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拝啓へたれな貴方へ

「貴方早く起きて!!!仕事遅れちゃうわよ!!」


毎日が妻のその一言で始まる平凡な日々。




”毎日変わる妻の手紙"


拝啓へたれな貴方へ


この手紙を読んでいると言うことは私はもう貴方のそばにいないでしょう。

私がいなくて寂しいと思うから貴方に365枚の手紙を書きました。

毎日”必ず"一通づつ読んでください。

先に行ってごめんね。


               妻より




"へたれ"この言葉は僕のためにあるんじゃないかと思うほど僕のための言葉だと思う。

妻も僕のことをそう呼ぶ。


僕の妻は末期がんだった。

発覚した時点ですでにステージ3。病状はどんどん悪化していっていた。

段々と痩せ細っていく妻。長くて艶があった妻自慢の髪の毛は抜け、妻も次第に元気をなくしてった。

そんな矢先妻が死んだ。


今から約13年前に出会った妻。 

気が強くて、楽しい事が好きで毎朝僕を起こしてくれる妻。

へたれな僕の手を引いてくれる存在。


妻との日々は毎日世界が変わったみたいにおかしくて面白くて飽きなかった。

妻が言う「へたれくん」「旦那さん」「貴方」

はなぜか僕の心が暖かくなる気がするくらい好きだった。また読んで欲しいと言う小さな願い。


今日は晴天。蝉が鳴いていて日差しが痛いくらいに暑い。

そんな今日は妻の遺品整理。静かな病室に入る。

暇な時におっていたらしき鶴の折り紙。

付き合いたての頃に撮ったプリクラが挟んであるスマホ。懐かしい思い出にひたる。


「ん?」 なんだこれ?

引き出しをあけると大量の手紙が入っていた。


妻にこんなに手紙を渡す人がいたっけな...

「1日目のあなたへ」

手に取った手紙の表にはそう書いてある。

他の手紙にも「25日目の貴方へ」

「70日目の貴方へ」「112日目の貴方へ」

こんな手紙が沢山ある。

全部僕への手紙か?ざっと300枚はある...

引き出しの中をまた手探りに探る。

「あっ、、」見慣れた黒のケース。結婚指輪だ。

もう13年...か...

ケースを開くと、「紙?」

またも文字が書いてある手紙。



拝啓へたれな貴方へ


この手紙を読んでいると言うことは私はもう貴方のそばにいないでしょう。

私がいなくて寂しいと思うから貴方に365枚の手紙を書きました。

毎日”必ず"一通づつ読んでください。

先に行ってごめんね。


               妻より



















"毎日変わる妻の手紙"を読んで頂きありがとうございます。初めて書いた小説なのでまだ未熟な所もありますが、温かい目で見て頂けると幸いです。


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