3.初めての戦闘
アキトの目の前には一面の花畑が広がっていた。綺麗だ・・・あまりの絶景に息を呑んだ。色とりどりの綺麗な花が所狭しと咲いている、ここは天国ではないのか?前の人生ではこんな景色見ることなんてできなかったと5分ほど呆けてしまった。このままではいけない、これからのことを考えなければすぐに死んでしまうだろう、まずは女神様からもらった[知識の書]を読もう。
「まずはここの場所がどこかって言うことと、近くの町がどこにあるのか、それと安全そうな場所でこの世界の言語を学ばないとな」
口に出してなんとかこれからのことを考えるように思考を向ける。まずここの場所はゴルディアス王国南部にある森林地帯の東にある薬草密集地らしい。5キロほど東にランド村があるようだ。いきなり村に行っても言葉も通じないし近くにある巨岩の上で勉強してから移動するべきか。あと無一文だし薬草を集めて村にもっていった方が良さそうだ。
もくもくと言語を学習していく。英語に近い言語なので簡単に覚えられそうだ。発音がちゃんとできているかは村に行ってみないとわからないがわからないことはしょうがない、まずは行ってみよう。
そう思って巨岩から降りた時500mほど離れた森の中から緑色で1mほどの背丈の人型生物が出てきた。
「あれって、ゴブリンって奴かも。弱そうだけど武器もなしで戦ったら死ぬんじゃないか?」
冷や汗が出る。まだ相手は気づいてないようだ。この場所にいるとまずい!巨岩の後ろに素早く隠れ[知識の書]で調べるとやはりゴブリンのようだ。このままどこかに行ってくれと心の中で念じながら息を潜めるが徐々に近づいてる。このままここにいても見つかってしまう。何でもいい!何か武器がないか!周りを良く探すと拳大の石を見つけた。こいつで殴る!そして殺してみせる!
素早く石を拾って戦う手順を考える。普通に殴りかかるより巨岩の上から奇襲し頭部に思いっきり殴りかかればそのまま殴りかかるよりはマシだろう。
アキトは巨岩の上に登り、必死に息を殺すことにする。その時点でアキトの目の前にはゴブリンが見えていた。凄いにおいだ、ゴブリンのものすごい悪臭に鼻を摘み我慢しながらタイミングを計る。
3.2.1.今だ!アキトは心の中でカウントをいれ覚悟を決めた。思いっきり巨岩から飛び降りた勢いをつけて岩でゴブリンの頭部を殴りつける。
「ゴガッ」
骨が砕けた嫌な感触とともにゴブリンが倒れた。ピクピク痙攣している。アキトはとどめをさすために再度思いっきり岩でゴブリンを殴った。その瞬間
《拳士》ジョブを入手しました。
《拳士》ジョブLvが1に上がりました。SPP+1 豪拳スキルLv1
《格闘》熟練Lvが1に上がりました。SPP+10%
頭の中に声が聞こえた。一体これはなんだ。まさかこれが女神様の言っていたジョブというものか。アキトはこれからのことに思いを寄せるのだった。