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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第6章─賑やかにレッツゴー♪ 街中散策も、楽しいイベントでっす!
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領主邸─客室─探検隊結成? お部屋の外には、勝手に出ちゃ駄目らしいです。

「ふんふんふ~ん♪ ふふふふん♪」


 只今、お姉ちゃん達と移動中です♪

 右手はフォーレお姉ちゃん、左手はベル姉様に引かれ、頭の上に小鳥姿のアルタイルを乗せて、軽くツーステップを踏んでみます♪


 両側を抑えられたら、スキップよりもツーステップですよね♪

 ただし、大きく踏むのは、いただけません。

 こっそりツーステップ、ツーステップです♪


 前を歩くのは、メイド服のお姉さん。

 私の後ろには、子犬姿のシリウスを抱っこしたラメル姉さん。


 お父さんのいる場所まで、明るく元気に行きましょう♪



 *~*~*~*~*



 目覚めた客室は、天蓋から下げられていた薄布を避けると、格式高い雰囲気の室内でした。

 品よく調えられた調度品と、壁や棚に飾られた装飾品で、落ち着いた空間が演出されています。


「シリウしゅ、めがさめちゃったから、おへやたんけんちてもいぃ?」


『構いませんよ。私が動くと、ラメル様達を起こしてしまいますから、アルタイルと行ってくださいな。

 知らぬ場所では、1人になっては、いけませんよ』


「ぁい。アりゅタイゆ、いっちょにたんけんちましょう!」


 シリウスの許可を得て、もそもそとベッドの上を移動します。

 小さな声で、誘いをかけて、ベッドから下りようと思いましたが…。


「ぁにゃ? たかいねぇ……にょ!?」


 思いの外高さのあった床までの距離を、どうやって下りようかと考えていたら、襟首を咥えてシリウスが下ろしてくれました。


『これで良いでしょう?』


「あぃがと~ぉ」


 シリウスにお礼を言って、アルタイルに手を差し出せば、腕を伝って頭に登ってくれます。


「いってくりゅね♪」


 シリウスの鼻先に抱き付いて、頬擦りしてから離れます。

 レグルスがもう一人のお父さんなら、シリウスはもう一人のお母さんですね。

 優しくて暖かい。


 お姉ちゃん達を起こさない様に、そっと寝室の扉を開けます。

 扉の向こうは、応接間かな?


 暖炉の側にはソファとローテーブル。小さめの書棚と小さな文机。

 硝子扉の窓際には、ティーテーブルと椅子が二脚。

 窓の外には、整えられた中庭らしき風景が広がっています。

 色んな花が、色とりどりに咲き乱れ、昨日の花畑を思い出します。

 あの場所とは違う、人の手で造り上げられた美しさだけど、気持ちを和ませる優しい色彩に変わりはありません。


「きれ~ぃ♪」


『ん~、そだね♪ 僕は、天然の花園のが好きだけど~、庭園(コレ)庭園(コレ)で綺麗だね~♪』


 窓の硝子に貼り付く様にして外を眺める私に、アルタイルも楽しそうに同意してくれます。

 アルタイル達契約獣は、元々自然の中で生きる、逞しくもしなやかな種族が多いです。

 なので、人工的な物より、自然のままに在る物を好むのです。


 窓から離れ、書棚へと近付けば、文机の上にグラスベルを見付けました。


「アりゅタイル~、コレなぁに?」


『ん? ああ。“呼び鈴”だね~。それを鳴らすと、この家の人間……え~と、使用人? だっけ? が来るはずだよ~。

 貴族の家って、隠し部屋とか~隠し通路が在るらしいんだけど~、勝手に探ったりすれば~、間諜とか~密偵とかかって~疑われるんだって~。嫌だねぇ~』


 ………。

 アルタイル……微妙に毒舌?

 アルタイルは貴族の人が嫌いなのかな?


『そんな風に疑われるのを~回避するために~、部屋から出る時は~、呼び鈴を鳴らして~、その家の人間を呼ぶんだよ~』


「そっかぁ~。じゃあ、こうきしんで、ならしちゃダメだねぇ」


『鳴らしたいなら、鳴らしてみれば? お茶とかジュースくらい、用意して貰えるかもよ?』


「ん~ん。いらにゃい。のみものなら、まじっくばっぎゅ(魔導鞄)にあるし、だれかがきたら、ねぇねたちがおきちゃうもん」



 *~*~*~*~*



 目覚めた客室の応接間で、ホットミルクを飲みながら、待つ事数分。

 お姉ちゃん達が起きたので、呼び鈴を鳴らして、案内してくれる人を呼んでみました。


「御初に御目にかかります。当領主邸にて侍女長を勤めます、ミランダと申します」


 呼び鈴を鳴らして暫くしたら、背筋の伸びた、凛とした女の人がやって来ました。

 落ち着いた空気を纏い、優雅な所作で挨拶をしてくれたのは、お母さんより少し歳上の、綺麗な栗色の髪のミランダさん。


「はじめまちて、ユナです!」


 お姉ちゃん達が挨拶と自己紹介をするのに倣って、私も笑顔でご挨拶です。


 ミランダさんは、微笑ましげに私達を見回し、早速おもてなしをと言われましたが、先にお願いをしてみます。

 お姉ちゃん達と相談して、起きた以上は、お父さんと合流する事にしたんです♪

 間の良い事に、お父さんの方もレグルスによるお説教が終わり、ご領主様と面会するらしいので、その場までミランダさんが案内してくれる事になりました。



 *~*~*~*~*



 と、いうことで、冒頭の通り、ミランダさんの後に付いて、お父さんの元へと向かっています。

 お兄さんズは、あとから合流するらしいです。

 怪我してないといいなぁ。


 ところで、アルタイルは私の頭の上で寝てません?

 念話が途切れてる上に、ちまっと丸まって、微動だにしないんですが……。

 起きてますか~?


 ………寝てますね。

 アルタイルって、バランス感覚いいなぁ…。

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