77.Lv5ダンジョン1
アキトたちはダンジョン受付に来ている。
「今日はどちらのダンジョンへ? 」
「Lv5ダンジョンに行く予定です」
受付の騎士は怪訝な顔でアキトたちを見ている。
「Lv5ダンジョン以上はLv1下のダンジョンクリアが必須になってるが、Lv4ダンジョンをクリアしているのか? 」
「ええ、ギルドカードをご確認ください」
アキトは受付の騎士にギルドカードを渡した。受付はギルドカード読み取り魔道具で確認している。
「たしかに確認できたが、Lv5からは中型魔物が出てくる。推奨はBランク10名以上だ。それでも行くんだな? 」
中型魔物とは5mから10mの魔物のことをさす。どこが中型だと言いたくなるが、この世界ではそうらしい。
「ええ、行くつもりですよ。ご心配ありがとうございます」
「そうか、無理なようなら逃げるのも勇気だ。頑張って行って来い」
「ありがとうございました。では」
アキトたちはLv5ダンジョンに入っていった。現在時刻は8時半、アキトの今日の装備は大剣だ。
今までのダンジョン入り口は普通の直階段で高さ15メートルほどの長さだったが、今回のダンジョン入り口は螺旋階段でどこまでも続いていくような長さだ。高さ100メートルほど下がっただろうか、漸く下にたどり着いた。
「長い階段だったなー」
アキトはそう言いながら周囲を見渡すと今までのダンジョンのように通路はなく、地平線が見えるような砂漠地帯が広がっている。天井もかなり高く、ダンジョン内とは思えない開放感があった。
「砂漠・・・だけど暑くはないのが救いかな」
「これで実物の砂漠並に寒暖が激しかったら進むのもきつかったでござるな」
「それに方向がわかりにくい。完全にコンパス頼りだな」
アキトとピヨちゃんが冷静に観察している横では、ヨンとレンが初めて見る光景にテンションをあげている。
「何これー!一面砂まみれだ。歩くと面白い感触がするよ!足がすっごく沈み込む 」
「お姉ちゃんはしゃぐと転ぶよ。でも本当に面白い感触」
アカリとダスカーは逆にテンションが下がっている。
「このだんじょん、あるくの、ぜったいきついよ」
「ですね。体力がものすごく奪われそうです。さらにこの砂場、足を取られてしまえば戦闘時の危険も上がるでしょう」
アキトはよし!と声を出し気を引き締め、全員がアキトに振り返る。
「この砂漠、足を取られて体力の消費も激しいだろうけど俺たちにはゲートがある。疲れたらゲートで屋敷に戻って休憩しよう」
「あー!ゲート便利すぎ! 」
「いつどこから敵が来るかわからない砂漠で休憩取るのは危険すぎるし、すっごく助かるねー」
「さらに、地中からの接近を感知するために空間使いの能力で地中を探り、[知識の書]で全周囲警戒しながら進むことにする。俺のMEN値に余裕がなくなるから、魔法が戦闘中に使えなくなるけどいいかな? 」
「「「了解!」」」
「畏まりました、旦那様」
「じゃいつも通りにマップはヨンにまかせる。コンパスを見ながらどの方面にどれくらいの歩数歩いたか数えてマップ作ってくれ」
「わかったよ」
アキトたちは砂漠の中を進み始める。アキトは空間制御を地中方面に集中させ、動きがあるものだけの情報のみ取得するように制御を行う。前回行った知覚領域拡張に比べ取得情報が大きく減ったため、消費MENも脳への負担も大幅減少している。かなりの余裕が出来たため、さらに知覚領域を地中方面のみ半径50メートルに広げることにする。アキトはこれでもまだまだ余裕があったがこれ以上は必要ないだろうと判断した。
アキトたちが5分ほど進んだところでアキトは地中からこちらに向かっている大きな物体を感知した。
「地中から何かデカブツがこっちに来る。全員地中警戒!大きさは8メートル級だ」
「ヨンとアカリは拙者に乗るといいでござるよ」
レンとダスカーは盾を構え、ヨンとアカリは進化して大きくなったピヨちゃんに乗った。そんなことをしている間に地中からの振動が徐々に大きくなる。
「そろそろ来るぞ!後10メートル! 」
魔物の位置が正確にわかっているアキトが走り出す、おとりになって地上におびき出すつもりでいるようだ。ドッパーン!大きな音を立て中型魔物が地中からアキトの足元目掛け出現した。素早く動きアキトは魔物の攻撃を回避したが、アキトを飲み込もうとしているのだろう、魔物は大きな口を開けアキトに追撃を開始している。
「サンドワームでござるよ! 」
ピヨちゃんが魔物の名前を言った。[知識の書]から流れてくる知識なのだろう。すでにアキトを追って追撃しているワームは全身が地中から出てきている、大きさは8メートルの土色をした巨大芋虫を寸胴にし、頭部全体が口のような形になっている。
ダスカーとレンはアキトを追っているサンドワーム目掛けて駆け出す。ヨンはワームの口の進行方向アキトとワームの間にアースで巨大な岩を出現させる。ワームは大口にあけていたところに岩が挟まり、口を閉じることも岩を吐き出すことも出来ず、身をよじっている。そこにアカリのメガファイアが炸裂した。
「ガガガガガガガガーッ」
ワームは口を閉じることもできず、痛みにのた打ち回っている。中型の魔物がのた打ち回っているせいで砂が舞い上がり全員を襲う。その中、レンとダスカーは目を左手で押さえ口に入る砂を無視し、ワームの両脇から追撃を行う。十字斬!レンとダスカーの剣将技十字斬がワームの両脇から放たれたことでワームの体が真ん中で切断され青い血を吹き出している。
ワームは虫型なので生命力が強いのだろう、その後も3分ほどのた打ち回っていたが徐々におとなしくなり、ついには止まった。
「中型魔物結構きついね! 」
レンが笑いながら言っている。自分が強くなっているのを実感しているのだろう。
「皆おつかれー!この砂漠ではこんなのがいっぱいいるのかな。注意していかないとやばいねここ」
「でもなんか生きてる実感がして楽しかったよ! 」
レンは戦闘狂に目覚め始めそうで怖いなとアキトは思った。
「とりあえずこのでかい魔物の魔石を取らないといけないな。どこにあるんだー?探すの大変そうだ。ダスカー任せた! 」
「畏まりました、旦那様」
《大剣将》ジョブLvが2に上がりました。ATK+12 滅斬スキルLv2
アキトは初戦からLv5ダンジョンはきついなと思った。魔石を取る間周囲の警戒しながら休憩しているのだった。
《名前》 アキト・ホウジョウ ギルドランク:C
《称号》天才の異世界人(成長速度100倍)
《ステータス》
ATK 12 +15 +12 +10 +11 +130% +100% +100% +100% = 318
DEF 10 +12 +15 +12 +110% +130% +110% = 220
VIT 10 +15 +130% = 57
DEX 12 +15 +130% = 62
INT 13 +12 +15 +110% + 130% = 136
MEN 12 +12 +110% +130% = 81
SPP 10 +10 +100% = 40
SPD 12 +12 +15 +100% +130% = 128
HIT 11
《加護》女神の加護(仲間の成長速度10倍)
《ジョブ》《拳将》Lv0《上忍》Lv2《剣王》Lv0《白魔法》Lv2
《黒魔法》Lv2《槍王》Lv0《斧王》Lv0《大剣将》Lv2
《槌将》Lv0《防将》Lv2《大槌将》Lv1《盾王》Lv0
《棒王》Lv0《大盾将》Lv2《司書長》Lv0
《特殊ジョブ》《魔物使い》《ダンジョンマスター》《鑑定士》
《精霊使い》【地の大精霊】《空間使い》
《熟練度》《格闘》Lv10《短剣》Lv10《剣》Lv13《杖》Lv11
《槍》Lv13《斧》Lv13《大剣》Lv10《槌》Lv10
《小盾》Lv11《大槌》Lv10《盾》Lv13《棒》Lv13
《大盾》Lv11《本》Lv13
《スキル》《豪拳》Lv5《投げナイフ》Lv5《隠蔽》Lv5《速斬》Lv5
《強斬》Lv5《上級回復魔法》Lv2《上級攻撃魔法》Lv2
《速突》Lv5《強突》Lv5《強撃》Lv5《爆撃》Lv5
《重斬》Lv5《爆斬》Lv5《強打》Lv5《爆打》Lv5
《堅固》Lv2《遮断》Lv2《豪蹴》Lv5《岩砕》Lv5
《受流》Lv5《庇う》Lv5《連撃》Lv5《三連撃》Lv5
《壁砕》Lv5《城砕》Lv1《防砦》Lv2《四連撃》Lv5
《弾飛》Lv5《十字斬》Lv5《薙払》Lv5《地響》Lv5
《執筆》Lv5《鑑定》Lv5《速読》Lv5《滅斬》Lv2
《特殊スキル》《アタックオーラ》Lv1《自動回復量アップ》Lv1
《大型殺し》Lv1《中型殺し》Lv1《魔防》Lv1《致命》Lv1
《格闘マスター》Lv1《防御無視》Lv1《物防》Lv1
《スピードオーラ》Lv1《物攻》Lv1《ガードオーラ》Lv1
《器用》Lv1《マジックオーラ》Lv1




