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アイドルに憧れて  作者: 詩鈴
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                アンジェサイド


 授業が終わるのを待って、ネットの検索をする、再生回数は初日なのにすごい回数になっている、話題も色々と憶測が飛んでいた、紹君の身元もすでに知れ渡っているようだ。

 紹君大変なのでは無いだろうか?そう思う物の、ハリーや紹君には連絡できない・・・もどかしいけれど、帰国が決まったなら、生見さんから連絡が入るはず、連絡が無いという事はまだ決まっていないのだ。

 とりあえず、今日は早々に自宅に戻ろう、そう思っているとロビンから連絡が入った。

「やあ、アンジェ元気にしてたかい?今日の予定は入っている?」

「こんにちはロビン、特に予定は無いわ」

 そう答える

「なら少しお茶でもしない?」

 一瞬断ろうかと思ったけれど、特にする事が有る訳でも無いので、お茶のお誘いに乗る事にした。

「いいわ、帰りは送ってね?」

「OK、すぐ迎えに行くのよ」

 そういって携帯が切れる、私は駐車場でロビンを待つ事にする。

今日の護衛のジェレミアには、ロビンとお茶に行くので、今日の護衛はここまででいいと伝える、ジェレミアはロビンの車を確認してから戻るとの事、少しの間待つと、ロビンの車が迎えに来る。少し前からロビンと会って自宅に送ってもらう時は護衛を戻している、それくらい彼は信用されている。

「ハイ、ロビン」

 私はそう言って車に乗り込む

「ハイ、アンジェ」

「何処でお茶にするの?」

「少し郊外の方へ移動した所に先日できた、なかなか素敵なお店だよ」

「初耳ね、楽しみだわ」

 そう言って短いドライブを楽しむ。

 目的のお店はそれ程遠く無い場所に有った、本当に出来たばかりなのだろう、真新しいオシャレなカフェで、若い人達で賑わっていた。

「いらっしゃいませ」

「予約していたサンプレイトだ」

「少々お待ちください、個室をご予約ですね、こちらへどうぞ」

 そう言って案内されたのは奥の方にある小さな部屋で裏庭の景色が見える場所だった。季節によっては素敵な景色が楽しめるだろう、今はクリスマスの飾りが見える

「お茶とコーヒーそれと軽くつまめる物を」

 注文を受けた案内の人が戻っていく、ロビンがバッグから小さな機械を出す取り出す、壁や監視カメラを置物の近くを回る

「えっと、何してるの?」

「ああ、初めての所は盗聴器や隠しカメラなんかを調べる事にしている、僕が作った小型の探知機だよ」

 そう言って悪い顔で微笑む

「用心深いのね、でもその大きさだと持ち運びに便利ね」

「今改良型にとりかかっているから、そちらが出来たらプレゼントしよう、君にも秘密が多いだろう?」

 そう言ってにっこり微笑む、少しだけ背中に寒気がしたような気がする

「あ・・・有難う、えっと何か怒ってる?気に入らない事をしたかしら?」

「今日、新しい動画が配信されたよね?」

「あ・・・えっと、色々と守秘義務が・・・・・・」

「ふ~んそうなんだ、守秘義務ねぇ・・・・・」

「ご・・・・ごめんなさい」

 とにかくここは謝らなければ、ロビンの事をすっかり忘れていた。

「ごめんなさい、家にちゃんとロビン用にDVDとCDを置いて有るから後で渡すわ」

 ドアがノックされた、給仕の係りの人が下がっていくまで黙る、物音がしなくなるまで待ってロビンが

「とりあえず、盗聴や盗撮は心配無い、まぁ僕の事忘れてなかったようで、それは有難う、所で、動画の彼、アンジェがずっとファンだった日本のアイドルだよね?」

 憶えてたんだ、ちょっとびっくり、そしてドキドキ

「え・・・ええ、たまたまこちらで仕事を探してるって知って、ハリーから連絡が入ったの、家族や近い人は私が彼のファンだって知ってるから、暫くケガのために休業しているのは知っていたけれどそれ以上の情報は出回って無かったから、驚いたけれどこのチャンスは逃せないと思って、それで今回動画を一緒に撮る事になったのよ」

「成程ね、復帰のためにこちらで話題になる仕事を探してたって事かな」

「そのようね、何時ものようにハリーとジムが全て取り仕切ってくれたので、私も何時ものように無言で動画を撮影して終わったわ・・・でも彼を間近で見る事ができて嬉しかったわ・・・この動画は宝物になるかも」

 嘘は言って無い、紹君との事は秘密だ、ロビンには本当に申し訳ない、彼の中で気持ちが整理できたのではないかと、私から聞くことはできない、そうならばいいなと思うだけだし、そんな風に見える、でも本当の所は解らないのだ。

「相変わらずだね」

 笑われたが仕方ない

「その後の事は何時ものようにハリーに任せて有るけど、会いたいかな」

「それはそうだろうね、ずっとファンなんだし、それであのキス?」

 ドキっと心臓が跳ねる

「恋歌だったしね、役得ってやつかな?アハハ」

 乾いた笑いしか漏れてこない、そうなのだジムがせっかくだから恋歌をと言い出して聞かなかったのだ。

「恋歌か、初だね?」

「そうね、ジムがそろそろいいんじゃない?って事でね、今後はそっちへシフトするかも・・・・次はまだ決まって無いけど」

「そうなんだ、次回も早いのかなと思ったけど、まだ決まって無いんだね、ちょっと残念だな、ファンとしてはどんどん曲を出して欲しい所だね」

 そう言ってにやりと笑うロビン

 それから暫くお互いの近況等を話し、家に送ってもらった。

「CDを持ってくるから待ってて」

「OK」

 渡す荷物を持って来ると、車の外でロビンが待っていた。

「有難う」

 そう言って手を出したロビンが近づく、荷物を手渡すと

「またね」

 そう言って彼は帰って行った、このまま良い友人でいて欲しいと願う私は祈りながら彼を見送ったのだった。



                 紹サイド


 あれから2日程は何事も無く過ぎて行った、斎賀さんと生見さんは日本の事務所とハリーさんとの打ち合わせを重ねているようだ、僕は事務所の意向通りに動くしかない、頑張ると決めたのだから、少しの焦燥と不安を押さえつける、何時もの事だ、ドアをノックする音がする。

 ドアを開けると生見さんが立っていた。

「紹、今後の打ち合わせをしたいので、隣の部屋へ来てくれないか?」

「はい、すぐ行きます」

 そう答え部屋を出る

「紹、足の調子はどうだい?」

 隣の部屋に入ると斎賀さんが訊ねてくる

「そうですね、昨日のリハビリでは、なかなかいい感じでしたよ」

「そうか、日本に戻るのも有りかな・・・とりあえず、こちらでの仕事が1件決まった、歩く必要は無いが、雑誌に載せる写真を撮る、大丈夫そうか?」

 斎賀さんがそう訊ねる

「大丈夫だと思います、長時間になるとちょっと解りませんが」

「写真の撮影だけだ、そこまで長時間になる事は無いと相手側も言っているので、大丈夫だろう、一応明日の午後からになる、そのつもりにしておいて欲しい」

「了解です、移動はこちらの車ですか?」

「ああ、そうなると思う、明日の様子を見て他に来てるオファーも考えてみる、この後事務所とも相談して帰国日についても検討する」

「はい、解りました宜しくお願いします」

 話しは終わったみたいなので部屋に引き上げる、暫くしてドアがノックされる

「どうぞ」

 返事をすると生見さんが入って来る

「調子は?」

 そう聞かれた、アンジェとの事も気にしてくれていたので、それも聞かれてるんだろうなと思う

「ん~どうかな・・・仕事だから切り替えないとね、アンジェとは話せて無い一応メールも控えているのが、ちょっときついかな」

「だろうね、今後の事を考えると、秘匿回線の携帯を用意するのがいいかもしれないね」

 生見さんがそう提案してくれる、そこまでする必要が有るのだろうか?生見さんが言うって事は有るんだろうな

「そうですか、ハッカーの友人がいるとアンジェが言っていたので、一度問い合わせてもらえませんか?」

「解った、そんな友人もいるんだね、アンジェちゃんも交際範囲が広いね」

「なんだか、彼女の話を聞く限り、友人達は皆自分の目標を持ってそれぞれ頑張ってるそうです、アンジェが頑張り屋なのも友人の影響が大きいんでしょうね」

 僕がそう言うと生見さんは

「そうなんだね、だからアンジェちゃんは年の割には考え方が落ち着いているんだろうな」

「アンジェも成人しているという意識が強いですね」

「それじゃ、後で問い合わせておくよ」

「宜しくお願いします」

 僕がそう言うと生見さんは自分の部屋に戻っていった。



                アンジェサイド


 数日ぶりに生見さんから連絡が入った、帰国の日がついに決まったのかと思いながら携帯を取る

「やあ、元気にしていたかい?」

「はい、帰国の日が決まったのですか?」

「いや・・・実は、紹がちょっと凹んでてね、それで秘匿回線の携帯を入手できないかと思って、ハッカーの友人がいるんだって?」

 生見さんの問いに私は少しだけ返答に困る

「えっと・・・実は彼は美和の事知っているので、話すのは問題無いんですが、そちらに直接紹介すると問題が有るんです、紹さんとの事を話してはいけないんですよね?」

「友人で美和の事知ってる人がいるとは・・・結構親しい友人なんだね?どうしようかな、信用できる人でないと任せられないし・・・」

「そうだわ、彼をハリーに紹介して、ハリーから頼んでもらうというのはどうでしょうか?」

 私はそう提案する

「そうだね、それがいいかも、ハリーにさんにはこちらから話すよ、紹介してもらう彼の連絡先を教えてもらえる?君はなるべく無関係でないといけないからね」

「はい、それでは、こちらからロビンに連絡を入れてハリーから連絡が入ると話しておきます、内容は聞いて無い事にします、紹さんの事に関しては一切話しませんので、それで宜しいでしょうか?」

「ああ、宜しく頼むよ」

 斎賀さんがそう言う

「いえ、こちらこそ、色々て頂いて有難うございます、連絡待っていると紹さんに伝えて下さい」

「了解だよ、それじゃね」

 そう言って連絡は切れる、私はすぐにロビンに連絡を入れる

「ハイ、ロビン」

「ハイ、アンジェそっちからの連絡は久しぶりだね」

「あら?そうだったかしら、実はエンジェルプライムの社長のハリーからホワイトハッカーのロビンを紹介して欲しいと連絡が有ったの、あなたの連絡先を教えておいたけど、迷惑だったからしら?」

「いや・・・何か有れば協力すると言ったんだ、問題無いよ」

「そう、良かった、有難う、すぐにでも連絡が入るかもしれないから、切るわね、お願いね」

「OK、じゃあまたね」

 そう言って、携帯を切る、心の中でロビンに謝りながら




 

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