第七話 絡み始めた二人
私が「出会い系」のサイトに投稿してから一週間後、
一通の返信が着た。
「俺は社会人してる23歳です。
君の文章になんだか惹かれて返信しました。
よかったらメール下さい。」
私の稚拙な文章に、
興味を持ってもらったというだけで、
私は嬉しくなってしまった。
私は早速返信をした。
「返信ありがとうございます。
誰からも返信がなかったので嬉しいです。
今日は暑いくらい。
だからエアコン付けてます。
今はお昼休みですか?
外も暑いですよね。
お仕事頑張って下さい。」
そして送信。
私は返信がくるのを楽しみにしていた。
西宮はパトカーの中でメールの着信音に気付いた。
新人警察官とパトロールの最中。
すぐに「出会い系の少女」だとわかった。
なぜなら、「それ専用携帯」の着信音だったからだ。
スーツの上着からフリッパータイプの携帯を取り出し、
メールを閲覧して西宮は思った。
俺は騙されているのだろうか・・と。
文章には男に媚びるような気配を感じられない。
どことなく律儀な印象すら覚える。
マジメな交際・・・なんて事は有り得ないだろう。
「出会い系」に投稿していた少女だ。
まぁ、俺も「出会い系」に返信した男なんだが。
今は返信は止めておこう。
仕事帰りにでもすればいい。
しかし、彼女の引きこもりには理由があるはずだ。
なんとか力になってあげたい。
西宮はそう思い、携帯を閉じた。