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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第6章─賑やかにレッツゴー♪ 街中散策も、楽しいイベントでっす!
100/169

管理倉庫の番人と空気な彼女。今更ながらの職員紹介。

100話達成~♪


………。

100話も投稿しておいて、未だ物語内の時間経過は、1ヶ月……。


展開遅くて、スミマセン。

「ブワッハハハッ! そぉかそぉか! 物々交換か!

 のぉ、銀雷(ぎんらい)。この嬢ちゃん(わし)にくれ。

 度胸の良さが気に入った!」


 私がウキウキした興奮を抑えきれずに宣言したら、お爺ちゃんに爆笑されました。

 何故に?


 ………。

 って、私、また貰われちゃうですか!?

 前の時は、モル兄に「ちょーだい」って、言われました。

 え、ええっ!?

 お姉ちゃん達やお父さん、お兄さんズとバイバイですか!?


「……トリスティン? 今すぐ死にますか?」


 お爺ちゃんの言葉に、一人で焦っていたら、お父さんから低~い声が。

 辺りの空気が、ピシピシと音を起てて凍りつきます。


 ───ヒュンッ。トスッ。


 直ぐ傍から、風切り音がしたと同時に、お爺ちゃんが頭を左に倒し、お爺ちゃんの右側──顔の真横…──に、壁に突き刺さった(・・・・・・・・)短剣が出現しました。


 ………。

 へ!?

 短剣!? なんで短剣!?

 え? しかも、柄の部分しか見えないって、どういう事ですか!?

 軽い衝撃音しかしなかったのに、室温のバターに刺さるナイフ並みに、深々と刺さってませんか!?


「どわっ!? 何すんじゃい、お嬢っ!? のわっ!? なんのぉっ!」


 咄嗟に避けたとはいえ、何が起こったかを理解すると、お爺ちゃんはラメル姉さんの方を向き、叫んで踏み出しかけ………つんのめった。


 私が助けようと手を伸ばす直前、リュニベール姉様に後ろから抱き抱えられました。

 お爺ちゃんは、体勢を気合いで建て直したみたいです。

 それと同時に、パリンッと澄んだ音がしたかと思えば、銀色の魔法がキラキラと散りました。


「チッ! 外したか…」


「…ぁ…解除された…」


 ラル姉さんは、避けたお爺ちゃんに対して、舌打ちして悔しがり、ベル姉様は、ぼそりと低く呟きます。


 銀色の魔法は、ベル姉様ですか?

 もしかして……闇魔法で、お爺ちゃんの足を、拘束してましたか?


「ていっ!」


 体勢を建て直した直後に、背後に移動していたフォーレお姉ちゃんが、お爺ちゃんに膝カックンを実行しました。


 フォルお姉ちゃん……いつの間に…。


 後ろに重心を置いて立て直した直後に、膝カックン。

 それは見事に極り、お爺ちゃんが“ぺしゃん”──ベシャ?──と潰れました。


「ギャッ! (いって)ぇ。(ひで)ぇな、お嬢達…。(わし)ゃぁ、非戦闘員じゃぞ?」


「知るか!」「…知らない…」「知りません!」


 強かに後頭部を強打して、お爺ちゃんが涙目です。

 お姉ちゃん達は、普通なら回避不可の攻撃を仕掛けた事を、当然だと胸を張ってます。


 いや、いやいやいや。

 駄目でしょう!?

 いえ、貰われるのを阻止してくれたのは、嬉しいですよ?

 けど、問答無用の手加減無しって…。


「うんうん。うちの娘達は、妹思いの良い子達ですね♪」


 お父さんが、冷気を引っ込めて、粛々と頷いています。


 お父さぁぁぁんっ。

 止めて! そこは、親として止めようよ!?


「煽るな馬鹿親父! そこは、叱るべきとこじゃろが!」


 私が絶句している間に、復活したお爺ちゃんが、元気に突っ込みを入れてます。


「知りませんよ。自己紹介どころか、挨拶すら無しで絡んでおいて、一方的に“家族を渡せ”などと(のたま)阿呆(アホウ)な老人には、当たり前の対処です。

 フォル、ラル、ベル、良くやりました。

 もし、次があったら、今と同じ対処法でいいですよ。

 問答無用。手加減も、遠慮もいりません。

 被害を受ける前に、速やかに原因を排除です!」


「「「了解(ラジャ)っ!」」」


 お爺ちゃんの突っ込みを、正論混じりの暴論で切り捨て、お父さんがお姉ちゃん達を誉めてます。

 ………。

 お父さん推奨の対処法は、攻撃こそ最大の防御らしいです。

 お姉ちゃん達も、右手を高々と上げ、声を揃えて了承を宣言してますねぇ。


 お腹に回されたままの、ベル姉様の左腕にも力がこもり、ほんのちょっと“グエッ”ってなったので、ギブアップのてしてし(タップ)をして、現実逃避させてもらいます。


 お父さんも、お姉ちゃん達も、過っ激~ぃ♪

 ……私も、参加すべきですか?



 *~*~*~*~*



「じゃ、買い取り査定も、お決まりの一騒動も、粗方終わったし、ちゃんと紹介するわね」


 私が遠い目をしていたら、モル兄がパンッと手を打ち、注目を集めます。


 ぁ、漸く紹介して貰えるんですね。


 ………。

 今更感が半端じゃ無いけど、ちゃんと聞きますよ~。

 …大丈夫。ちょっと疲れてるだけですよ…。


「この奇抜な爺様は、トリスティン・ジグ。

 非戦闘員を自称する、元AAランクの冒険者で、今は【素材管理倉庫の番人】て呼ばれてる、冒険者組合で一番の【鑑定士】よ。

 口も悪けりゃ、お腹も真っ黒な、とんでも爺さんだけど、普段は倉庫から出てこないから、爺さんの暴言は流すか、放置でお願いね?

 イラッとするだけ、無駄よムダ。

 まぁ、あんまり酷ければ、制裁は自己判断で、好きにして♪」


 モル兄が、お爺ちゃんの頭に手を置いて、ぽすぽす軽く叩きます。

 力は入れてない様なのに、お爺ちゃんの頭が小刻みに上下に揺れてます。

 …ボール?


 ………。

 モル兄……お爺ちゃん、キライなのかな…。

 紹介の台詞が、悪意満載デスヨ?


「で、そっちで隠密スキルを駆使して、存在感を極力消してるのが、【素材管理課の総合責任者】のレミィ・マディソン女史。

 瓶底眼鏡がトレードマークの、神出鬼没エルフで、人物鑑定に特化した変わり者。

 普段は、存在感を消した状態で、素材買い取りの受付に常駐してるわね。

 他の冒険者達の観察が趣味らしいわ。

 二人とも、ちょ~っとクセはあるけど、仕事に関しては(・・・・・・・)信頼出来る相手よ~♪」


 あれ?

 お姉さん……何時からそこに?


 倉庫の扉の横に、壁に同化するかの様に、女の人が佇んでます。

 蜂蜜色の金髪を左右に三つ編みにして、瓶底眼鏡をかけた、真面目そうな印象のお姉さんで、落ち着いた柔らかな緑のパンツスーツ姿です。


『ユナが目覚める前から、そこに居たぞ?』


 ん?

 ずっと居た?


 レグルスが言うには、受付カウンターに立ち寄った際に合流し、解体作業場にも、管理倉庫(ここ)にも、一緒に移動して来たらしいです。


 隠密スキル…凄い。

 全然気付きませんでした。


「………変人ばっかじゃねぇか。ラディオール(ここ)のギルドに、クセの無い人間なんているのか? 」


「………まぁ、面白いので、良いのでは? エディ。その問いへの返答は、黙秘します。

 こういう場では、口は災いの元になりかねませんから…」


 お兄さんズが小声で何か言ってます。


 街には、色んな人が居るんですねぇ。

 今日もまた、色んな人と知り合えました♪

ユナちゃん、順調に誤解中。

ラディオールの街は、変人の溜まり場では、ありません。


………ホントか?


作者にも、断言出来ない、変人大集合疑惑。


オネェ? いや、紳士か? に、ギルマス至上主義の愛妻家、ファンキー爺さんに、隠密エルフ。

変なのばっかな冒険者組合【アヴァロン】は、これからも舞台になるのかなぁ…。

続きも、頑張って投稿しますね。

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