表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

R15は保険です。大した事はないと思いたい。



夢を見た。

白いものが降っていた。

最初は雪だと思っていた。

けれどそれが雪ではない事は、周囲の異常な暑さと木々の焼ける臭いで気付いた。

それは、灰だった。


夢なのにリアルだなぁと、半分覚醒しつつある私はその夢をみていた。

焼け落ちる枝と舞い上がる炎の中、私は誰かを探している。

やがて私は足をとめた。

私の前に背を向けて立っているのは弟だった。

やがて弟はゆっくりと振り向いて

「どうするの?」

と聞いた。とても冷たい声だった。

ちょっと何を怒ってんのよと、夢をみている私は軽くムカついている。

けれど 夢の中の私は何も言えずにただ弟をみているだけ。

「こうなる事はわかってたはずだよ?」

炎はどんどん大きくなり、まるで地鳴りのような音をたて木々を飲み込んでゆく。

「ごめん・・・なさ・い」

やっと私の口から出たのはとぎれとぎれで、しかも

私、泣いてる。

そして弟は忌々しそうに顔をそむけて走っていっちゃった。


ここで目が覚めた。

枕元にあるスマホで時間を確かめると朝の6時15分。

今日は日曜日だし、特別予定もないし、朝寝を決込むつもりだったのに、変な夢のおかげで目が覚めちゃった。

トイレに行ってもう一度寝よう。二度寝最高。

私はベットから起き上がり、階下のトイレへと向かうために部屋から出ると

弟が階段を上がったところだった。

「おはよう。日曜日なのに早起きだねぇ、もう一度寝たら?」

早起きした弟を二度寝にさそう姉ってどうだろう?

弟の横をすり抜けるように階段をおりる。

「姉ちゃん」

後ろから弟が声をかけてきた。私はまるでステップを踏むように階段を下りてゆき、着地と同時に階段上を振り仰ぎ弟を見上げて返事を返す。

「なあに?」

二階廊下の窓から朝日が差し込み始め、逆光となって弟の影を浮かび上がらせる。

「夢を見たんだ。」

ードクンー

私の心臓が大きく跳ねた。

「山が燃えていた。」


今度こそ目が覚めた。


予知夢だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ