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75.ピヨちゃんの言葉使いとアキトの告白

アキトはベッドから身を起こし、ピヨちゃんのほうをジッと見つめる。ピヨちゃんはなーに?と言いたげな顔で首をかしげている。


「ピヨちゃん・・・言葉、しゃべれるの? 」


アキトは直球でピヨちゃんに問いかけた。


「ピッピィー?ピーピィー」


ピヨちゃんはなーに?何のことかさっぱりわからないよー。と言いたげな顔でそっぽを向いた。アキトは見つめ続ける。ピヨちゃんはダラダラと汗をかき始める。


「女神様とさっき話してきてね。女神様がピヨちゃんは本当は言葉が話せるって言ってたんだよ。ピヨちゃん、しゃべれるよね? 」


アキトはさらにジッと見つめ続ける。ダスカーが寝ている間に枕元に置いたのだろう、いつの間にか枕元にあった水刺しの水をコップに入れ、飲みながらさらに見つめ続ける。ピヨちゃんはどうやら諦めたようだ、うなだれたように話し始める。


「拙者、言葉話せるでござるよ」

「ブフッ」


アキトは気管に水が入ったのか吹き出した。巨大ヒヨコがいきなりござる口調で話すのは破壊力が高すぎたようだ。ゲホゲホむせているアキトをピヨちゃんはほらなーと言う感じで見ていた。


「拙者の話し方とても変でござるよ。女神様が設定したキャラ付けのせいでこれ以外の話し方ができないでござる。笑われると思ったので黙っていたのでござるよ」


どうやら女神様のイタズラだったらしい。ピヨちゃんがいつまで立っても言葉を話さないから女神様もばらしたのだろう。


「そういうわけか。吹き出してごめんよ、ピヨちゃん」

「いいのでござるよ。わかっていたでござる。だからわざと水を飲んでいる時に話しかけたのでござる」

「おい! 」


わざわざタイミング見て話しかけたようだ。意外とピヨちゃんはお茶目だった。


「まあいいや、これからはみんなの前でも話してくれよ」

「そうでござるねー、タイミング見て皆が紅茶かミルク飲んでいる時にいきなり話しかけてみるのも楽しいかもしれないでござるねー」

「たしかにアカリあたりが鼻からミルクだばだば流しそうでうけるかも」

「見たいでござるなー」


アキトとピヨちゃんのイタズラ作戦が計画され始めたようだ。被害者が出る日も近い。


「今何時だろ、もう18時か。夕飯呼びに来るまで[知識の書]で色々調べるかな。そういえば女神様からピヨちゃんに指令があったよ」

「何でござるか? 」

「全部の大精霊を食えってさ」

「食べるのはともかく見つけるのが大変すぎて不可能でござるよ」

「[知識の書]で大精霊の居場所はわかるようにしてくれたよ」

「なるほど、それなら頑張ればいけるかもしれないでござるなー」


とりあえずアキトは大精霊の位置を調べ始めた。


火の大精霊は、この国ゴルディアス王国の南にある獣人国家ドレイクのラム山に住んでいる。

水の大精霊は、この国の北にある神聖国家デスビアの王家の噴水に住んでいる。

風の大精霊は、魔物領中央部にある名もなき渓谷に住んでいる


「なー、ピヨちゃん。どこも遠いんだけど。そして神聖国家デスビアの王家噴水にいる水の大精霊を食べて来いってどう見ても国家反逆罪で捕まるよね。無理だよね」

「無理でござるなー、とりあえずスルーしておけばいいんじゃないかと愚考するでござるよ。女神様いつも適当でござるし」

「そんなもんかー。じゃ今はスルーで」


アキトたちの大精霊探し諸国漫遊編は現時点ではスタートしないことになった。


「次は[知識の書]で空間使いがとれるかどうかだな」

「アキトもどこでもワープ可能な人外領域に踏み込むでござるね」

「そこまで便利じゃないらしいよ」


アキトは空間使いのジョブを入手したいと念じながら[知識の書]を開いた。アキトの頭の中に情報がとめどなく流れてくる。



《空間使い》特殊ジョブを入手しました。



「空間使いゲットー!こんな簡単に情報頭に入るようにできるなら言語や常識覚える時にもして欲しかった」

「女神様面倒だと思ってしてくれなかったと思うでござるよ」

「なるほど・・・」


ピヨちゃんと話せば話すほどアキトの女神様への敬意が下がっていく。アキトは早速空間魔法を使おうとする。まずは空間制御で何が出来るかを調べるべきだろう、周りの情報を無作為で集めるようにする。全方位に知覚領域が拡張されていくようにどこに誰がいて何が置いてあるかがわかってくる。


「すごい、半径20メートル以内に誰がいてどんな動きをしてるかわかるよ」

「あんまり急に知覚領域拡張すると脳が焼ききれるから気をつけたほうがいいでござるよ。後情報も取捨選択できるように制御覚えた方がいいでござる」

「わかった。ピヨちゃん詳しいね」

「拙者の頭の中に知識の書の内容とアキトの知識が流れてきているようでござるよ」

「ピヨちゃん生き字引に使えるね」


コンコン!そんなことを話しているとノックの音が聞こえたので、ピヨちゃんが黙った。


「失礼します、お食事の準備が出来ました。食堂にお出でください」


ダスカーの食事が出来たようだ。アキトとピヨちゃんは早速食堂に行くことにした。食堂には皆そろっている。


「そういえばアキトに聞きたいことがあるんだけどいいかな? 」


珍しく真面目そうな感じにレンが切り出してきた。ダスカーは給仕をし、全員に紅茶をついでいる。


「いいけど何かな? 」

「今日ノルン相手にしていた時、アキトは「女神様にこの世界に連れてこられた人間だしそれくらいじゃ天罰落ちないから」とか「女神様にこの世界の人類圏を拡大しろって言われてるんだよ。お前も使徒なら協力しろよ」とか言っていたけどどういう意味なの? 」


皆のことは信じられるか?そして皆にこの話をしても信じてくれるだろうか?アキトは少し考えたが信じてみようと思えたので話し始めた。


「俺は別の世界から女神様に呼ばれてこの世界に来たんだ。目的は人類圏の拡大への協力。さすがに荒唐無稽すぎて信じてもらえないと思ったから誰にも言ってなかったんだよ。ちなみに今まで3回女神様には会ってる。ついさっきも呼び出されたところだ」

「なるほど・・。にわかには信じられない話だけど女神様の加護を持っているアキトの言うことだし信じるしかないんでしょうね」

「信じにくい話だけどアキトならあるかもってって思っちゃうよ。ついさっきも呼び出されたって何の用事で? 」

「俺がここでの安定した暮らしをはじめそうだったからもっと頑張れってことと、ピヨちゃんに全大精霊を食べさせろって指令。ついでに全大精霊の現在位置と空間使いも入手した」

「なるほどねー」


皆思い思いに考えているようだ。


「じゃあめがみさまに、おねがいすれば、もとのせかいにかえれるの? 」


今まで黙っていたアカリが期待を押し殺したような声で話しはじめた。


「おかあさんや、おとうさんに、またあえるの!? 」


アカリはアキトに掴みかかりそうな勢いで詰め寄ってきた。だがアキトにその答えはない。アキトはアカリをまっすぐ見据えながら言う。


『俺にはその答えはない。俺がこちらの世界に来る直前、俺は死にかかっていた。女神様が言うには死ぬ寸前の俺の体のコピーを元の世界に置き、元の世界では死んだことにしてこちらの世界に俺を送ることにしたらしい』

『世界を移動させられるなら、戻せるんじゃないの? 』

『女神様が言うには世界に影響が少ない範囲でなら知識をくれた。それ以外のことはしてくれない。そもそもアカリがこの世界に来た理由も不明だ。もし出来たとしてもあの女神様が戻してくれる可能性は限りなく低いと思う』

『それでも! 』


アカリはアキトの服を力いっぱい掴んで何かに耐えるようにしている。


『ごめん、アキトに無理を言ってることはわかってる。ちょっと頭冷やしてくる』


アカリはふらふらしながら食堂から出て行った。アキトはいつも明るく楽しんでいるように見えたアカリがここまで取り乱すとは思っていなかった。次回女神様に会うときには確率がいくら低く思えても帰還方法を女神様に聞いてみようと思った。


「あー、皆わかってると思うけど、アカリは俺と同じ世界の人間みたいなんだ。アカリは俺と違ってここに連れてこられた理由もわからないし、女神様にも出会っていないらしい。家に帰れる希望が少し見えて取り乱しちゃったみたいだ。皆少し気にかけてやってくれ」

「「うん」」

「畏まりました、旦那様」



アキトは重苦しい空気になってしまった食事を終え、気分転換に長風呂をし、そういえばピヨちゃんが言葉話せるって話できなかったなと思いながら寝るのだった。

《名前》 アキト・ホウジョウ  ギルドランク:C

《称号》天才の異世界人(成長速度100倍)

《ステータス》

ATK 12 +15 +11 +10 +11 +130% +100% +100% +100%

DEF 10 +12 +15 +12 +110% +130% +110%

VIT 10 +15 +130%

DEX 12 +15 +130%

INT 13 +12 +15 +110% + 130%

MEN 12 +12 +110% +130%

SPP 10 +10 +100%

SPD 12 +12 +15 +100% +130%

HIT 11

《加護》女神の加護(仲間の成長速度10倍)

《ジョブ》《拳将》Lv0《上忍》Lv2《剣王》Lv0《白魔法》Lv2

     《黒魔法》Lv2《槍王》Lv0《斧王》Lv0《大剣将》Lv1

     《槌将》Lv0《防将》Lv2《大槌将》Lv1《盾王》Lv0

     《棒王》Lv0《大盾将》Lv2《司書長》Lv0

《特殊ジョブ》《魔物使い》《ダンジョンマスター》《鑑定士》

     《精霊使い》【地の大精霊】《空間使い》

《熟練度》《格闘》Lv10《短剣》Lv10《剣》Lv13《杖》Lv11

     《槍》Lv13《斧》Lv13《大剣》Lv10《槌》Lv10

     《小盾》Lv11《大槌》Lv10《盾》Lv13《棒》Lv13

     《大盾》Lv11《本》Lv13

《スキル》《豪拳》Lv5《投げナイフ》Lv5《隠蔽》Lv5《速斬》Lv5

     《強斬》Lv5《上級回復魔法》Lv2《上級攻撃魔法》Lv2

     《速突》Lv5《強突》Lv5《強撃》Lv5《爆撃》Lv5

     《重斬》Lv5《爆斬》Lv5《強打》Lv5《爆打》Lv5

     《堅固》Lv2《遮断》Lv2《豪蹴》Lv5《岩砕》Lv5

     《受流》Lv5《庇う》Lv5《連撃》Lv5《三連撃》Lv5

     《壁砕》Lv5《城砕》Lv1《防砦》Lv2《四連撃》Lv5

     《弾飛》Lv5《十字斬》Lv5《薙払》Lv5《地響》Lv5

     《執筆》Lv5《鑑定》Lv5《速読》Lv5《滅斬》Lv1

《特殊スキル》《アタックオーラ》Lv1《自動回復量アップ》Lv1

     《大型殺し》Lv1《中型殺し》Lv1《魔防》Lv1《致命》Lv1

     《格闘マスター》Lv1《防御無視》Lv1《物防》Lv1

     《スピードオーラ》Lv1《物攻》Lv1《ガードオーラ》Lv1

     《器用》Lv1《マジックオーラ》Lv1

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