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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第6章─賑やかにレッツゴー♪ 街中散策も、楽しいイベントでっす!
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飼い主さん発覚? これってフラグってヤツですか?

「たしゅかって、良かったねぇ~♪ わたちは、ユナでしゅ。にゃんこさんのおなまえは?」


「ニャア~」


「なるほど~、テトラくんでしゅね♪」


 クリスお兄ちゃんが助けてくれた三毛猫さんは、少々疲弊してはいましたが、声が掠れていただけで、他はなんともなさそうです。

 無事に助けられて良かった~♪


 リュニベール姉様が、魔法で確認して、軽い風邪の引き始めだと、診断されました。

 テトラくんが木に上ったのは、お日様が顔を出すより前だったらしく、降りれなくなって、助けを求め始めたのは、()の鐘が鳴る前だそう。

 思いの外、長時間気付かれなかった上に、空っ風に晒されてたので、温かくして栄養のあるものを食べさせましょう。

 飼い主さん探しは、テトラくんの体調を戻してからですね!


 窓の近くで鳴いてたのに、誰も気付かなかったのは、私達が通った廊下が、建物の中庭側にあたる人気の少ない位置にあったせいかも。

 ギルドの階段は三ヵ所にあって、テトラくんが鳴いていた窓があったのは、一番使用頻度の少ない階段を通らないと、近付かない場所でしたから。

 私達も、セレスさんが一緒じゃなかったら、使わなかった筈です。


 だって、その階段て、賓客用の他より豪華な印象の階段で、踊り場なんかに置かれてる飾り物も、高価な物が多いのです。

 壊さないか緊張しっぱなしで上る階段なんて、出来れば御免被ります!


 兎も角、偶然とはいえ、気が付けて良かった~。


 ギルド長執務室に戻って、応接セットのソファに下ろされます。

 ………。

 はい。ずぅっと、お父さんに抱っこされてましたとも。

 タオルにくるまれたテトラくんを抱っこした私を、お父さんが軽々と運んでくれましたとも!


 はうっ。

 抱っこは嫌いじゃないですが、恥ずかしいので、早く大きく成りたいものです。


「ふえっ!? テトラくんのかいぬしさんは、ごりょうしゅしゃまなの!?」


 一生懸命自分の事を説明してくれるテトラくんの言葉に耳を貸していたら、びっくり情報が飛び出しました。


「「はいぃ!?」」


「おや?」「まぁ」「ありゃ」「…はぁ…」


「「おいおい…」」


 モル兄とセレスさんは、私の言葉に驚愕。

 お父さんとお姉ちゃん達は、面倒事の予感に溜め息。

 お兄さんズは、呆れてますね。


 いや、私は厄介事ホイホイ(トラブルメーカー)では、ないですよ?

 ないですよね? …ないと思いたいです…。



 *~*~*~*~*



 テトラくんのお話では、領主様にもお姉ちゃん達と同じ年頃の息子さんがいるらしいです。

 昨日、その子が街中まで、視察──という名の散策?──に来る時に、内緒で付いて来ちゃったらしい。

 夜通し遊んで、木登りまでしてたら、降りられなくなったんだって。

 テトラくんてば、ヤンチャですねぇ。


 取り敢えず、テトラくんは、セレスさんが領主様の元へと、連れて行ってくれる事になりました。

 お父さんの“喧嘩仲裁威圧騒動”の件も報告が必要なので、「ついでですから」と快く引き受けてくれました。

 セレスさん、良い人ですね!


 ただ、テトラくん()の事は兎も角、威圧騒動の件は、呼び出しがあるかもとの事でした。

 お父さんは、明らかに顔を顰めて、溜め息をついてましたが…。


 テトラくんの言う、同じ年頃の息子さんとやらに、会えるかも知れませんね♪

 会えたら、お友達になれるでしょうか?


 あれ?

 それ以前に、お父さんへの呼び出しに、私達が付いて行けるのかな?


「え? 駄目ですよ?」


「やっぱり、ダ…「うちの娘達の可愛らしさに、坊っちゃんが魅了されない訳が無いですからね! うっかり惚れられない様に、会わない方が良いと思います♪」…メ…じゃないんだ……」


 サクッと駄目出しされたので、納得しかけた所に、お父さんの本音が溢れ出ました。

 一緒に行く行かないとか、呼ばれる呼ばれない以前に、お父さんに連れて行く気が一切無いんですね…。


 まぁ、確かに。

 お姉ちゃん達は、とっても綺麗で優しくて、仕草なんかも洗練されてます。

 惚れない男の子は居ないでしょう!

 ぁ、お兄さんズは別です。お兄さんズは家族ですから、惚れる惚れないは、他人事だそうです。


 お姉ちゃん達に惚れ込んだ男の子に、交際を申し込まれたり、プロポーズ等されようものなら、お父さんが暴走しそうですね。

 私も相手の事をガッツリ観察させて貰いますが…。

 だって、イヤな人にお姉ちゃん達との時間を取られるのは、御免ですもん。

 嫌いな人を、「お義兄(にい)さん」とは呼びたくないです。


 とはいえ、そんな事は、今考えても仕方無いので、今回は呼び出しがあっても、大人しくお留守番かな?

 お友達が増えるのは歓迎しますが、お姉ちゃん達との楽しい時間を邪魔されるのは、お断りです!


 握り拳で宣言したら、レグルス達に生温い目で見られました。

 何故?

ユナちゃん、順調にシスコン街道驀進中?

“惚れられる娘”の内に、自分は入ってない模様です。

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