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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第6章─賑やかにレッツゴー♪ 街中散策も、楽しいイベントでっす!
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突然の出会いと、緊急要請。絶対、助けます!

説明文の中に、動物愛護に携わる方には、ちょっと悲しい表現があるかも…?


作者は、小型犬と暮らしているので、迷子や捨て子にちょっと敏感です。

とはいえ、行動に移せるほどの積極性は無く、一緒に暮らす子を大事にしたいなぁと思う程度です。

 さて、はて、ふむむ。

 私の目の前には、可愛い可愛い三毛猫さんが…。


 食堂での騒動も収まり、只今移動中です。

 ギルド長執務室に戻って、モル兄とセレスさんも交えて、大事なお話があるんだって。

 移動に時間がかかれば、それだけ街中散策に出る時間が遅くなるので、私は大人しく抱っこされてますよ?


 ところで。

 街中では、動物の姿はあんまり見掛けません。

 小さな動物は、疫病を運ぶ事もあるので、清潔に保てる“愛玩動物”や、レグルス達の様な“契約獣”は、稀とはいえ見掛けますが、“野生動物”は街中に放置される事はありません。


 なのに、私の目の前には、三毛猫さん。


 法律で、愛玩動物を“捨てる”のは禁止されているので、街中に捨て犬や捨て猫もいません。

 ただし、やっぱり抜け道というか、逃げ道というか、法律の隙間は存在していて、“捨てる”事は犯罪でも、“野生に還す”のは犯罪じゃないと言って、街の外に愛玩動物を放す人は居るみたい。

 街の外には、魔獣の存在があるので、放された動物は大抵生死不明となります。

 まぁ、リシャの森方面──私達のお家のある森の方向──に放されていれば、生存確率はかなり高いのですが…。


 それは兎も角、話を戻すと、野良犬や野良猫は街中にいる筈が無いので、あの猫さんは……多分迷子……です。


 ………。

 と、思考が逸れてる間も、三毛猫さんはこっちを見てますね。

 ぁ、目が合った…。


「……にゃあ」


 抱っこで運ばれてきた私より、ほんの少しだけ低い位置に居る三毛猫さん。

 どうやら、木登りの後で降りれなくなってる模様。

 3階の窓を挟んで、内と外とで視線が交差しています。

 私を抱っこしているお父さんが、良い位置で足を止めているので、はっきりバッチリ目が合ってます。


「…にゃん、にゃあ」


「ユナ? 猫の真似は可愛いけど、突然どうしました?」


 木を見つめて突然鳴き(・・)始めた私に、クリスお兄ちゃんが声をかけてくれます。


 抱っこして運んでくれているのは、お父さんなのですが、会話をしやすいのは、視線の高さが揃うお兄さんズなのです。

 お兄さんズは、お父さんより頭1つ分か、それより少し低いくらいの背丈なので、お父さんに抱っこされると、ちょうど良い高さなんだよね♪


 それは良いとして、お兄ちゃんは猫さんに気が付いてません。

 お兄ちゃんの位置だと、微妙に壁が邪魔なのかもです。


「にぃたん、にゃんこ~」


 視線は三毛猫さんに向けたまま、木の上を指差します。

 私の指と視線の先を確認し、クリスお兄ちゃんも驚きます。


「あ、本当だ。猫だね。迷子かな?」


「まいご…」


 やっぱり、迷子ですよね…。

 どうしましょう。

 迷子って事は、意図せず飼い主さんとはぐれたか、冒険しようとしてお家が分からなくなっちゃったって事ですよね?

 家族の元に、ちゃんと戻れるんでしょうか……。


 迷子の事実に、三毛猫さんの最悪の結果を想像して、悲しくて泣きそうです。

 出来る事なら力になりたいのですが、三毛猫さんは木の上ですし、私はお父さんに抱っこされたまま。

 お互い自立行動が不能の状態みたいです。


「ん~、あの猫、降りれなくなってるのかな…。人見知りせずに大人しくしててくれれば、助けてあげられるんですが…」


「『猫さん(にゃあ)助けたいので(にゃんにゃあ)大人しく(にゃお)抱っこされて(にゃおにゃん)くれますか(にゃぁう)?』」


 気持ちを込めて、鳴いてみます。

 スキル【獣契約】に含まれる、通常スキル【意志疎通】と、上位スキル【念話】が発動したのか、三毛猫さんに言葉が通じたみたいです。

 びっくりして目がまん丸になってますよ?


『たすけてくれ(ナァーオ)るの?』


 ぁ、鳴き声が言葉に聞こえます。

 動物の言葉が分かるのは、助かります!


「わぁお! 可愛い~♪ 三毛猫♪」


「ん? なんだ? 迷子か?」


「…猫…」


 お姉ちゃん達も、三毛猫さんに気が付きました。

 窓下の壁に貼り付く様にして、背伸びしながら窓の外を確認しています。

 でも、今は三毛猫さんが優先ですね。


「『勿論(にゃ)助けたいだけだから(にゃぁおにゃん)爪をたてたり(にゃおにゃあ)、突然動いたりし(にゃぉん)ないで…』」


わかった(ニィー)はやく(ミィア)たすけて(ミャアァァ)!』


 悲しげに助けを求めて鳴く声は、大分掠れていて、長い時間助けを求めていた事が彷彿されます。

 鳴きすぎて力尽きていたのかも知れません。

 助けてくれる相手を見付けて、三毛猫さんも必死です。


「にぃたん、にゃんこさん、あばれないって! おとなちくしてるきゃら、たしゅけてって!」


「え!? え! ユナ、猫の言葉が分かるの!?」


「ユナは、【意志疎通】のスキル持ちだから、何と無く解るんじゃないかな」


 お互いの意思確認を終え、急いでクリスお兄ちゃんに告げれば、確信を持った私の言葉に、お兄さんズやモル兄達が驚愕します。

 モル兄と話していたはずのお父さんが、私の所持スキルを教えれば、皆納得しました。


 通常スキルである【意志疎通】は、割りと知られている技能(スキル)なので、隠す必要は無いです。

 本来は、他人に所持スキルを教えるのは、自殺行為だと云われますが、通常スキル…それも、珍しいものでなければ、結構あっさり公開する人も多いです。


「暴れないなら、俺が助ける(行く)か?」


「いえ、僕が行きます。慎重を期す救出(こういうの)は、エディには向かないでしょ?」


 俊敏な動きを自認するエディ兄さんが申し出てくれましたが、クリスお兄ちゃんが却下します。

 確かに、エディ兄さんは俊敏な動きをしますが、性格的に少々雑な所があります。

 なので、慎重を期す様な行動は、あんまり向いて無いのです。

 ぁ、でも、急を要する救出には、クリスお兄ちゃんより、エディ兄さんの方が向いてますよ?

動物愛護の精神において、表現に不快感があった方には、この場を以て御詫び申し上げます。

申し訳ありませんでした。


触れ合える動物は家族。

そんな考え方が出来るのは、幸福だと思います。

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