歪んだ航空主兵
歪んだ航空主兵
夢の中で出合ったおじさんには、第二次世界大戦は航空主兵だと伝えた。
戦艦は航空攻撃で沈むとも伝えた。
それがどうして大鑑巨砲主義になってしまったんだ。
戦艦を主役にする事で、アメリカの量産される空母や航空機を、少しでも抑えたいという狙いが、もしかしたらあったのかもしれないが、反則的な物量のアメリカには意味はなかったと思われる。
まあモンタナ級は造られてたけれども。
空母同士の戦いでは、艦爆艦攻は迎撃戦闘機に弱く、護衛戦闘機が必須。
逆に艦隊が攻撃を受けた際は、空母は脆弱で戦闘機での防衛が必要不可欠。
そしてそれらに共通するのが戦闘機であり制空権。
航空主兵は制空権が重要。
つまり戦闘機を充実させる事が肝要。
戦闘機不要論者が抵抗したようだが、決定的な海軍内の派閥力学が働いてしまったようだ。
戦闘機主力論者ともいうべき航空主兵論者と、大鑑巨砲主義者が手を取り合ってしまったのだ。
大鑑巨砲主義者にしてみれば、無防備で航空攻撃を受ければ、いかに戦艦といえどもただでは済まないと理解している。
ならば戦闘機に迎撃させれば問題解決といえた。
もし迎撃戦闘機の網を突破してくる攻撃機がいれば、その時は高角砲や対空機銃で迎え撃てばいいと考えた。
つまり戦闘機だ。
戦闘機が必要だ。
戦闘機による制空権確保が重要なのだとの結論に至り、大鑑巨砲主義者は、戦闘機主力論者と手を組んだ。
それが海軍の最大派閥となり、戦闘機偏重の編成に繋がってしまったようだ。
戦闘機を運用するためには空母が必要だ。
恐らく翔鶴型と思われるが、正規空母を2隻建造しようとしたところ、扶桑型、伊勢型を空母化する話が持ち上がる。
完成すれば中型空母4隻という事になる。
航空主兵論者は、正規空母2隻よりも中型空母4隻を選んだ。
その代わり大和型の建造が促進された。
大和型は1隻で扶桑型2隻分の力を持つと考えられた。
ゆえに扶桑型・伊勢型・金剛型の8隻に代わって、大和型4隻の建造が進められ、扶桑型・伊勢型・金剛型が空母化していく事になった。
夢の中の記憶があるだけに、違和感しか感じない。
もし日米の戦争が起きなければ、大和型4隻、長門型2隻の体制でいくつもりだったのだろうか。
はたまた大和型5・6番艦もしくは超大和型を建造したのだろうか。
少し気になるところではある。
お読みいただきありがとうございます。
昔から、戦闘機に制空権を取らせた上での艦隊決戦が好きでしたw