5.初めてのステータス魔法
コンコン、ノックの音がする。
「は~い、目覚ましありがとうございます」
扉の鍵を開けた。
「食事持ってきたけど、部屋で食べるのでいいかい?」
「はい。部屋でお願いします。あ、あと明りもらえますか?」
「ランプね。2時間くらいで油切れちゃうからそれ以降は有料になるよ」
「わかりました。ありがとうございます」
早速食事とランプを受け取り、テーブルにおいて食べ始める。干し肉とジャガイモのスープ、酸っぱくて硬い黒パン、塩で味付けした萎びた野菜サラダのようだ。正直あまり美味しくない、でも食べないと体が持たない。
「まずは何から手をつけるべきかなー。」
[知識の書]をいじりながら考える。まずは生きるためにステータス魔法を覚えるべきだ。早速調べてみる。簡単だった。
「ステータスオープン!」
自分の頭に手を当ててステータスオープンと言うだけでいいらしい。一応魔法だけど適性関係なしの誰でも使える特殊魔法らしい。もっと早く調べれば良かった。目の前50センチほど離れた場所に文字が浮き出てきた。これがステータスらしい。
《名前》 アキト・ホウジョウ
《称号》天才の異世界人(成長速度100倍)
《ステータス》
ATK 12
DEF 10
VIT 10
DEX 12
INT 13
MEN 12
SPP 10 +1 +10%
SPD 12
HIT 11
《加護》女神の加護(仲間の成長速度10倍)
《ジョブ》《拳士》Lv1
《熟練度》《格闘》Lv1
「え、なんだこれ・・・」
称号の天才の異世界人、成長速度100倍ってものすごいな。ジョブとか熟練にかかるってことなのかな?だとしたらひどいバランスブレイカーだ。女神の加護も凄い。仲間の成長10倍って下手な人に知られたらこの世界でも自由がなくなりそうな高性能だ。他の人からステータス見られないよね。見られたら困る。どうなんだろう。
[知識の書]で調べる。どうやら《鑑定》スキル持ちに見つかるとステータスが見られるらしい。でも称号と加護は隠せるみたいだ。高速で成長するなら他のステータスも隠したい。どうやら《隠蔽》スキルを取れば隠せるようだ。《隠蔽》は《忍者》のスキルか、短剣装備して戦えば覚えられるみたいだ。《鑑定》は《乱読家》のスキルか。本を装備して戦うってなんだこれ、本で殴れってことなのか。さすがに違うか。特殊な本を使ったスキルで戦うみたいだ。
まずは明日道具屋に行って短剣を買ってゴブリンに戦闘を挑もう。戦ってみた感じゴブリン1匹ならきっと大丈夫だ。
とりあえずランプの油もなくなりそうだし今日はもう寝てしまおう。
《名前》 アキト・ホウジョウ
《称号》天才の異世界人(成長速度100倍)
《ステータス》
ATK 12
DEF 10
VIT 10
DEX 12
INT 13
MEN 12
SPP 10 +1 +10% = 12
SPD 12
HIT 11
《加護》女神の加護(仲間の成長速度10倍)
《ジョブ》《拳士》Lv1
《熟練度》《格闘》Lv1