現実で炎上しまくった俺は、異世界でチート魔法使いとして人助けをする
推しがよく炎上するので思いつきました。
俳優の神谷悠は昨日までは人気大絶頂だった。
30歳にして大河ドラマ主演も決まっていた今をときめく俳優だった。
昨日までは。
俳優仲間に誘われて行った飲み会先で、未成年の女性がいた。
神谷自体は飲み会も誘われたのみで、普段もスキャンダルを起こさないために徹底していた。
運悪く、週刊誌につかまったのだ。
神谷は女性が未成年なことも知らなかったが、どれだけ訴えても世間の目は厳しかった。
事務所からは謹慎を言い渡され、CM降板、ドラマ降板……SNSでは大炎上した。
自暴自棄になり大量の酒を飲んだところで、神谷の記憶はなくなった。
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「おーい、起きるのじゃ」
神谷を頭がガンガンする中、誰かに呼ばれていた。
「おーい、わしも時間がないのじゃ」
神谷が目を開けると、そこは真っ白な世界だった。
(俺、死んだのか?)
「おぬしは酒を大量に飲んで死んだ。」
「え?誰?」
「とりあえず時間がない。おぬしに選択肢を与える。」
(普通に無視された……)
声はするが、その空間には神谷しかいなかった。
「おぬしはあらぬ罪を着せられ、挙句の果てに酒を大量に飲んで死んだかわいそうなやつじゃ」
(はっきり言うな)
「おぬしにミッションをクリアしたら、時間を巻き戻すようにしてやる。まぁ簡単なミッションじゃ」
「それって、飲み会に行く前に戻れるのか!?」
「おぬしの好きなタイミングに戻してやるぞ。生まれた瞬間でも可能じゃ」
「どんなミッションなんだ?」
「……人助けじゃ。1000人を助けたら時間を戻してやる。そこで、職業を選んでもらいたい。」
「職業?」
「おぬしは可哀想じゃから、全ての職業と一つだけ能力を与えてやる。まず職業は勇者、僧侶、魔法使い、戦士、踊り子。」
「踊り子ってなんだ?」
「まぁおぬしの前世の職業に近いもんだ。早く決めなさい。こういうのはスパッと決めるもんじゃ」
(雑だなー…)
「じゃ…魔法使い」
「分かった。あと能力じゃが、おぬしが決めてよいぞ」
(決めて良いって言われてもなぁ、人助け、人助けかぁ)
「頭の中で考えついた魔法をすぐに実現できるスキル」
「……」
(さすがにチートすぎたか?)
「良いぞ」
「え、良いの!?!?」
「おぬしは前世でかなり得を積んどるからの。ラッキーじゃな」
この声を最後に、神谷はまた気を失った。
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(いった……)
神谷は全身の痛みで目が覚めた。
(どこだここ…目の前に木が見える)
神谷は目が覚めると森の中だった。地面でどれくらい寝ていたのか、身体が悲鳴をあげていた。
(確か魔法使いになるって言って、ありえないチート能力もらったんだよな)
神谷は頭の中で「身体を回復する魔法」を思い浮かべて、近くに置かれていた魔法使いが持ってそうな杖を振ると、身体が光り、痛みが全身から取れていった。
「凄い……本当にあの爺さんが言った通りだ」
神谷は魔法を思い浮かべては使い……そうこうしてる間に村に到着した。
小さい頃よくプレイしていたRPGの世界によく似ていた。
「すげえ……本当にゲームの世界みたいだ。」
神谷がキョロキョロしていると、一人の青年が話しかけてきた。
「貴方は、誰ですか?」
「」
(待てよ、俺この世界では誰って言えば良いんだ!?)
神谷は暫く考えた後、「人助けをするための魔法使い」と答えた。
「丁度良かった、困っていたんです!」
青年から依頼されたのは「壊れた馬車の修復」だった。
どうやら青年は馬車の運転?をして生計を立てているらしい。
(馬車を元通りにする……!)
神谷が杖を振ると馬車は元通りになった。
「ありがとうございます!何とお礼を言ったら良いか…」
「いや、お礼なんか良いよ」
(正直チートすぎて体力奪われてる感じもしないしな…この世界はHPとかの概念あるのか?)
「良ければ、これを使ってください」
青年はそう言うと、【宿泊券】と書かれたチケットを5枚神谷に渡した。
「これはこの村だけでなく、あらゆる宿泊施設で使用できます。お礼に差し上げます。」
「あ、ありがとう」
神谷は青年からチケットを受け取り、青年は笑顔で馬車で去っていった。
「次どうしようかなー、ご飯でも食べようにもお金ないなぁ。とりあえず宿探すか。」
神谷は宿に着くと、先程のチケットで支払いを済ませ、気づくとベッドで眠っていた。
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神谷は目が覚めると18時だった。
宿屋の下は酒場になっており、匂いが部屋に漂っていた。
(金どうするかなぁ、さっき魔法で出せなかったしな。)
そう、神谷は魔法でお金を出そうとしたが出なかったのだ。
神谷は酒場に降りていき、店の主人に話しかけてみることにした。
「すみません、めちゃくちゃお腹空いてて…俺さっきこの世界に来たばっかりでお金なくて。何か困ってることがあったら助けるので、何か食べ物貰えませんか?」
(くっそ恥ずかしいけど、それよりもめちゃくちゃお腹がすいた)
「良いよ!じゃそこのお皿を洗ってちょうだい!」
そこにはシンクに収まり切らないほどの皿が山積みになっていた。
「今日はいつもの手伝いのこがいなくてねえ。困ってたんだよ」
「分かりました」
神谷はそう言うと、またもや魔法で一瞬で片付けてしまった。
店の主人のおばちゃんはあんぐりと口を開けて驚いた。
「あ、あんた魔法使いの中でも凄い人だろ?」
「いや、そんなことはないです」
(本当に大したことないんだよな…)
「まぁ今日は好きなだけ食べておくれ。」
(酒場のメニューは……ビール!枝豆!パスタとかもある…現実世界とあんまり変わらないんだな)
神谷は俳優時代では考えられなかったが、好きなだけ頼んでみることにした。
「はいよ」
おばちゃんも魔法使いか?と思うくらいに速いスピードで料理を出してくれた。
「いただきます」
神谷はパスタを一口食べると、あまりの美味しさに感動した。
「うまっ」
「だろ?私の料理は誰にも負けないよ」
おばちゃんが誇らしげに言うと、周りの客たちも「そうだそうだ!」と声を上げた。
「ところであんた、あんな魔法使えるなら、料理も出せるんじゃないのか?」
「確かにっ……」
(まぁでも、おばちゃんの美味しい料理食べれてから良いか)
食べ終わったあと、残りの皿洗いもしてから自室に行き、試しに水を魔法で出そうとしたらペットボトルで出せた。
(まじでチートすぎるだろ)
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神谷は次の日から、沢山の人助けをした。
村や街を渡り歩いて、丁度1年が過ぎようとしたところで助けた人は999人となった。
「あと1人か……」
神谷はこのチートスキルを持ち、週刊誌のいない生活、自由をすっかり楽しんでいた。
「このままこの世界でも良いなー」
そんなことを呟きながら森の中を歩いていると、可愛らしい兎が罠に引っかかっていた。
「可哀想に…今助けてやるからな」
神谷が杖を振ると、罠は消えてなくなった。
兎は足を負傷していて動けずにいたので、さらに傷を治してあげた。
「これでもう大丈夫だからな」
兎が元気に走る姿を見たのが最後、神谷は意識を失った。
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「おーい、起きるのじゃ」
神谷は久々の声にはっと目覚めた。
「あれ、俺確か999人人助けして……」
「1000人じゃぞ、おぬし兎を助けたであろう」
「あ」
神谷はしまった!という顔をした。
(あの世界で人生チートする予定が……)
「約束は覚えておるな、時間を戻せるぞ」
「あのー…あの世界に居続けるのは無理ですか?」
「無理じゃ、定員オーバー」
(定員オーバー?!絶対今考えただろ)
「わかりました、じゃ1年前の事件となった飲み会に誘われる直前に戻してください。」
「おぬしは理解力が高いのう、もっと前にも戻れるが良いのか?」
「ああ、あのときが一番人生で活躍してたからな。」
「よし、では目を瞑れ。目が覚めたら戻っておるぞ」
神谷は言われるがままに目を閉じる。
光に包まれるような感覚だった。
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神谷は目が覚めると自室にいた。
現実世界に戻ってきたのだ。
「戻ってきちゃったなー……」
スマホの通知が鳴る。
開くとそこには「明日飲み会1人足りなくなったんだけど、来れる?」と俳優仲間からメッセージが届いていた。
神谷はふっと笑って、メッセージに返信した。
今度は間違わないように。
終わり
読んでくださりありがとうございます。
良ければ評価お願いします!!
長編で異世界転移のお話も書いてます。そちらも読んでくださると嬉しいです。




