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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第6章─賑やかにレッツゴー♪ 街中散策も、楽しいイベントでっす!
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魔法勝負は体力勝負? いえいえ、精神力の勝負です!

前回短かったので、今回は少し長めです。

ただ、やはり説明文過多です。

スミマセン。

 ………。

 何だろう、あれ。


 サランさんと別れて、お父さんに抱っこ移動を再開されて少し。

 只今、目の前に広がる光景に、お姉ちゃん達と絶句中です。

 レグルス達は、一切の興味を失い、遠い目をしてます。

 お兄さんズは、参加する気ですか? 目がキラキラしてます…。

 ぁ、良かった、お父さんは普通だ。


「どっせいっ! ぅおりゃあぁぁぁぁぁ!!」


「負けるか! せいっやあぁぁぁぁぁ!!」


 広場中央に人だかりが出来ていて、興味を引かれて覗いて見れば、その中心にはずぶ濡れの男性が2人。

 片方は鼻の上に絆創膏を貼った街のガキ大将風、もう一方はメタルフレームの眼鏡をかけた優等生風。

 お兄さんズより少し歳上らしい男の(その)人達が、噴水を挟んで怒鳴り合ってました。


 どうやら、中央の噴水の水を使って、何かの勝負をしてるらしいです。

 声だけ聞けば、喧嘩かな? とも思いましたが、険悪な雰囲気は全くといってありません。



 *~*~*~*~*



 ………。

 え~と…どうしてこうなったのかな?


 結局、この集まりは、水魔法を用いた勝負事で、始まりはあの二人の男性。

 ちょっとした言葉の応酬から、口喧嘩へと発展、終いには勝負事となり、結果面白がった街の人達が煽り、今や賭け事の対象と化しているらしいです。


 ぁ、お父さん、下ろしてください。

 自由に見学したいです。


 お父さんの抱っこから下ろして貰い、お姉ちゃん達と人混みを掻い潜り、一番前へ。


 男の人達は、どちらも退かないせいか、微妙に顔色が悪い気がするのは、見間違いではないはず。

 2人は、お互いにお互いの魔法を、同属性の魔法を用いて消しています。

 それを成すためには、自分が使用する魔法には、相手の込めた魔力を上回る量を込める必要があります。

 なので、このやり方だと、魔力の消費がどんどん激しくなるのです。


 基礎保有魔力が枯渇すると、回復には途轍も無い痛みを伴う上に、暫くは一切魔法を使用出来なくなります。

 そのためか、枯渇間近になると、身体が危険信号を出し、気怠さや関節痛となって表れます。


 ぁ、基礎保有魔力が枯渇しても、生命力と魔力は別物なので、生死の危険は、普通なら(・・・・)ありません。

 実は、あまり周知されてはいませんが、生命力を魔力に変換する事は、可能だったりします。

 ただし、法律で禁術指定がされていて、随分昔に変換方法自体は消失しているみたいですが…。


 一時期、極秘裏に研究が進められ、魔道具が造られたりしたんだって。

 まぁ、魔道具(それ)が出来上がる前に、ベル姉様が気付いて、三柱の女神が揃って、顕現してまで天罰を与え、今は完全に消失させた(・・・)そうです。

 魔道具が完成していたら、人体実験にまで進展していたかも知れず、下手をすれば、一気に世界滅亡もあったかも…。


 ベル姉様、流石です!

 フォルお姉ちゃんもラル姉さんも、止めてくれて有難う!

 …天罰の内容は、満面の笑顔なお姉ちゃん達が怖くて、確かめられませんでしたが…。

 ぁ、話が逸れた…。


「おにぃしゃんたち、だいじょぶかな? おかおが、うすあおいよ…」


「駄目じゃない?」「駄目っぽいな」「…駄目だと…思う…」


 お姉ちゃん達が、確信の言葉を投げ付けてます。


 いや、あの。

 駄目なら、止めないと……。


「あの程度でへたばるなんて、根性無ぇな」


「根性で魔力量は増えませんよ。

 まぁ、魔法の使い方が雑ですから、消費も激しくなるのは、当たり前ですね。

 自業自得ってヤツじゃないですか?」


 いつの間にか、側に来ていたお兄さんズは、辛辣ですね。


 と言うか、エディ兄さんは、根性でどうにか成るの!?

 クリスお兄ちゃん……雑って……自業自得って……。


 魔法は、基礎保有魔力を火種に、空気中の魔素に干渉して扱います。

 なので、魔素への干渉が上手い──または、丁寧な──人程、火種にする基礎保有魔力の量は、少なくなる。

 魔力の保有容量の少ない人は、魔素への干渉能力を鍛えるか、大きな魔法を使うのを諦めるかの二択だそう。


『まぁ、自業自得って言われても~、仕方無いよね~♪』


 アルタイルが、私の肩で毛繕いをしながら、興味無さそうにクリスお兄ちゃんの言い分を肯定します。


 基礎保有魔力の容量的には、ガキ大将風のお兄さんの方が多いみたいですが、優等生風のお兄さんの方が、魔素への干渉が上手です。

 ただし、お母さんやお父さん、お姉ちゃん達の魔法が基準だと、優等生風のお兄さんですら、まだまだ雑に思えます。

 うちのお兄さんズも、剣術と同時に魔法も、お父さんに師事しているので、以前見せて貰った魔法は、とっても凄かったです!


 優等生風のお兄さんは、魔法を使う時、火種にする基礎保有魔力を、大人の握り拳2つ分程必要としてる。

 お母さんやお父さん、お姉ちゃん達は、私の小指の爪程度しか使いません。

 勿論、私も同じくらいの量で、魔法が使えます。

 お兄さんズも、大人の親指の先──先から第一関節まで──くらいの量の基礎保有魔力で大丈夫でした。


 本来、魔法を使える様になるのは、5歳から。

 幼い内に、暴走を引き起こす事が無い様に、基礎保有魔力を体外へと放出する術は、生まれてから5年程、封印されています。

 5歳に成って行う“祝福の儀”で、初めて解放され、魔法が使える様になるわけです。


 が、そこはそれ。

 お母さんの眷族としての能力故か、使えちゃうんですよね…私…。


 シリウスに言われて、あまり使わない様にはしていますが、お姉ちゃん達が凄いので、バレても「あの子(お姉ちゃん)達の妹なら、出来ても可笑しくない」で済みそうな気がしてる今日この頃です。


 と、またもや逸れた。


「とめなくて、い~の?」


 お姉ちゃん達を伺い見れば、呆れた様に溜め息をついたり、軽く頭を横に振ったりと、止める気は無さそう。


「倒れるまでやらないと、気がすまないんじゃない?」


「好きにやらせとけ。良い教訓になるだろ」


「…自分の限界…知っておくべき…」


 あ~。

 完全に呆れてますね。

 ベル姉様に至っては、教える側のスパルタ意見です。


「まぁ、一度痛い目をみれば、嫌でも理解するでしょうね」


「だな。放っとけ、ユナ」


 クリスお兄ちゃんも、エディ兄さんも同意ですか。


『『『あっ!』』』


 後ろにいた、お姉ちゃん達やお兄さんズを、振り返って話していた私の耳に、レグルス達の驚きの声が聞こえた途端。

 横側と頭上から重い衝撃が……。


 ───バシャンッ。ボタボタボタッ。


「ふえっ!?」


 衝撃の強さと、いきなり全身から滴り落ちる水に、驚いて変な声が出ましたよ。

 咄嗟に出てくる声が変なのは、仕方無いですよね?

 私が阿保だからじゃ、無いですよね!?


 驚きのあまり、思考がどうでもよい様な方向へと、逃避して行きます。


「「「─っ、ユナ!?」」」


 衝撃の強さに押され、真横に倒れかけましたが、お姉ちゃん達が3人がかりで支えてくれました。

 ただ、そのせいで、お姉ちゃん達まで、びしょ濡れです。


「なっ!?」「ユナ!?」


 お兄さんズも、私との話に気を取られていたのか、突然の状況に動けず、固まってます。


 次の瞬間、広場一帯に、とんでもない冷気が充たされました。


 寒い寒い寒い!

 濡れ鼠状態に、極寒の冷気は無理です!


 凍えながらも、周りを見渡せば、広場にいる人達の足下が、例外無く凍り付いてます。


 ぁ、いや、私やお姉ちゃん達は無事だ…。

 寒さに凍えてはいるけど…。


 勝負に使われていた噴水の水も凍っているので、当事者達も困惑してますね。


「私の娘達に、害を成すのは、何処の何方ですか」


 低ぅ~い声が聞こえて、この状況を作り上げた原因に思い至ります。

 お父さんがお怒りですよ~!?


 凍える様な寒さに、ガタガタ震え、お姉ちゃん達を見上げれば。

 お姉ちゃん達にも、この冷気は堪えるのか、やっぱり震えてます。

 取り敢えず、この冷気を治めて貰わなくては、話すら出来ません。


「おと…しゃ…ん。……しゃ…むぃ……」


 か細い声しか出せず、お父さんに届くか心配でしたが、ちゃんと聞こえたらしく、足下の氷は溶けずとも、冷気は成りを潜めます。


「大丈夫かい!? ユナ! フォル! ラル! ベル!」


「だ、大丈夫じゃありません~」


「濡れた直後に冷気とか…何を考えてるのさ父上」


「…寒い…寝ても…い?」


「わぁあっ!? 駄目、駄目、駄目、駄目ぇっ!?」


 冷気に体力を奪われ、お姉ちゃん達も力無く、お父さんへの抗議を伝えます。

 お姉ちゃん達の中で、一番体力が無いベル姉様は、既に半分眠りかけてます。

 かくいう私も、このまま寝ちゃいたいです。

 お父さんの焦る声が、少しずつ遠退いて…ます…ねぇ…。


 眠りに落ちかけたところで、フワッと暖かな風に包まれます。

 心地好いです♪

 状況が気になって、睡魔と戦い、勝利しました。

 なんとか目を開けた私が見たのは、淡い緑の光と小さなレグルスの姿。


『もう大丈夫だ。後は俺が請け負う。体力を回復するためにも、暫し眠っておけ』


 レグルスの言葉と、包み込む様な暖かな魔法に、私は安心して眠りの海に沈みます。

 レグルスは、やっぱり…もう一人の…お父さん…みたい…です…ねぇ………。

前回の宣言通り、ストック補充のお休みを貰います。


次回の投稿は、12月14日。

そこからの投稿が、今年最後の投稿分になりそうです。


では、ストック作りに、行って来ます!

(`◇´)ゞ

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