出会ったのは、女神様? 状況説明お願いします!
初投稿です。
素人文章のご都合主義です。
説明文が多くなる、お馬鹿仕様です。
おおらかな気持ちで、暇潰しにでも、読んでやってください。
透き通るような青い空に、漂う雲の白色が目に鮮やかで美しい。
何処までも続く草原は、青々とした草が生い茂り、爽やかな風が、濃い緑の香りを運んで来る。
(綺麗な所だけど……邪魔だなぁ……)
考えたとたんに、胸の辺りまであった筈の草が、芝生へと変化した。
自分を中心にして、放射線状に2~3メートル程が、綺麗に整えられていた。
(!? ミステリーサークル……─!?──何?)
驚いて呆然としてたら、背後に気配の様なものを感じて、振り返る。
申し訳なさそうな顔をした“見知らぬお姉さん”が、手の届くギリギリの辺りに佇んでいた。
頭1つ分程背の高いお姉さんが、伏し目がちに頭を下げようとしたので、右腕を振る。
ヒュッ
スパァ─────ン!!!
「ッ痛ァ───ッ」
鋭い風切り音の後、空気を震わせて乾いた打撃音が響き渡る。
同時に、悲鳴をあげて丸く蹲る物体……。
………。
「いきなり叩かないでくださいっ!」
「何で?」
「───っ」
上体を起こして後頭部を抑えつつ、猛抗議するお姉さん。と、その斜め前で【ハリセン】片手に佇む私。
(? 何で抗議されたんだろう?)
疑問のままに小首を傾げると、お姉さんは絶句した。
「と、とりあえず状況説明するので、実力行使は止めてください。お願いします!」
今にも泣き出しそうなお姉さんの言葉に、私は軽く溜め息をつきながら頷いた。
「良いよ。聞いてあげる。まぁ、何となく予想はつくけど……」
(面倒くさいなぁ。ぁ、お腹すいた…かも…?)
お姉さんから視線を外して振り返ると、ミステリーサークルの中心部に、 真っ白で優美な屋外用テーブルセットがあった。
総レースのテーブルクロスが掛けられたその上に、用意されているのは、英国式のアフタヌーンティーセット。
3段トレイには、軽食やプチフール。
真っ白なティーポットには、香りで分かるアールグレイの紅茶。
白地に金のラインをあしらったティーカップは、ソーサーにふせられたまま。
(さっさと席つこう♪)
椅子の上には、腰に負担が無いようにと、クッションまで用意されている。
カップを起こし、温かな紅茶を注ぐ。
紅茶の香りを楽しむ為に、目を附せて深く呼吸すれば、身体に染み渡るようなベルガモットの芳香。
幸せな気持ちで、ゆっくりと紅茶を味わう。
「え〜と、ものすごく落ち着いてますね?」
私の態度に脱力したのか、お姉さんは動かずその場に座り込む。
私はチラリとお姉さんに視線を投げて、紅茶をテーブルに戻した。
「ソダネ。状況も理解してないし、自分でも多少はパニクってるのかな? とか考えてみたけど、割と普通? ってか、お姉さん何かした?」
テーブルに片肘をついて、軽食のサンドイッチに手を伸ばしながら、お姉さんに答えと疑問を放り投げる。
「……一応……話を聞いていただくために、精神感応で恐怖心にロックを掛けさせてはもらいました」
「精神感応……ってことは、此処は夢の中みたいなもので合ってる?」
「……………はい」
(ん~。正確には、夢じゃないのかな? “みたいなもの”ではあるけどって感じかな? さっきから、考えた事が全部実行出来てるけど。)
申し訳なさそうな態度のお姉さんに、疑問を振りつつ淡々と状況を整理していく。
「とりあえず、座ったら? 其処だとチョイ遠い。話しにくい」
私が促すと、お姉さんが私と向き合う形で席につく。
食べ掛けのサンドイッチを啣えたまま、お姉さんの分の紅茶を注ぎ、自分の分も継ぎ足す。
「ふふっ」
軽い笑い声に顔を上げれば、お姉さんが困った様な顔で私を見てた。
「ん。─────っ。……ゴメン。行儀悪いね」
紅茶をお姉さんに差し出しながら、啣えていたサンドイッチを口に押し込み、簡単に咀嚼して飲み込んだ。
「いえ。いただきます。あぁ、美味しいですね」
紅茶に口をつけて、お姉さんは染々とした感じで感想を漏らした。
「そ? なら、良かった。最近のお気に入りなんだよ。軽食も良い感じだよ? 食べながら話そ?」
「はい。…でも、その前に、謝らせてください。申し訳ありませんでした」
楽しい会話を望んだら、お姉さんに深々と頭を下げられた。
(ありゃ〜、これは……)
「ん〜、私、死んじゃった?」
「はい。それも、私達の諍いの余波で」
「あ〜、やっぱ、そんな感じのオチなんだ…」
予想していた1番“あり得ない展開”が正解だった……。
「…………本当に落ち着いてますね?」
「ん。昔から、こんな感じ。強い感情は、あんまり持続しない。嬉しいとか、悲しいとか。あと、怒りも。友人たちには、冷めてるってよく言われてたよ」
元々、私は感情の起伏があまり無い。
死ぬ様な目に会えば、多少なりともパニクるかと思ったけど、それも無かった。
(……と言うか、私はいつの間に死んだのだろう?)
自分の感情について考え込んでいた筈が、さっくりと意識が他の疑問へと移ってしまう。
「……そう…ですか」
返答に困ったのか、お姉さんは眉を八の字にしたまま、軽く目を附せた。
「ん。まぁ、取り敢えず、話を戻そうか」
「はい。え〜と、始めから順序だててお話しますね」
新しい疑問の答えが欲しかったし、場の空気を変えたかったので、話を振ってみた。
それに便乗してくれるらしく、お姉さんが背筋を正して真面目な顔をした。
「ぁ、その前に、お姉さん名前は? 私は、ユナ。織瀬結愛」
「すみません。自己紹介もまだでしたね。フェリシアです。シアと呼んでください。結愛さんのいた世界とは別の、【クラウディア】という世界を、創り出した存在です」
説明しようとしていた、お姉さん改めシアの“話の腰”を、バッキリ折って聞きたい事を優先させて貰った。
「ん〜、神様? なのかな?」
「いえ。確かにクラウディアでは、【主神】とか【創造神】とか呼ばれてます。けど、世界は幾つも存在し、崩壊と再生を繰り返しています。その為、その時々で、神という存在の在り方が違いますから、私は【管理者】の様なものですよ」
理解が追い付かず、考え込みそうになるのを感じ取ったのか、シアが苦笑しながら、再び説明してくれる。
「創り出した時点で、世界は私達【管理者】の手からは、離れてしまいます。【管理者】とは、世界の進化衰退を見守り、より永く世界を存続させる為の存在なのです」
(……進化と衰退……。見守るって事は、世界への介入とかは出来ないのかな?)
「まぁ、簡単に言ってしまえば、自分が創った世界でだけの“神様みたいな何か”ですね」
(うわ〜、ざっくり。けど、何と無く理解は出来たかな)
大雑把に考えるなら、神様でいいって感じかな。
「じゃあ、畏まった方がいい?」
「必要ないです。結愛さんは、謂わば被害者です。今まで通りで大丈夫です」
「そっか。有難う」
自分の態度が、初対面の人(しかも、女の人)への態度として、最低なモノである自覚はあったので、正そうとしたら止められた。
私を被害者だと、私の気持ちを“尊重してくれた”のが嬉しい。
無表情がデフォルトな私の表情筋が、久しぶりに仕事をしてくれた。
“笑い方”は、随分昔に忘れたと思っていたので、多少驚いた。
「───っ、それより。結愛さんの事です」
「ん。私、自分が死んだ状況が、今一思い出せないんだけど…」
「はい。結愛さんは、物理的な外因や、病気等の内因によって、死亡したわけではありません」
一瞬驚いた後で、シアが“私の死亡原因”を粗方否定した。
「───私達【管理者】数人の諍いに巻き込まれ、存在自体が消滅してしまったのです」
だから、シアが少々言い難そうに口にした“衝撃の事実”は、私の思考を一時停止させるには充分だった。
「存在が消滅……」
「本当に申し訳ありませんでした!!」
消滅って……。
思ってたより、大事だった。
再び起動しはじめた思考に、頭痛を覚えた気がする。
混乱したまま溢れた言葉に、シアは深々と頭を下げて謝ってくれた。
(けど、まぁ、ねぇ…)
「ん〜、起こった事を、無効には出来ないの?」
「はい。“現象の無効化”は可能なのですが、“事象の無効化”は不可能です。それ故、結愛さんを元に戻す事が出来ないのです」
混乱から立ち直った私の提案は、予想していたのか、さっくりと否定された。
シアは酷く落ち込んで、泣きそうになりながらも、真摯に私の出方を待った。
「そっかぁ〜。じゃあ、仕方無いね」
「え。……あの……怒ったり、泣いたりされないのですか? 泣きわめかれても、罵られても仕様がないと、覚悟していたのですが……」
「ン? 泣いたり、怒ったりして、何か変わるならやるけど、変わらないなら面倒くさいからしないよ?」
けろりと返した私の返事に、シアの方が慌てふためく。
感情の起伏が薄い事で、今までにもこんなやり取りはあった。
私は、面倒くさい事が苦手。
深く考える事もあまりしない。
「……結愛さん。貴女はもう少し、欲張りになっても大丈夫ですよ」
「ふふっ。私は、充分欲張りだよ。生きていた間だって、欲しいものは大体ゲットしてたし♪」
「いいえ。貴女は、生きていた時から、自分の為には、何も欲しがっていませんでしたよ。正確には、“1番欲しいものを諦めていた”様でしたが」
私は、親子愛的なものに飢えていた。
欲しいものは、大抵自力で入手できた為、親や祖父母には放置されていた。
弟妹達は懐いてくれていたが、大人から与えられる“無償の愛情”というものに憧れていた。
「───っ、そっか。諦めてたんだ」
「ええ。別の世界の【管理者】とは言え、私達の争いに巻き込んだ以上、結愛さんの世界の【管理者】によって、結愛さんの事は、生い立ちから現状まで、私達に伝えられています」
「ん。あんまり他人に知られたい事では無いんだけどね…」
「はい。それに付いても、謝罪させてください」
シアは、何処までも真っ直ぐだ。
神様がこんなに低姿勢で良いのだろうか?
と言うか、1番最初にシアを叩いた事で、ある程度チャラにして良いのに。
私的には、怒るのはアレで充分なんだよね。
最初に謝罪しようとしたから、完全にシア側が何か失敗したんだろうとアタリをつけて、“一発叩いて、互いに妥協”の精神で“初対面の人間をハリセンで叩く”なんて暴挙を働いたんだし。
「ふふっ。もういいよ」
笑いながら口にした【許す】言葉に、シアの方が泣きそうだ。
「さっき、ハリセンで叩いたし。それで、気はすんだから、気にしなくていいよ♪」
「で、ですが…。私達は、結愛さんの未来を、理不尽にも“巻き込む”という形で奪ってしまいました…」
「ん。でも、わざとじゃ無かったんでしょ? それとも、悪意があった?」
「っ、いいえ、いいえ。確かに、悪意ある攻撃ではなく、本当に偶発的な事故でした」
自分達の非を認めて、その上で真摯な対応をしようと、何度も頭を下げ続けるシアに、これ以上落ち込んで欲しくなくて、悪意の有無を問う。
必死に頭を横に振り、シアも【悪意】だけは否定する。
「ですが、だからこそ余計に申し訳ないと思っています」
「ん。有難う。そう感じて、悔やんでくれているなら、また同じ様な事が起きない様に気を付けてくれる? それで充分♪」




