真剣に諭されました。


 さて、リュックから着替えを出しましょう♪

 どれが良いかなぁ?

 ぁ、これにしましょう!

 撫子色のセーラーカラーのワンピース!


 スカーフや腰の飾りリボンに使われてる葡萄酒色(ワインレッド)が、差し色になって、ちょっと大人っぽい。

 3歳児に大人っぽさは必要無いかなと、チラリと過りますが、可愛らしさと大人っぽさが同居するデザインには、心惹かれます。

 今まで着たことの無いデザインですから。


 レグルスの前で着替えるのは、ちょっと恥ずかしいので、簡易浴室に移動します。

 着替えと洗面を済ませちゃうのです。


 ぁ…。

 洗面台も高い……。


 自宅の洗面所は、魔道具がありますが、そういえば、魔道具ってかなり高価な品物でしたね。

 着替える前に、水を使いたかったのですが…。


「にょえ!?」


 洗面台を見て迷っている内に、突然首の後ろを引っ張られ、目に写る景色が凄い勢いで変化しました。

 可笑しな声が漏れたのを気にする隙もなく、洗面台の前に高さぴったりで座っています。

 あれぇ?


 状況を確認すると、私のお尻の下には、レグルス。

 ………。

 どうやら、レグルスが襟首を咥えて背中に横座りさせ、洗面台の前に伏せてくれた模様。

 確かにこれなら届きます。届きますが……。

 レグルス…一声かけてくれても良いのでは?


「ありがとぉ」


 ちょっと困惑しながらも、問題は解決されたので、レグルスにお礼を言って、そっと撫でます。


『洗顔が済んだら、声を掛けろ』


 極力動かない様に気遣ってくれるレグルスに、感謝しながら歯磨きと洗顔を終え、レグルスには先に応接間に戻って貰い、着替えます。

 髪は軽く梳かすだけで済ませます。

 邪魔になるようなら、後で結べばよいですね。


 着替えと洗面を済ませて少しした頃、小さなノックが聞こえました。


「はぁい。どうじょ~」


 扉に近付き、レグルスに扉を開けて貰います。

 少し開いた扉から、廊下を覗いて、ミランダさんを見付けます。


「おはようごじゃいましゅ! ミりゃンダしゃん」


 あうっ。

 お名前噛んじゃいました…。


 苦笑混じりの照れ笑いで誤魔化しつつ、入室を促します。

 ミランダさんを迎え入れ、ミランダさんが運んで来てくれたお茶をいただきます。


「ミランダしゃん。おにわに、おしゃんぽしにいっても、いいですか?」


「構いませんよ。ご案内致します」


 勝手に邸内を歩くのはマナー違反だと、昨日の内に聞いていたので、ミランダさんにお庭のお散歩を強請(ねだ)ってみました。

 いつもは朝、香草調達に出て、朝一番の日光にあたるので、今日も先ずはお外に出てみたいのです♪

 お庭が駄目なら、窓の向こうのテラスにでも出るつもりでしたが、快く許可してくれたので、レグルスを連れて、早速行動しましょう♪



 *~*~*~*~*



 そうしてやって来たお庭で、朝露に濡れて輝く花の美しさと芳しさを堪能していたら、突然背後から「おい! そこの幼女!」と叫ばれました。


 ………。

 いえ、はい。

 確かに、私は幼女ですが……。

 え? これ、返事しなきゃ駄目ですか?


 恐る恐る振り向けば、冒頭の誰何です。


 指を突き付けられた衝撃に、回想することで逃避してしまいました。

 この状況……どうすれば?


「坊っちゃま……。人に指を突き付けるのは、礼儀を知る紳士のなさる事では御座いません。

 お嬢様への非礼を謝罪なさる事を進言致します」


「なんだと!? ミランダ! 貴様、どちらの味方だ!」


「わたくしの主は、ご領主様であるディラン閣下です。

 何より、お嬢様は行方知れずになっていた、ご領主様の愛猫テトラを、助けてくださった恩人の御一人ですから」


 ………。

 あの~、私は放置ですか?

 お部屋に戻っても良いかな?

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